ミドルクラスハイブリッド対決!ハリアーハイブリッドとエクストレイル
2023.02.13
2020年にフルモデルチェンジを行ない4代目へと進化したトヨタ ハリアーと、2022年にフルモデルチェンジを行なった新型の日産 エクストレイル。
どちらも日本を代表するミドルサイズSUVで、ハイブリッドモデルが高い人気を博しています。
しかし同じハイブリッドとはいってもその機構は大きく異なっているのを知らない方も多いかもしれません。
そこで今回は、そんな2台のハイブリッドSUVの違いを中心に比較してみたいと思います。
■プレミアムSUVの金字塔、トヨタ ハリアー
トヨタ自動車が1997年より販売を続けているハリアー。「高級サルーンの乗り心地と快適性を備えたクロスオーバーSUV」としてデビューした、プレミアムSUVの先駆け的な存在です。
2代目まではレクサス RXと同一モデルとして開発されてきましたが、3代目以降はRXと切り離され、それぞれ独自の開発を行なうようになりました。
2020年に登場した4代目はRAV4と共通のGA-Kプラットフォームを採用し、クーペのようなフォルムを持つ洗練されたSUVに仕上がっています。
発売当初のパワートレインはガソリン車およびハイブリッド車のみでしたが、2022年9月にはプラグインハイブリッドが追加投入されています。
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■アウトドア志向から高級志向へスイッチした日産 エクストレイル
日産自動車が2000年より販売しているミドルサイズSUVのエクストレイル。
初代と2代目はギア=道具としてのSUVを追求したパッケージででしたが、2013年デビューの3代目からはスタイリングを一新し、都会的な雰囲気をまとうようになりました。
現行型の4代目(T33)ではその雰囲気をさらに強め、3代目まで標準装備だった防水シートやラゲッジトレイはを設定するのは一部のグレードのみとし、上質なアーバンSUVへと進化しています。
■ハイブリッドシステムに大きな違い
ハリアーハイブリッドは、2.5Lダイナミックフォースエンジンによるハイブリッドシステム「THS II」を搭載しています。
小型・軽量・低損失化技術と、TNGAによるエンジンの高い燃焼効率と高出力とのシナジー効果によって、優れた動力性能・低燃費を高次元で追求するハイブリッドシステムとなっています。
THS(トヨタ・ハイブリッド・システム)は、発電用と駆動&回生用の2つのモーターを採用するスプリット式(動力分割式)で、安定的かつ低燃費を可能とするシステム。
2003年に発売された2代目プリウスの登場とともに名称が「THS II」になり、2009年の3代目プリウス以降は「リダクション機構付きTHS II」へと進化しています。
対する新型エクストレイルは、これまであったガソリン車を廃止して全車ハイブリッドのe-POWERのみの設定です。
可変圧縮比を持つ1.5L直3のVCターボエンジンは発電のみに使用し、駆動はモーターで行ないます。
100%モータードライブによる静粛性と、始動時から一瞬で最大トルクが出せるモーターの特性により、新しいドライブ感覚をもたらします。
さらにワンペダル感覚で車速を自由にコントロールできる「e-Pedal Step」を採用。
減速時は状況に応じて自動的に油圧ブレーキを作動させるブレーキ協調制御により、長い下り坂などの幅広いシーンで快適なドライビングが楽しめるようにもなっています。
■4WD機構は前後モーターのエクストレイルが上?
