デリカD:5(前期型)を買うなら、おすすめは何年式?
2022.09.24
三菱のデリカD:5といえば、SUVの特徴を持ったミニバンとして唯一無二ともいえる強みと根強いファン層を持つ三菱の看板車種です。
2007年に登場して以来、改良を重ねながら10年以上も基本デザインを変えず作り続けてきましたが、2019年にビッグマイナーチェンジ!
近代的な安全装備や攻撃的なフェイスデザインとったデリカD:5はさらなる旅路へと足を踏み出しました。
この2019年の改良ではモデルチェンジと言っても差し支えないほどの変更が行われたデリカD:5ですが、メーカーではあくまでもビッグマイナーチェンジと呼んでいますので、便宜上2019年を境に前期型と後期型に分けられることになりました。
しかし、その後期型が登場してからもマイルドな顔の前期型は人気が落ちておらず、いまだに中古車市場は活発そのもの。
ここではそんな前期型に焦点を当てて、どの年式がおすすめなのかをお話ししていこうと思います。
■後期型が登場しても人気が落ちない前期型デリカD:5
長きに渡って製造・販売されてきたデリカD:5は、発売以来幾度となく細かなアップデートやマイナーチェンジを施されており、三菱がモデルとしてかなり大切に扱っていたことが分かります。
デリカシリーズは固定ファンの多いブランドですから、顧客からの要望なども細かに取り入れられていたのでしょう。
初登場は2007年で、おおよそ2009年7月までは初期ゆえの細かい部分の改良が多く、2009年11月からは電子制御や環境性能の強化、装備の近代化などを重視するようになっていきます。
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■グレードの追加がメインだった初期の改良ポイント~2009年7月
2007年初頭に販売が開始されたデリカD:5は、当初4WDのみの用意でしたが、すぐに2WDモデルが追加されました。
ミニバン人気が絶頂だった時期に価格を抑えたモデルを用意することが目的でしたが、同時に用意されたROADEST(ローデスト:エアロ付きグレード)はオンロードでの走行性能をアピールする造形で人気となり、後に4WDが追加されました。
また2007年末にはデリカのウインターシーズン仕様車として定番となっていたCHAMONIX(シャモニー)を発売。バッテリーの強化や前席シートヒーターなど冬向きの装備を充実させたほか、電動ドライバーシートなどを装備しており、以後冬の定番として何度かこのCHAMONIXは登場します。
ちなみにCHAMONIXで初登場となった7人乗り仕様は、2008年5月から全グレードで選択可能となり、その他の専用装備もオプションとして用意されました。
続いて2008年12月には、ベースグレードを除く全グレードに組み込み型ETC車載器を装備し、バッテリー容量も強化されます。
上級グレードにはフォグランプも標準装備となりました。
翌2009年2月には2WDの特別仕様車EXCEED(エクシード)が追加。
7月にはEXCEEDⅡとして専用装備のホイールが用意され、4WDも設定されました。
■毎年のように進化した2009年11月~2011年12月
2009年11月にまず4WD車が大規模マイナーチェンジを受けました。
おもに内装の進化が目覚ましく、それまで単色だったディスプレイがカラー液晶に改められ、各種スイッチ類も高級感を高め、同時にドア下部にウェルカムランプを追加するなど、他メーカーのミニバンに負けじと改良が進められました。
またエンジンとCVT制御の見直しにより燃費性能をアップし、急制動時のエマージェンシーストップシグナル(ハザード高速点灯)や、坂道発進をアシストするヒルスタートアシストも装着されました。
12月には2WD車も同様の改良がなされ、こちらはエンジン(4B11型)の変更により燃費性能を向上。
エクステリアもそれまでグリル等で差別化されていた部分を4WD車と同様のものに変わりました。
2010年6月の改良では、助手席側のみだったG-Power Packageの電動スライドドアを運転席側にも装備し、ベースグレードは助手席側電動スライドドアを標準で装備してミニバンとしての利便性をアップ。
さらにMMCS(三菱マルチコミュニケーションシステム)により外部カメラをナビと連動させることでサイドアンダーミラーの省略が可能になったほか、ステアリングにオーディオ関連のスイッチやボイスコマンドスイッチなども搭載。
ブレーキシステムのアップデート等も行われ、アクセルとブレーキを同時に踏んだときにブレーキが優先されるブレーキオーバーライド機能を搭載(4WDのみ。2WDには次回に搭載)。
アクティブコーナリングライトはバックギアにも連動するよう改良されています。
12月の改良では、燃費向上に主眼が置かれたエンジンまわりの最適化が行われました。
翌年2011年12月のマイナーチェンジでは、2WD車のエンジンを新型(4J11型)へ変更し、アイドリングストップ機構を装備し、燃費性能を向上しました。
■ディーゼルモデルを追加してSUV色を強めた2012年12月〜
2012年12月の改良で、いまやデリカD:5の代名詞ともなったディーゼルモデルがついにラインアップに追加されました。
2.2Lクリーンディーゼルエンジンにスポーツモード付き6AT(アイドルニュートラル機構搭載)が組み合わされたデリカD:5は、太いトルクでぐいぐいと進むパワーを手に入れました。
またディーゼルモデルは、エンジン搭載による重量増にあわせて足回りの最適化などを行った結果、乗り心地を上質なものへと変化させました。
そこから少し間が空き、次の改良は2014年8月。
ディーゼルエンジン制御の改良により加速性能とアクセルレスポンスを向上したほか、内装ではパネルカラーをピアノブラックに変更するなど高級感を向上させました。
2015年11月の改良では電動スライドドアにワンタッチ開閉スイッチを採用し、ROADESTにもディーゼル車を追加。
モデル末期が近付く2017年4月にはいまでも人気が高いオレンジ色を纏った限定仕様車ACTIVE GEAR(アクティブギア)を発表。
続く2018年4月には、衝突安全性能向上を目的としたアップデートによりフロントバンパープロテクターが標準装備となり(全グレード)、同時にこれが前期型最後のマイナーチェンジとなりました。
■デリカ D:5おすすめの年式
これはずばり言ってしまうと、年次改良が進んで完全に熟成が完了したと言っていい2018年4月以降のモデルがもっともオススメです。
無骨なフロントバンパーは好みが分かれますが、長きに渡ってマイナーチェンジが重ねられてきたぶん、信頼性や快適性は前期型のなかでも間違いなくピカイチですし、年式が新しいぶんメンテナンスコストも抑えられます。
基本的にデリカD:5については新しければ新しいほど良い装備を持っていると考えて間違いありません。
デリカは初代デリカコーチから現行のデリカD:5にいたるまで、いずれもモデルイヤーが10年を越えるものばかりで、まさに改良・改善の歴史を持った車種です。
そしてデリカD:5前期型は、個人的には最後のアナログ世代デリカなんじゃないかなと思うのです。
近代的過ぎず、かといって古過ぎず。
ちょうどいい塩梅の前期型デリカD:5、ぜひご検討ください。