ジープ ラングラーとランクルプラド。クロカン系SUVならどちらがおすすめ？

アメリカを代表する本格オフローダーのジープ ラングラー アンリミテッドと、ランクルの弟分にあたるトヨタ ランドクルーザー プラドは、新車はもちろん中古車市場では300万円から探せるとあって人気の高いモデルです。

ただしラングラー アンリミテッドで300万円台から見つかるのは先代のJL型になり、安全装備など現行型にやや劣ります。

とはいえこの手の本格オフローダーを選ぶユーザーにとっては些細なことと割り切り、ランドクルーザー プラドと比較検討してみましょう。

■伝統のラングラーと洗練されたプラド

---

丸型のヘッドライト、7スロットグリル、台形ホイールアーチやボクシーなフォルムなど、ジープ ラングラーのアイコニックなスタイリングは、1941年に誕生した「Jeep」からこれまで脈々と受け継がれてきました。

現代風というよりもどこかクラシカルで無骨な佇まいはまさにラングラーならでは、いかにもオフロードに強い印象。

そんな唯一無二の個性こそがラングラーの魅力となっています。

現行型のラングラーは2018年デビューの4代目JL型で、日本での販売のメインは4ドアを備えたアンリミテッドが中心。

中古市場でも高人気で、リセールバリューの良いモデルとしても注目されています。

そんなラングラーですから現行型の中古車も高値安定傾向。

そこで、手ごろな価格のラングラーとして先代のJK型アンリミテッドをピックアップしました。

それまで2ドアショートボディのみのラインナップだったラングラーに初の4ドアモデルのアンリミテッドが追加されたJK型は、2007年から2017年まで販売されました。

4ドア版であるアンリミテッドは、全長4,705mm×全幅1,880mm×全高1,845mm、ホイールベース2,945mmというサイズです。

いっぽうのランドクルーザー プラドは、時代に合わせて進化を続けてきたモデルで、現行型は4代目にあたります。

2009年のデビュー以後、2013年と2017年にマイナーチェンジを実施。

フロントマスクを中心に進化した結果、現在は吊り上がったシャープなヘッドライトや押し出し感のあるフロントグリルに、リアコンビネーションランプの形状やガーニッシュのデザイン変更などを受けて、プレミアムSUVと本格オフローダーを融合させたようなデザインとなっています。

■無骨なラングラー、高級感のあるプラド

---

クラシカルなスタイリングを守り続けるラングラー アンリミテッドのインテリアはいたってシンプルです。

視認性の良いインスツルメントパネルには、液晶ディスプレイが装備されておらず無骨な雰囲気にあふれています。

とはいえ中古市場で流通する個体には、前オーナーによって装着されたナビがインストールされていますので、それほど心配はいりませんし、ステアリングにはオーディオコントロールスイッチも装備されます。

シートは基本が布製のバケットタイプでオプションでレザーシートが用意されていました。

ルーフはフリーダムトップと呼ばれる機構が付き、クローズドボディからオープンボディへと変身させることもできるようになっています。

助手席の前側やAピラーには極太のハンドルが付き、フロアに水洗い用の排水栓が付いているのは、本格オフローダーならではの証です。

対するプラドのインテリアは、タフなボディに守られたスタイリッシュな仕上がりで高級感を演出しています。

メーターパネルには昼夜を問わずくっきりと見やすいオプティトロンメーターが備わり、その中央には高精細な4.2インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイを搭載。

瞬間燃費などのタイムリーな情報や傾斜角などの情報も表示してくれます。

プラドには5人乗りと7人乗りが用意されます。

7人乗りのセカンドシートは、135mmのスライド量にリクライニングも備わり居住性を高めています。

サードシートは足元を低床化して、大人でもくつろげる広さを確保しました。

このサードシートは電動で床下に収納される設計で、フラットな荷室はゴルフバッグなどもスムーズに積み込むことが可能です。

またリアハッチゲートには、ウインドウのみ跳ね上がるバックドアガラスハッチが装備され、狭い駐車場でも楽に荷物の出し入れが可能となっています。

■ディーゼルが選べるのはプラドだけ

---

JK型ラングラー アンリミテッドのパワートレインは、2007年の発売当初が3.8LのV6 OHVで、2012年から新開発の3.6L V6 DOHCへと変更されています。