ハリアーハイブリッドのドライブトレインは2WD(FF)と4WDの設定があり、4WDモデルには電気式4WDシステムの「E-Four」が搭載されています。
加速時や雪路などの滑りやすい路面でスムーズに4WD状態へ切り替えることで、発進性、走行安定性をスマートにアシストする同機構は、前後輪トルク配分を100:0〜20:80に設定。
通常のドライブでは、旋回時に思い描いたターゲットラインを的確に捉え、車両の挙動を安定させ、降雪時や雨天時における登坂発進時の安心感も高めるようになっています。
対するエクストレイルの4WDシステムは、日産の電動化技術と4WD制御技術、シャシー制御技術を統合した「e-4ORCE」を採用しました。
100:0〜0:100までトルク配分を可変させることができる前後2基の高出力モーターと、左右のブレーキを統合制御することで、4輪の駆動力を最適化し、雪道や山道の走破性に力を発揮するとともに、市街地走行や日常使いなど、あらゆるシーンや路面状況で快適で安定したドライブを提供してくれます。
■スマートなハリアーと、タフさの残るエクストレイル
ハリアーのボディサイズは、全長4,740mm×全幅1,855mm×全高1,660mm、ホイールベース2,690mmです。
フロントアッパーグリルからヘッドランプへと流れるような連続性により、シャープな印象を際立たせるフロントビューは、シグネチャーランプによって遠くからでもハリアーと分かる個性を強調。
サイドビューはシンプルながらもダイナミックにボディ断面が変化して豊かな表情を醸し出すとともに、絞り込まれたクーペキャビンと左右に張り出したホイールハウスによって逞しさを表現しています。
対するエクストレイルのボディサイズは、全長4,705mm×全幅1,840mm×全高1,720mm、ホイールベース2,705mmというもの。
ヘッドランプは上段にポジションランプとターンランプ、下段にメインランプを配置する2階建て構造を採用し、初代から受け継ぐタフさに加え、余裕と上質さというエッセンスが調和したプロポーションへと仕上げています。
■上質さならハリアー、新しさならエクストレイル
馬の鞍をイメージしたというセンターコンソールが印象的なハリアーのインテリアは、厚革を曲げて出来る自然なシルエットをイメージし触り心地にもこだわったレザー調素材や、「曲木」に着想を得たウッド調加飾などに素材を随所にあしらい、高級感も演出しています。
また調光パノラマルーフをトヨタ車として初採用し、障子越しのような柔らかな光が差し込む上質な室内空間を醸成しています。
対するエクストレイルのインテリアは、タフさのなかにも上質な心地よさを兼ね備えたデザインが特徴です。
宙に浮かせたブリッジ構造のセンターコンソールは、ラージサイズのカップホルダーを配置し、コンソール下にはテッシュボックスなど利便性も考慮されています。
メーターには12.3インチのアドバンスドドライブアシストディスプレイを搭載し、センターディスプレイには12.3インチのNissanConnectナビゲーションシステムを採用。 ボイスアシスタントやAmazon Alexaを搭載し、多彩なサービスでカーライフを快適にしてくれます。
■エクストレイルがプロパイロットで1歩リード
新型ハリアーは、歩行者(昼夜)や自転車運転者(昼間)を検知対象者に加えたプリクラッシュセーフティ採用の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を装備しています。
さらに駐車場など低速走行時における衝突緩和や被害軽減に寄与する「インテリジェントクリアランスソナー(パーキングサポートブレーキ)などの安全・安心をサポートする装備も充実しています。そのほか、走行中の前後方向映像を録画可能なデジタルインナーミラーをトヨタ車として初めて採用しています。
いっぽうのエクストレイルは、360°すべての方向の安全を確保する「360°セーフティーアシスト(全方位運転支援システム)」を採用するとともに、新たに追加した「SOSコール」や、対向車などの有無に応じてハイビームの照射位置をコントロールする「アダプティブLEDヘッドライトシステム」など、多彩な安全技術を搭載しました。
また駐車時にステアリング、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジ、パーキングブレーキのすべてを自動で制御する「プロパイロットパーキング」によって、縦列・並列駐車および車庫入れをサポートしてくれる運転支援機能もポイントです。
プレミアムSUVとして進化した日産 エクストレイル。ハリアーハイブリッドをライバルに見据えていることは間違いないでしょう。
そのため、内外装のデザインやクオリティはもちろん、動力性能でも十分に戦える武器を装備してきました。
いわば安定した魅力のハリアーと新しさが満載のエクストレイルといった2台のSUVですが、あなたならどちらを選びますか?