50年以上の歴史があるトヨタ ハイラックス
2020.12.12
ピックアップトラックというスタイルは、新興国や北米を中心に世界的に人気のカテゴリーです。
かつては日本でも、日産や三菱から販売されていましたが、現在はトヨタ ハイラックスが国内で唯一、新車で買うことのできるピックアップトラックとなってしまいました。
その現行モデルは、1968年にデビューした初代から数えて8代目。
じつに50年以上の歴史があります。
そんなハイラックスについて、歴史と魅力を掘り下げてみました。
■商用トラックからSUVへ50年の歴史
※画像は2020年8月モデルのハイラックスです。
初代ハイラックスは1968年に発売されました。
エンジンは1.5L 直4ガソリンで、トランスミッションは4速コラムMTに、グレードは乗用車並みの装備を持つ「デラックス」と「スタンダード」という2つを設定。
アメリカ市場にも「トヨタ トラック」の名前で投入されました。
1972年に発売された2代目は、基本的に初代の進化版ですがエクステリア(外装)を中心に刷新されました。
1978年に登場した3代目は、ピックアップを乗用車がわりに使うことを提案したモデルです。
モデル初のディーゼルエンジンや4WD、レジャー用に便利な2列シートのダブルキャブが設定されるなど、いわばピックアップトラックベースのSUVが登場したわけです。
3代目の進化を受けて1983年に登場した4代目では、レジャー目的のSUVモデルと商用モデルが明確に分かれたシリーズ体型となりました。
※画像は2007年6月モデルのSSR-X リミテッドです。
1984年5月には、4WDモデルをベースにステーションワゴン化した初代「ハイラックスサーフ」も登場しました。
5代目は1988年に発売。SUVとしての機能を高めるため、車高を大幅に引き上げ、今日的なクロカンスタイルに近づくとともに、快適装備の充実が図られました。
1997年に登場した6代目は、乗用モデルの快適性や利便性を5代目よりも向上。
しかし商用トラックの需要はすでにキャブオーバー型が主流となっていたのと、ボックスタイプのSUVに人気が集まっていたため、日本での販売は一旦終了。
2004年に登場した7代目の日本発売はなく、2015年にタイで発表された8代目が、2017年に日本市場に投入され、じつに13年ぶりにハイラックの名前が復活することになりました。
ハイラックスは2017年までに、世界での販売台数が1,772万台に達しています。
販売国数は180以上の国や地域に上り、おもにアジア、南米、アフリカ、中近東、オセアニアで人気モデルとなっています。
現在の生産は、タイ、マレーシア、パキスタン、南アフリカ共和国、アルゼンチン、ベネズエラの6カ国。
日本で販売されている8代目ハイラックスは、タイで生産されたものが輸入されています。
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※価格は支払総額
■世界中のさまざまな条件で鍛えられた現行モデル
現行型は「道が人を鍛える。人がクルマをつくる」という考えのもと、開発チームは、気温50度を超える砂漠や森林地帯のぬかるみ、雨期には冠水してしまう生活道路、突然現れる路面の陥没など、世界中のさまざまな道の過酷な環境を実際に体験して、ユーザーの声を聞きながらクルマを作り上げてきました。
新開発のフレームは頑丈さと安全性を向上、衝撃吸収性と振動減衰性を高めたサスペンション、整備性の向上とともに低速トルクを大幅にアップしたディーゼルエンジン、そのエンジン性能を最大限に生かし低燃費にも貢献する6速ミッションなど、8代目は先代に比べて大幅に進化を遂げています。
また厚みのある力強いバンパーと、薄く一体感のあるアッパーグリル、LEDヘッドランプとの対比により、タフさと洗練を両立させたエクステリアに、乗用車感覚あふれるモダンで質感の高い、機能的なインテリアなど、21世紀にふさわしいパッケージとされました。
ボディサイズは全長5,340mm×全幅1,855mm×全高1,800mm、ホイールベースは3,085mm。
エンジンは2.4L 直4ディーゼルターボで、最高出力は110kW(150PS)/3,400rpm、最大トルクは400Nm(40.8kgm)/1,600〜2,000rpm。
トランスミッションは6AT(6 Super ECT)です 2020年8月にマイナーチェンジが実施され、エンジンとサスペンションの改良により、燃費の改善と乗り心地を向上。
内外装デザインも力強くさらにモダンに進化しました。
■モータースポーツでも活躍する高性能
ハイラックスはモータースポーツの世界でも活躍しています。
2020年、サウジアラビアを舞台として開催された「ダカールラリー」には、4台のハイラックスがエントリー。
全工程の75%が砂に覆われた難コースを全車が大きなトラブルもなく走り抜き、その品質、耐久性、信頼性の高さを証明しました。
その性能は、ダカールラリーのオフィシャルカーとして採用されていることで証明されています。
競技中にトラブルやアクシデントが起きたときにサポートするオフィシャルカーには、まず壊れないこと、また多少不具合が出ても目的地までたどり着けるという性能が求められます。
ハイラックスは、そういったタフさという点でも世界に認められているのです。
高い悪路走破性と耐久性、そしてオフロードを長時間乗り続けても疲れない快適さは、日本で乗るにはある意味オーバースペックとも言えるでしょう。
しかしそれこそが、ハイラックスの価値であり、魅力なのです。
ぜひ一度その世界観を体験してみてはいかがでしょう。