初代フォード・エクスプローラーってどんなクルマ?
2018.04.17
2016年、アメリカを代表する自動車ブランドであるフォードが日本撤退してしまいました。日本市場でじゅうぶんなビジネスができるだけのモデルラインナップがなかったり、日米の政治が関係したりするなど、その背景にはやむを得ない事情があったことは事実ですが、ひとりのユーザーとしては、選択肢が減ってしまったことが残念でなりません。
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撤退の直前のフォードには、コンパクトモデルであるフィエスタやフォーカス、アメリカンマッスルスポーツカーの代名詞とも言えるマスタング、そしてSUVシリーズとしてエコスポーツ、クーガ、エクスプローラーの3種類がありました。中でも、ここで紹介するエクスプローラーは、アメリカらしいビッグサイズが魅力の1台でした。世界的に人気を博したエクスプローラーの基礎を作った、初代について見てみましょう。
初代エクスプローラーはこんなクルマ!
初代エクスプローラーには、最高出力155馬力を発揮する4リットルV型6気筒エンジンが搭載されています。このエンジンは、先代のブロンコⅡに搭載さた2.3リットルおよび2,9リットルのものよりも排気量は大きくなっていますが、形式はアメリカ車らしくOHVでした。
組み合わされるトランスミッションには、フォード製の4速ATのほか、マツダ製の5速MTが採用されました。サスペンションは、フロントがコイル式のツイントラクションビーム、リアがリーフ式のリジッドアクスル式という当時のSUVらしいハードなものでした。これは、この初代エクスプローラーが後に主流となる乗用車ベースのクロスオーバーSUVではなく、ラダーフレームを採用した本格派のSUVとして開発されたことに由来しています。
日本市場へは、1991年より2ドアモデルの「sport」と4ドアモデルの「XL」、そして「エディー・バウアー」の3グレードが導入されました。翌1992年には「XL」の輸入が廃止され、1993年モデルでは4ドアモデルが「XLT」が追加導入されることになりました。
初代エクスプローラーのデザイン上の特徴と言えば、そのスクエアに造形されたエクステリアでしょう。フロントヘッドライトグリルやウィンカーグリルは、水平に引かれたフロングリルのラインと協調するようにきれいに収められています。また、ツートンカラーに仕立てられたサイドビューもまた、水平基調のラインが横断することでスクエアらしいさが強調されています。
インテリアもまた、直線が強調されたデザインが採用されています。アメリカ車らしい大型のインパネには運転席正面に各種インジケーターが、助手席側にはエアコンの操作パネルや吹き出し口、1DINのオーディオが収められています。また、独特の形状のステアリングが目を引きます。
また、こちらもアメリカ車らしい大柄のシートには欧州車に比べると柔らかめのレザーがおごられています。日本導入当初は一部布張りシートのモデルもありましたが、後に全車レザーシートが標準装備となっています。
初代エクスプローラーはもはや希少車?
この初代エクスプローラーは、後にフォードの主力車種へと成長し、北米市場では14年連続でSUV販売台数首位を走るなど人気を博します。その基礎を築いたのがこの初代ですが、日本で人気が出たのは2代目からであり、初代はそれほど多く輸入されることはありませんでした。一方で、往年のアメリカ車らしいモデルということもあり、マニアからの人気が高いこともあり、日本の中古車市場ではあまり見られない希少車となっているのです。