同じスズキなのにまったく違う2台。クロスビーとジムニーシエラを比較
2023.03.31
軽や小型乗用車を得意とするスズキには、「クロスビー」と「ジムニーシエラ」というまったく個性の異なる小型のSUVがラインアップされています。
その特徴や装備内容、メカニズムを比較して、どんな方におすすめなのかを解説していきましょう。
■とにかく使いやすいクロスビー
クロスビーは、使いやすくて広い室内空間を持つワゴンと、アクティブなレジャーでも楽しく走れるSUVの良さを融合させたクロスオーバーモデルとして、2017年12月に発売が開始されました。
個性的で愛着がわくデザイン、雪道などラフロードでも安心できる悪路走破性、実用性を兼ね備えたモデルで、街乗りからアウトドアレジャーまで幅広いユーザーのライフスタイルに適応するモデルです。
スタイリングは、親しみやすいフロントデザインと、厚みのあるボディーとシャープなガラスエリアの対比で、SUVらしいタフな印象を表現しています。
同様のコンセプトを持つ軽自動車の「ハスラー」にも似たような雰囲気を感じますが、普通車ならではのゆとりや機能性が表現されており、個性は異なっています。
ボディサイズは、全長3,760mm×全幅1,670mm×全高1,705mm、ホイールベース2,435mmというもので、最小回転半径は4.7mと軽自動車のハスラー(4.6m)と比べても遜色ありません。
また最低地上高は180mmを確保しており、ほとんどのラフロードでも心配することなく走行できます。
トールワゴンのパッケージングを持つ室内は、頭上空間にゆとりがあり多人数乗車でも快適です。
さらに後席はシートスライド&リクライニングが可能で、乗車人数や荷物の量に合わせたアレンジも可能です。
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※価格は支払総額
■軽自動車ジムニーをベースにしたジムニーシエラ
軽自動車初の本格オフロードモデルとして1970年に登場した初代ジムニーは、本格的なオフロード性能と頑丈なメカニズムで世界的な人気を得てきました。
ジムニーシエラの原点は、初代ジムニーに800ccエンジンを搭載して輸出も行った「ジムニー8」です。
それ以降ジムニーの普通車バージョンは、国内販売はもちろん海外でも販売されてきました。
現行ジムニーシエラの基本的なフォルムは軽自動車のジムニーと同じですが、シエラの場合は大型のバンパーやオーバーフェンダーが装着され、迫力のある外観になっています。
またそれに合わせてトレッドも広げられていますので走りも安定し、排気量も大きいので高速道路でもゆとりのある走りが楽しめます。
スタイリングは「専門家が愛するプロの道具」をデザインコンセプトに、歴代のジムニーが持つ本格オフローダーとしての機能美を継承しつつ、使いやすさと親しみやすをも感じさせます。
ボディサイズは、全長3,550mm×全幅1,645mm×全高1,730mm、ホイールベース2,250mmで、4.9mの最小回転半径はクロスビーよりも大きくなりますが、一般的なコンパクトモデルとしては平均的もの。
210mmの最低地上高は、本格的なオフロード走行にも対応します。
室内はジムニーのボディを使っていることもあり、それほど広いとは言えませんし、後席へのアクセスも前席の背もたれを倒す必要があるなど、ドライバー1人またはフロントに2人という使い方が基本です。
しかし後席を倒せば352Lのラゲッジ容量を確保することができますので、2名+荷物という使い方ならとても快適だと言えます。
スクエアなボディ形状を活用して大きな荷物を積むこともできますし、防汚タイプのラゲッジフロアを採用していますから、アウトドアでも使いやすいでしょう。
■悪路走破性なら断然ジムニーシエラを選ぶべき
クロスビーに搭載されるパワートレインは、1.0L 直3直噴ガソリンターボに最高出力2.3kW(3.1PS)のISG(モーター機能付発電機)を搭載したマイルドハイブリッドシステムが採用されています。
組み合わせられるトランスミッションは6速ATのみで、駆動方式はFFもしくはフルタイム式4WDです。
4WDには、路面状況にあわせてモードを変更させることでスムーズな走りをサポートするシステムや、ぬかるんだ路面で空転した車輪のブレーキ制御を行う「グリップコントロール」、急な下り坂でも安心して走行できる「ヒルディセントコントロール」なども用意されています。
WLTCモード燃費はFFが18.2km/L、4WDが17.0km/Lとなっています。
対するジムニーシエラに搭載されるエンジンは1.5L 直4ガソリンNAで、トランスミッションは4速ATまたは5速MTを選べます。
駆動方式はジムニー伝統のパートタイム式4WDで、機械式副変速機(トランスファー)によって2WD(後輪)と4WDを切り替えることができます。
これには、急な登坂路や悪路での走破性を高めるために通常の約2倍の駆動力を発揮できる「4L(4WD低速)」モードも備わっています。
また非常に滑りやすい路面で4Lモードに切り替えると、左右輪が空転した場合に電子制御の「ブレーキLSDトラクションコントロール」というシステムが働き、空転していない車輪の駆動力を確保して高い脱出性能を実現します。さらに坂道発進時にブレーキを一瞬ホールドする「ヒルホールドコントロール」、急な下り坂で便利なヒルディセントコントロールも搭載されています。
■先進安全性能はクロスビーが充実
クロスビーもジムニーシエラも、スズキの予防安全技術「スズキ・セーフティ・サポート」が搭載されていますが、装備の内容がやや異なります。
クロスビーは、デュアルカメラを基本とするシステムで、衝突被害軽減ブレーキ、後退時ブレーキサポート、後方誤発進抑制機能、ふらつき警報機能、ハイビームアシスト、車線維持支援機能、アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付き)、全方位モニター用カメラ、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、先行車発進お知らせ機能などがあります(グレード別)。
いっぽうジムニーシエラは、単眼カメラ&レーザーレーダー方式が基本で、衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報機能、標識認識機能、ハイビームアシスト、誤発進抑制機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能などで、機能はクロスビーのほうが充実しています。
クロスビーはミニバンのように頭上空間にゆとりのあるパッケージングですから、後席を使用してのドライブや小旅行、アウトドアレジャーなども快適に楽しめます。
また安全性能も充実していますから、街乗り中心で使いたいという方にもおすすめ。
ジムニーシエラは本格的なオフロード性能が一番の特徴ですから、普通のクルマでは走れないようなオフロードコースで遊んでみたいという方や、ワイルドなアウトドアフィールドなどに訪れる際の相棒に最適です。
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