本当に使い勝手がいいのは、ステーションワゴンSUV?
2020.04.14
実用性に優れたステーションワゴンに、SUVの機能を盛り込んだクロスオーバーモデルは、もともと日本のスバルが得意とするカテゴリーでした。しかし世界的にSUVが流行すると、都会からアウトドアまで幅広いシチュエーションで実用性の高い性能に目をつけ、他メーカーも同様のコンセプトのクロスオーバーモデルを用意するようになりました。
■ステーションワゴンSUVの利点を解説
使い勝手の良いステーションワゴンと悪路走破性の高いSUVを融合させたステーションワゴンSUV。日本では、一般的なSUVの影に隠れて目立たないカテゴリーですが、クルマをよく識った人から支持される傾向にあります。
その大きな理由に挙げられるのが、いわば「いいとこ取り」ともいえる利便性の高さ。ステーションワゴンがベースになっているため乗降性はセダン並み、さらにラゲッジスペースも広くゲート開口部地上高はSUVよりも低いので、荷物の出し入れもしやすくなっています。
また車高はSUVほど高くはなく、立体駐車場やタワーパーキングの高さ制限を気にすることがないうえ、ルーフキャリアを使う場合、荷物の出し入れも容易。
さらに重心高も低く、コーナーでもロールが少なく、乗り心地にも優れるなど、まさにオールラウンダーともいえる実力を発揮してくれるのがステーションワゴンSUVなのです。
そんなステーションワゴン型のクロスオーバーSUVを紹介しましょう。
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■代表車種その1 ボルボ V60 クロスカントリー
ミドルサイズのステーションワゴンとして人気の高いボルボ V60 シリーズ。
その派生モデルとなるクロスカントリーは、ノーマルよりも高められた地上高やAWDシステムを備えたドライブトレイン、過酷な自然にも耐えうるタフなボディパーツによってたくましさを身につけたモデルです。
ルーツは、V90 クロスカントリーへと発展する2001年発売のV70 XCで、V60 クロスカントリーは2015年10月に発売されました。
ノーマルモデルと比較すると最低地上が65mmほど高められており、それにともない全高も60mmほどアップ。専用エクステリアデザインのほかに足まわりも専用サスペンションが備わり、ラフロードにおける走行性能の面でも改良が施されています。
2018年にV60のフルモデルチェンジにより、いったんカタログから姿を消しましたが、2019年4月に復活。V60のガソリン車としては初となるAWDモデルで、内装などがことなる2つのグレードが用意されています。
ボディサイズは、全長4,785mm×全幅1,895mm×全高1,505mm。ホイールアーチを覆う樹脂フェンダーと、クロームの加飾パネルを採用した専用フロントグリルが、エクステリアの識別点です。
室内空間は基本的にV60と同様で、実用性を高めた使いやすい仕様となっているほか、ラゲッジスペースはフロア下にもストレージを誂え、最大1,441Lまでの荷室容量を確保しました。
そのほかにもショッピングバッグをそのまま掛けられるグロサリーフックがリヤシート裏についていたり、不安定な荷物を固定できるアイレットを4ヵ所に設けるなど、随所に工夫が凝らされています。
■代表車種その2 アウディ A4アバント オールロードクワトロ
アウディA4やA6といったステーションワゴン(アバント)をベースに、ホイールアーチの大型化にくわえ、専用外装パーツやアンダーガードといった加飾パネルで、SUVテイストを付与したアウディのスペシャリティモデルがオールロードクワトロです。
その歴史は、1999年発売のA6をベースとしたオールロードクワトロが始まりで、2001年に日本でも販売。2006年にA6のモデルチェンジにともない、車名をA6オールロードクワトロに変更。
2009年には、プレミアムコンパクトクラスのA4アバントにも、オールロードクワトロが容易されました。 日本への導入は、2012年が最初で、250台限定で販売を開始。その後カタログモデルとしてラインアップされています。
エクステリアは、コントラスト仕上げのフロントバンパーや大型化されたホイールアーチ、アルミ製のサイドアンダープロテクター、ステンレス製のアンダーガード、アルミ素材のルーフレールなどの装備により、クロスオーバーSUVらしい雰囲気を醸し出していました。
2016年には2代目モデルへと進化。全長4,750mm×全幅1,840mm×全高1,490mmのボディサイズに、最大1,510Lにまで拡大することができるラゲッジルームには、電動ラゲージルームカバーやパーテーションネット、ルーフレールなどが標準で装備され、使い勝手にも優れています。
■代表車種その3 メルセデス・ベンツ Eクラスステーションワゴン E220d 4MATICオールテレイン
メルセデス・ベンツの中核を担うEクラスステーションワゴンの派生モデルとして、2017年9月に登場したのがオールテレイン(All-Terrein)です。
ボディサイズは、ステーションワゴンよりも全長+10mm、全幅+10mm、全高+30mmそれぞれ拡大された全長4,950×全幅1,860×前項1,495mm。
専用のサスペンションに、最低地上高も25mmほど高められています。 エクステリアは、メルセデスのSUVに共通する2本フィンのフロントグリルを採用するとともに、前後バンパー下部のシルバークロームのアンダーガードやブラック色のホイールアーチカバーを採用。
さらに19インチの専用10スポークアルミホイールを履くなどSUVテイストを強く意識したデザインとなっています。
インテリアは本革シートやオールテレイン専用のブラッシュドアルミニウムを使ったインテリアトリムなどによって高級感あふれる雰囲気。 パワートレインは、2.0L 直4ブルーテック(クリーンディーゼル)に、トランスミッションには9速ATの組み合わせ。
駆動方式は、4輪駆動の4MATICのみとなっています。
■代表車種その4 スバル レガシィ アウトバック
日本を代表するステーションワゴンSUVが、スバル レガシィ アウトバックです。
アウトバックという名称が最初に使われたのは1994年に北米市場で発売されたモデルでのことで、当時日本ではレガシィ グランドワゴンという名前で発売されていました。
その後、レガシィ ランカスターに車名を変更。3代目モデルからは日本でも、アウトバックという呼称となっています。
フロントには、バンパー一体型のヘキサゴングリルとホークアイヘッドランプを採用し、ボディ下部にはプロテクションパネル、さらにフロントフォグランプやルーフレールなどを装備することで、アウトバックらしいエクステリアを獲得。
パワートレインは、2.5Lの水平対向4気筒にCVTの組み合わせで、駆動方式にはアクティブトルクスプリット式のフルタイム4WDが採用されます。
グレードは、ベースとなるBスポーツ、ダークメタリックの18インチアルミホイールやブラックのドアミラーカバー、可動式クロスバーを内蔵した大型ブラックルーフレールを採用するXブレイク、減衰特性の設定が可能なスタブレックスライドサスを採用したリミテッドの3種類が設定されてます。
ステーションワゴンSUVは、日本国内では決して多くの選択肢があるとはいえない状況ですが、今後もSUVブームが続けば、第2、第3の選択肢として、さまざまなメーカーが参入してくることが予想されます。
ひと足早くこのカテゴリーに注目すれば、知人や友人に一目置かれることになるはずです。
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