シエンタとフリード。ママに優しいのはどっち?
2020.12.13
シエンタ
子供の送り迎えや買い物などに便利で重宝する小型ミニバンで、人気を二分するトヨタ シエンタとホンダ フリード。
実際、2020年上半期の新車販売台数ではシエンタ6位、フリード7位と、人気は拮抗しています。
フリード
とはいえ、エクステリア(外装)デザインひとつ取っても、トレッキングシューズをイメージしたというアクティブで有機的なデザインのシエンタと、コンサバで洗練された印象のフリードは、まさに好対照。
そんな2台の使い勝手や機能性を、比べてみました。
■ドライバーのことも考えたフリード
まずは運転する人が、もっとも長く座ることになる運転席まわりの居住性を比較してみましょう。
シエンタのインテリア(内装)デザインは、エクステリアに調和した動きのある曲線で構成され、遊び心と機能性を両立させたユニークな印象。
フロントシートは、シートバックやクッションの形状を人の身体に合わせて最適化し、姿勢が崩れにくく座りやすいよう工夫されており、ロングドライブでも快適です。
いっぽうのフリードは、水平基調のダッシュボードに、イルミネーションや自然素材の質感が感じられる木目調パネルをアクセントとすることで、ワンランク上の心地よさが感じられるインテリアとなっています。
フロントシートは、小柄なドライバーでも最適なポジションを取れるハイトアジャスター付き。
またルームミラー上部に、後席に乗る家族を確認できる「室内確認用ミラー」も付いています。
前方視界は、大きなフロントコーナーウインドウと細いフロントピラーにより、斜め前方の視界を向上させています。
内外装のデザインはコンセプトが違うので、好みが分かれるところでしょう。
アクティブでスポーティな雰囲気が好きな方はシエンタ、シンプルで疲れない室内を求める方にはフリードがおすすめです。
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※価格は支払総額
■後席への乗り降りはシエンタ
シエンタもフリードもミニバンですから、後席の使い勝手にはこだわりがあります。
どちらも後席両側スライドドアで、床面はフラットで使いやすく、セカンドシートのスライドで広さも申し分ありません。
シエンタは、3列シートの6人乗りまたは7人乗りに加え、2018年のマイナーチェンジで2列シート5人乗りも設定されました。
対するフリードは、3列シートで6人乗りか7人乗りが「フリード」、2列シート5人乗りは「フリード+」と呼ばれます。 室内寸法は、シエンタが室内長2,535mm、室内幅1,470mm、室内高1,280mm。
フリードは、室内長3,045mm(フリード+は2,310mm)、室内幅1,455mm、室内高1,285mm(ハイブリッド車は1,275mm)となります。
セカンドシートへのアクセスは、シエンタが乗り込み高さ330mm(2WD)、スライドドアの開口部は、幅665mm×高さ1,145mm。
フリードは、乗り込み高さ390mm(2WD)、スライドドア開口部は、幅665mm×高さ1,165mmとなっています。
開口部の高さではフリードですが、床面まではシエンタのほうが低いので、小さなお子さんや高齢者の方にとってはシエンタのほうが乗り降りしやすいかもしれません。
シートアレンジはどちらも多彩。
ですが、サードシートの格納の仕方に違いがあります。
シエンタは、セカンドシートの下にサードシートを格納する“ダイブイン格納”という方式で、サードシートを使わない時に広く荷室を使えるというメリットがあります。
いっぽうフリードのサードシートは、跳ね上げ式。
荷室は狭くなりますが、操作が簡単なので、サードシートを頻繁に使用するユーザーにとっては便利でしょう。
■ラゲッジの使い勝手フリード、広さならシエンタ
シエンタのセカンドシートは、6名乗りも7名乗りも座面を前方にはねあげて折りたためるタンブル式で、長尺物や大きな荷物も積みやすいでしょう。
フリードの場合、7人乗りのベンチシートはダブルフォールディング式。
6人乗りのキャプテンシートは折りたたむことができず、シートを前方にスライドさせるだけのアレンジです。
たくさんの荷物を積むなら、ベンチシートの7人乗りがおすすめです。
リアゲート開口部の地面からの高さは、シエンタが505mm、フリードの3列シート仕様が480mm、2列シート仕様が335mm(2WD)と、圧倒的にフリードの勝利。
これはサードシートを跳ね上げ式にしている恩恵のひとつです。
サードシートが不要で、大きい荷物や背の高い荷物を頻繁に出し入れするという方は、フリード+が使いやすいでしょう。
■安全性を買うならMC後がおすすめ
シエンタにはトヨタの先進安全装備「Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)」、フリードにはホンダの先進安全装備「Honda SENSING(ホンダセンシング)」が設定されています。
Toyota Safety Senseは、当初全車メーカーオプションでしたが、マイナーチェンジ後はベーシックグレードあたるXグレード以外に標準で装備されるようになりました。
また衝突被害軽減ブレーキは、マイナー後以降のモデルのみ歩行者検知に対応しています。
フリードのHonda SENSINGは、グレード別に標準もしくはオプションで装備となり、歩行者の検知にも対応しています。
2019年に実施されたマイナーチェンジ以降は、全車標準装備となったほか、後方誤発進抑制機能が追加されました。
■お財布にやさしいのはどっち?
買った後の維持費、とくに燃費は気になるところですよね?
シエンタのパワートレインは、1.5Lガソリンと1.5Lガソリン+モーターのハイブリッドの2種類。
4WDはガソリン車、3列シート6人乗り仕様のみです。
WLTCモード燃費はハイブリッドが22.8km/L、ガソリンは17.0km/L(2WD)/14.0km/L(4WD)です。
一方のフリードは、1.5Lガソリン車と1.5Lガソリン+モーターのハイブリッドそれぞれに、2WDと4WDがあります。
燃費は、ハイブリッドが20.8km/L(2WD)/19.8km/L(4WD)、ガソリンは17.0km/L(2WD)/15.6km/L(4WD)です。
燃費を気にされる方は、シエンタのハイブリッド(2WD)、雪道や雨など路面状況が悪いときにも運転するので安全を優先させたいという方は、フリードのほうが選択肢もひろくさらにハイブリッド版も選べます。
ミニバンとしての使い勝手はどちらも申し分ありませんが、細かいところで仕様が異なりますから、ライフスタイルに合わせて使いやすいほうを選びたいもの。
それには、小さなお子さんが頻繁に乗り降りするか、ベビーカーを出し入れすることが多いか、大きな荷物や長尺物を載せる頻度はどのくらいか、サードシートはどのくらい使うか、といった要素を考慮すると良いですね。