豪快な印象のV6エンジンの組み合わされるトランスミッションは、3.8L版が4速AT、3.6L版は5速AT。

駆動方式は初代より受け継がれるパートタイム式の4WDシステムです。

対するプラドのパワートレインは、2009年から2014年までが2.7L 直４ガソリンと、4.0L V6ガソリンの2種類で、トランスミッションは4ATと5AT。

2015年からは2.8L直4ディーゼルエンジンと2.7L直4ガソリンエンジンの2種類になっています。

このディーゼルエンジンは高出力＆大トルクのパワフルな動力性能を発揮しつつも排出ガスのクリーン化と優れた燃費性能を両立。

いっぽう2.7Lガソリンエンジンはパワー・操作性・静粛性・環境性能など、あらゆる機能を高次元でバランスさせたユニットとなっており、悪路でも市街地でも快適な走行が楽しめます。

トランスミッションは、いずれもスーパーインテリジェント6速ATが組み合わされ、ステアリングにはパドルシフトも装備。

フルタイム4WDシステムには、駆動力不足による失速が起こりやすい路面状況に応じた走行支援の「マルチテレインセレクト」が付き、凹凸の大きい路面や急勾配でもステアリング操作にみで極低速走行ができる「クロールコントロール」や、ラフロード走行時のフラット感を確保しオンロード旋回時ではロールを制御する「KDSS（Kinetic Dynamic Suspension System）」も装備されています。

■安全性能はプラドが充実

---

ラングラー アンリミテッドの安全性能は、「ヒルディセントコントロール」や「エレクトロニックスタビリティコントロール」といった機能が備わり、運転席エアバッグや助手席エアバッグ、サイドエアバッグなどは標準で装備。

また「ABS（アンチロックブレーキ）」「トラクションコントロール」など、オンロード時における安全装備も標準化されています。

対するプラドは、2009年にミリ波レーダー方式のプリクラッシュセーフティシステムをはじめ、VSC＆TRC、SRSサイド＆カーテンシールドエアバッグ、アクティブヘッドレストを標準装備。

2017年には衝突支援パッケージの「Toyota Safety Sense P」となり、2021年以降は「プリクラッシュセーフティ」「レーダークルーズコントロール」「ロードサインアシスト」「レーンディパーチャーアラート」「オートマチックハイビーム」の5つの先進機能によって、事故の起こりやすい状況でドライバーをサポートする「Toyota Safety Sense」へと進化しています。

■300〜400万円で狙えるそれぞれのグレードとは？

---

JKラングラー アンリミテッドの発売当時の新車価格帯は¥3,790,500〜¥4,410,000でモデル末期でも新車価格が500万円を超えることはありませんでした。

対するプラドの新車価格帯は¥3,676,000〜¥5,543,000で400万円台のモデルが中心。

もっとも高額のTZ-Gにリアにエアサスペンションを搭載しする豪華仕様です。

300万円台後半から400万円台で考えれば、JK型ラングラーなら高年式モデルのトップグレード（サハラ）や特別限定車なども十分選ぶことができ、プラドならエアサス搭載の「TZ-G」グレード以外であればほぼ選択肢に入ります。

なおプラドの場合ディーゼル車とガソリン車がありますが、ガソリン車の方が新車価格が軒並み安いことも考慮しておきましょう。

甲乙つけがたい両車ですが、ラングラーは無骨な見た目もあって本格的にラフロードを走りたい方やアウトドアを楽しみたい方におすすめ。

プラドは街乗りメインで週末にキャンプなどに出かけるようなライトアウトドア好きのユーザーにおすすめです。

ラングラーアンリミテッドの中古車情報を見てみる

ランドクルーザープラドの中古車情報を見てみる