TNGAってナニ?TNGAが採用されたSUVを紹介
2020.08.15
近年のトヨタの新型モデルの発表の場では、TNGAプラットフォームだの、TNGA思想だの、なにかと”TNGA”というワードを耳にします。
このTNGAはどんな意味で、なにを表現したものなのでしょうか?
TNGAの解説と、それを採用したSUVを紹介していきます。
■TNGAとはトヨタの設計思想
TNGAは”Toyota New Global Architecture”の略であり、「もっといいクルマづくり」を実現するために掲げられたトヨタの設計思想です。
企画・調達・生産まで一貫して連携することを中心に、パーツの共用化、生産現場での連携、商品力の向上を図ることで、グローバルに通用するクルマ作りを行っています。
具体的には、プラットフォームやパワーユニットを複数のモデルで共有し、一体的に開発することで、トヨタラインアップ全体の基本性能を向上させようという狙いがあります。
この構想は2012年4月に発表され、2015年10月発売の4代目プリウスにて初めて採用されました。
その後のトヨタの新型車の多くが、TNGAのもとで開発されています。
■TNGAプラットフォームが目指したものとラインアップ
TNGAのキモとなるのが、クルマの基本骨格となるプラットフォームです。
TNGAプラットフォームは、低重心化、ボディ剛性の向上、質感の高い乗り心地、気持ちいいハンドリングなど、さまざまな項目の性能を追求しています。
車種のボディサイズやクラスごとに分けられており、現在はヤリスで初採用されたFFコンパクトカー向けのGA-B、プリウスで初採用されたコンパクトカー向けGA-C、ミドルクラス向けGA-K、高級車向けFR用のGA-Lという4種類のプラットフォームがあります。
以下では、TNGAプラットフォームを採用した、トヨタの新世代SUVを紹介しましょう。
■Bセグメントが採用するGA-Bプラットフォーム
2020年に販売が開始されたコンパクトハッチバックのヤリスに初めて採用されたFFコンパクトモデル用プラットフォームです。
欧州のBセグメント向けに作られたプラットフォームで、2020年秋の販売を予定しているSUV、ヤリスクロスにも採用されます。
■コンパクトSUVが採用するGA-Cプラットフォーム
GA-Cプラットフォームは、C-HRとレクサスブランドのUXが採用しています。
最初に使用されたのは4代目プリウスで、その第2弾として2016年末登場したC-HRは、GA-Cプラットフォームの採用で、SUVながら走りとデザインにこだわって製作されています。
結果、エクステリアデザインもSUVとしては低く、クーペ彷彿とさせるようなシルエットを獲得。
走りはニュルブルクリンクで行われる24時間レースに参戦し、完走を果たしています。
いっぽう2018年11月登場のUXは、レクサス製SUVのなかでエントリーモデルに位置付けられます。
GA-Cプラットフォームは、ボディの高剛性化と低重心化に寄与し、レクサスブランドにふさわしい上質な乗り心地を実現しています。
■ミドルクラスSUVが採用するTNGA-Kプラットフォーム
GA-Kプラットフォームは、ミドルクラスSUVのRAV4と4代目ハリアーに採用されています。
セダンのカムリやレクサス ESのほか、北米で販売されるSUVのハイランダーなど、さまざまな車種の基本骨格となっています。
SUVで最初に使用したのは、2018年末に北米市場で販売された現行RAV4で、新開発の4WDシステムもふくめた走りを中心に、高い評価を受けています。
その甲斐あってか、RAV4は、2019 - 2020日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。
■ダイハツ車はDNGAプラットフォーム
ダイハツ ロッキーの姉妹車であるトヨタ ライズが採用するのは、ダイハツ主導で開発が行われたDNGA-Bプラットフォームです。
軽量かつ高いボディ剛性を両立し、優れた操縦安定性と快適な乗り心地を実現するDNGAプラットフォームの採用により、リーズナブルながら質感の高いドライブフィールとなっています。
ちなみにDNGAプラットフォームには、ほかにAセグメント向け、軽自動車向けの2つがあり、ボディサイズと規格によって使いわけられています。
■TNGAモデルは街乗りも楽しい!
TNGAプラットフォームは、SUVだけに留まらず数多くのトヨタ車に採用されています。
どのモデルも実際に運転してみると、ちょっとした試乗でも素晴らしいハンドリングと乗り心地を実感することができるでしょう。
気になる方はTNGA採用モデルを試乗して、素晴らしいドライブフィールを体感してみてください。