いざというとき悪路に強い4WDはどっち?RAV4 アドベンチャー VS アウトランダー
2022.08.24
オンロードでの使用を前提に設計されたものから、道なき道をゆく悪路に強いものまで、ひと口にSUVと言ってもその特性はメーカー、モデルによって異なっています。
そのなかから、オフロードでも使える高い悪路走破性を備えたトヨタ RAV4アドベンチャーと2代目三菱 アウトランダーを比較します。
■どうせなら悪路走破性に優れたSUVに乗りたい
たとえばトヨタだけをとっても、アーバンSUVの先駆者であり第一線に君臨し続けるハリアーをはじめ、高い悪路走破性が世界中で愛されるランドクルーザーやちょうどいいサイズが人気のランドクルーザープラド、コンパクトで使い勝手のいいライズ、スタリッシュで燃費性能にも優れるヤリスクロス、ピックアップトラックのハイラックスと、さまざまなサイズにいろいろな特性のSUVを揃えています。
そのなかで、シティ派からタフなSUVがらりと生まれ変わった現行RAV4アドベンチャーは、幅広い世代から支持を集め、街なかでもキャンプギアのステッカーを貼った個体を多く見かけるようになりました。
対する三菱自動車は、1990年代にパジェロで国内のRVシーンを牽引。
その後パジェロと多くの部品を共有したデリカシリーズはもちろん、ラリーやダートラ等の競技の世界で活躍したランサーエボリューションやミラージュなど、まさしくオフロード=三菱といえるイメージを持つメーカーです。
そのなかのアウトランダーは、パジェロから連綿と続く電子制御の4WDシステムを備えた、隠れたファンの多いモデルです。
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※価格は支払総額
■スペック的には互角のRAV4アドベンチャーとアウトランダー
1994年に登場し、5ナンバーサイズながらフルタイム4WDを搭載するなど意欲的だったRAV4は、3代目で路線を変更。
5代目の現行型はその延長で設計されています。
とはいえ、それまでのイメージを一新してシャープな顔付きと立体的な造形を身にまとい、よりオフローダーとしての性格を強めた姿はまさにタフそのもの。
外観だけでなく内装までオフロード色を強めながらも品質も妥協せず、納得のパッケージングです。
ガソリン仕様のパワートレインは、2.0L直列4気筒DOHCにCVTを組み合わせ、駆動方式はフルタイム4WDです。
エンジンのスペックは、最高出力126kW(171PS)/6,600rpm、最大トルク207Nm(21.1kgm)/4,800rpmとなっています。
パジェロから三菱のフラッグシップの地位を引き継いだアウトランダーは、2005年にデビューしました。
アウトランダーの名は元来、ミドルクラスのSUVとして販売されていたエアトレックの輸出名で、系譜としてはエアトレックの後継にあたります。
ここでピックアップするのは2012年から2021年まで販売された2代目アウトランダーです。
初代から正統進化した2代目は、滑らかなボディラインと三菱らしい逞しさを特徴とする造形、培われたノウハウを詰め込んだ高度な四輪駆動制御が魅力です。
2.4L直列4気筒エンジンはSOHCヘッドとなりますが、三菱がカムの1本をケチった訳ではなく、リフトと位相を機械的に可変させることでDOHCと同等の性能を発揮するMIVEC(マイベック)によって力強さと低燃費を実現しています。
スペックは、最高出力124.3kW(169PS)/6,000rpm、最大トルク220Nm(22.4kgm)/4,200rpmとRAV4とほぼ同じです。
■RAV4アドベンチャーの4WDシステム
ガソリンエンジンのRAV4アドベンチャーには、トヨタが新開発した「ダイナミックトルクベクタリングAWD」と呼ばれる電子制御4WDシステムが採用されます。
この機構は、走行状況に応じて前後にトルクを瞬時に配分すると同時に後輪の駆動力は左右独立して制御するもので、旋回時の車両安定性向上とエンジンのパワーをあますことなく路面に伝えることで、力強い走りを実現。
さらに前後輪にラチェットシフト式ドグクラッチを採用することでAWDと2WDの切り替えを文字通り瞬時に行える機構を備えています。
くわえて総合制御機構のAIM(AWD Integrated Management)を組み合わせることで、オンロード走行時はもちろん、悪路走行時にも強力なトラクションを発揮します。
■2代目アウトランダーの4WDシステム
2代目アウトランダーには、「ECO」「AUTO」「LOCK」のモード切り替えが可能な三菱自慢の電子制御4WDが装備されています。
それだけでも通常のシーンでは十分な悪路走破性能を発揮しますが、その本領はオプション設定のS-AWC(Super All Wheel Control)と呼ばれる機構にあります。
WRCで活躍したランサーエボリューションで培われた高度な車両運動総合制御システムを改良・転用したハイテク装備は、前後輪のトルク配分はもちろん、横滑り防止装置やトラクションコントロール、四輪独立のブレーキ制御などを徹底して組み合わせることで、怒涛の走破性能を発揮。
不整地での走行はもちろんのこと、突然の凍結路面やハイドロプレーニングを起こすような路面状況であっても瞬時に的確な姿勢制御を可能としており、その性能はさすが三菱!と舌を巻く完成度となっています。
■甲乙つけがたい走破性能。あなたはどっちを選ぶ?
それぞれ、悪路走破性にフォーカスして解説しましたが、正直甲乙つけがたい性能やバックボーンを持っているので、どちらを選択するかは完全にお好みという結論になってしまいます。
RAV4アドベンチャーは最新といえる性能を誇っており、モデルイヤーも新しいため、今後の発展も期待できますし、かたや2代目アウトランダーは長年に渡る改良もあって特に後期モデルにおいては熟成感が素晴らしいクルマです。
個人的にはアウトランダーをオススメしたいところではありますが、公平に見るならほぼ互角といっていい2台だと思いますが、あなたならどちらを相棒に選びますか?