レクサス・RXはいかにしてレクサス躍進の立役者となったか

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レクサス・RXはいかにしてレクサス躍進の立役者となったか

2018.02.09

自動車の世界において、2000年代は高級クロスオーバーSUVの時代と言っても過言ではないでしょう。BMWX5やポルシェ・カイエンを皮切りに、様々なプレミアムブランドから高級クロスオーバーSUVが発表されました。今回紹介するレクサス・RXもそんな中の1台です。いまや弟分のNXとともに、レクサスのグローバル販売を支えるモデルとなっています。ここでは、RXのこれまでの歴史を紐解いてみたいとおもいます。


クロスオーバーSUVとは




そもそも、クロスオーバーSUVとはどんなクルマなのでしょうか。


簡単に言えば、クロスオーバーSUVとは、「乗用車のプラットフォームをベースにオフロード車ベースに仕立て上げられたクルマ」です。例えば、高級クロスオーバーSUVの元祖とも言えるBMWX5は、同じくBMW5シリーズをベースとしています。反対に、クロスオーバーではないSUVとしては、トヨタ・ランドクルーザーやメルセデスベンツ・Gクラスなど、いわゆるクロスカントリービークルと呼ばれる、過酷な路面状況での走行を想定したカテゴリーのクルマが挙げられます。

こうしたクルマは、あくまでも悪路走破性能に主眼が置かれているため、その骨格から作りが違います。その結果、重量増による燃費悪化、乗り心地の低下など、日常生活では不便な部分もありました。また、価格も必ずしも一般消費者向きではないものがほとんどでした。



一方で、クロスカントリービークルのもつ無骨なデザインとアクティブで男らしいイメージ、大きな室内空間や積載性能の高さなどは一般消費者にとっても魅力的でした。そこで、乗用車ベースのSUV、すなわちクロスオーバーSUVが生み出されたのです。1990年代には日本車ブランドなどから多くのクロスオーバーSUVが販売されていましたが、成長著しい新興国市場を狙って提案されたのでプレミアムブランドによる高級クロスオーバーなのです。



近年、中国やインド、ロシアやブラジルといったいわゆるBRICSや東南アジア諸国の経済成長が著しいこともあり、そうした国々にも富裕層が増えてきました。数千万円クラスの高級車を購入できる経済力を手にした一方で、交通インフラが追い付いておらず、デリケートなスーパーカーではそのパフォーマンスをじゅうぶんに発揮できないばかりか、安心して走れないという問題がありました。そこに、高級クロスオーバーSUVのニーズが生まれたのです。


実は、高級SUVの元祖はレクサス・RX




プレミアムブランドとしての高級クロスオーバーSUVの元祖は、2000年に発表されたBMWX5と言われていますが、一方で、トヨタはすでに1997年の段階で、トヨタブランドとして高級クロスオーバーSUVを市場投入していました。それが、トヨタ・ハリアーです。


ハリアーは、すでにベストセラーカーとして世界的に評価の高かったミドルサイズセダンであるカムリのプラットフォームをベースとして開発されました。1997年の発売以来、2度のフルモデルチェンジを経て現在もラインナップの中核を担っているばかりでなく、トヨタの高級車ブランドであるレクサスでもRXとして派生することになったのです。


初代および2代目のレクサス・RXは、このトヨタ・ハリアーのレクサス版として、基本的な性能は同じクルマとして北米を中心に販売されました。また、2代目ではプレミアムブランドのクロスオーバーSUVとしては初となるハイブリッドモデルが追加されました。トヨタらしい最高の品質が評価され、RXは北米市場で大ヒットすることになります。


一方で、2005年にレクサスが日本市場に展開したことで、RXは不遇の存在となります。基本的にはトヨタ・ハリアーと同じモデルであるにもかかわらず、プレミアムブランドとしてハリアーよりも高額なプライスタグをつけることになったことで(もちろん、インテリアの質感やオプションなどはハリアーよりも豪華であったが)、RXとハリアーで競合することになってしまったのです。


その後、ハリアーはRXとは異なるプラットフォームを使用した国内専用モデルとして、2013年にフルモデルチェンジしています。一方でRXもまた、レクサスのグローバル戦略車として、2015年に4代目へとフルモデルチェンジを果たしています。


レクサスのグローバル戦略車として



レクサス・RXは、国内市場では上記のような事情から不遇を味わうこともありましたが、当初からグローバル戦略車として、レクサスの躍進を支えています。

現在では弟分のNXとともに、新興国市場などでも売れ筋となっています。トヨタのクオリティを持った高級クロスオーバーSUVがどの市場でも受容されることは、当然のことと言えるでしょう。

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