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2022.10.23
日産自動車のキックスとオーラ。
どちらも日産の誇る次世代パワートレインを搭載したモデルで、使い勝手が良好なうえに、スタイリングも洗練されおり、加えて新車価格もかなりお得とよく似た性格のモデルですが、どんな違いがあるのでしょうか?
キックスとオーラそれぞれの魅力を解説しながら、どんなオーナーに似合うのかを探っていきたいと思います。
■海外生まれのクロスオーバーSUV
2020年6月に日本で発売されたキックスは、もともとブラジルや北米、アジア圏で発売されていたクロスオーバーSUVで、日本で販売されるモデルはタイの工場で生産されたものです。
日産独自の電動パワートレイン「e-POWER」搭載モデルとしては、ノート、セレナに続き3台目ですが、用意されるパワートレインがe-POWERのみいうのはキックスが初でした。
内燃機関(エンジン)は発電のみに使用し、電気モーターの力で駆動するe-POWERは、EV的なチカラ強い走りと優れた燃費性能が特徴。
2022年7月にはマイナーチェンジを行ない、第2世代のe-POWERを搭載することでさらに燃費性能が向上しています。
また運転のしやすいコンパクトなボディでありながら広い室内空間を実現したことで、コンパクトSUVを求めるユーザーに人気です。
ちなみにキックスという名前は、かつて日産が発売していたパジェロミニのOEM車に使われていましたが、こちらの英語表記はKIXで、新しいキックスはKICKSとなっています。
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※価格は支払総額
■上質さを追求したプレミアムハッチバック
2021年にデビューしたオーラは、2020年に発売された3代目ノートをベースにしていますが、全幅をノートよりも45mmほど拡大し、全幅が1,700mmを超えるノートシリーズ初の3ナンバーサイズのコンパクトハッチバックです。
パワートレインは3代目ノートと同じくe-POWERを搭載し、キックスに続く2番目のe-POWER専用車種となっています。
プレミアムなコンパクトクラスとして登場したオーラは、上質にこだわったインテリアや先進的なスタイリング、高めの全高によって広い室内と優れた走りを予感させる1台となっています。
ちなみにこのオーラにはカスタムバージョンとして、NISMOのチューニングが施されたオーラ NISMOが設定されています。
■フロントのVモーションの見せ方に大きな違いがある
キックスのエクステリアは、精悍なダブルVモーショングリルや特徴的なフローティングルーフを採用し、力強さとスタイリッシュさを表現しました。
フロントにはLEDヘッドランプを採用し、躍動感のあるデザインに仕上げています。
ボディサイズは、全長4,290mm×全幅1,760mm×全高1605mm、ホイールベース2,620mmというもので、最小回転半径は5.1m。狭い道でも取り回しやすいコンパクトサイズのSUVに仕上がっています。
対するオーラのエクステリアは、精緻な造形のフロントグリルや伸びやかな曲線を描くルーフライン、リアフェンダーにはボリュームを持たせることで力強さを強調。
日産のアイデンティティでもあるVモーションは、シグネチャーLEDポジションランプ・アクセントランプ・シーケンシャルターンランプによって形成。
細く引き締まったヘッドランプはアダプティブLEDヘッドライト機能も有するなど、プレミアム感と機能を融合しました。
ボディサイズは、全長4,045mm×全幅1,735mm×全高1,525mm、ホイールベース2,580mmで、最小回転半径は5.2m。
キックスと比較すると少しだけコンパクトで、ワイドボディが引き立つスタイルとなっています。
■室内の広いキックス、上質なオーラ
キックスは、カテゴリートップクラスのフロントウインドウ見開き角と低いウエストラインによって、運転席からの視界は開放感あふれるものとなっています。
室内空間は、室内長1,920mm×室内幅1,420mm×室内高1,250mmというもので、リアシートはニールームに600mm、ヘッドルームを85mm確保し、大人でもくつろげる室内空間を生み出しています。
ラゲッジルームもクラストップレベルの423Lを確保し、Mサイズのスーツケースを4個積載できる広さを実現。
リアシートはレバーで倒すことが可能で、シーンに応じてフレキシブルに荷室を広げることができます。
ちなみに2022年のマイナーチェンジによってセンターコンソールやシフトレバーのデザインが一新されました。
対するオーラの室内空間は、室内長2,030mm×室内幅1,445mm×室内高1240mmという広さ。
インテリアのシフトまわりにはエンボス加工を施した高級感のある木目調フィニッシャーを採用し、ドアトリムやフロントセンターアームレスト、インスツルメントパネルにはツイード調織物を採用するなど、これまでにない雰囲気の室内空間に仕上げています。
また表皮にツイード調の織物と合皮によるコンビと、上質な本革の2種類を設定が設定されるシートは、人間工学に基づき疲労が軽減するように設計されたゼログラビリティシートを全席に採用しています。
ラゲッジルームの容量は、2WDが340L、4WDは260Lとキックスに比べると小さめですが、6:4の分割可倒式リアシートの採用によって、乗車人数と荷物に応じて自由に容量を変更することが可能です。
■ベースシステムは同じ。だけどトルクが変わる
e-POWER専用車種としてデビューしたキックスに搭載されたe-POWERは、それまでよりも最大出力を約20%向上させた最高出力95kW(129PS)、最大トルク260Nmというスペック。
アクセルペダルの踏み戻しで車速を調整できるe-POWERドライブでは、ブレーキペダルを踏む回数が減少し、よりスムーズに運転できるようになっています。
2022年のマイナーチェンジはモーターの出力を、最高出力100kW(136PS)、最大トルク280Nmとそれぞれアップして、さらにパワフルな走りを実現しました。
同時に、電動4WDシステムの「e-POWER 4WD」が登場。
4輪の駆動力を緻密に制御するe-POWER 4WDは、悪路や雪道の走破性に力を発揮し、市街地での乗り心地も向上させています。
いっぽうのオーラが搭載するのは、同じ第2世代のe-POWERながら、最大出力100kW、最大トルク300Nmmという、滑らかさと静粛性も併せ持ったパワートレインとなっています。
こちらにもFFのほか、e-POWER 4WDがラインアップされます。
■新車価格の設定はオーラが若干安い
キックスの基本的なグレード構成は2WDの「X」とフルタイム4WDの「X FOUR」ですが、それぞれに「スタイルエディション」や「ツートーンインテリアエディション」、さらにオーテックによるカスタムモデルや特別仕様車の「コロンビアエディション」などが展開されています。
価格はベーシックな「X」が279万8400円、上位グレードの「X FOURスタイルエディション」が328万1300円、オーテックの4WDモデルが344万8500円となっています。
対するオーラのグレード構成は、2WDの「G」と4WDの「G FOUR」の2種類で、それぞれに「レザーエディション」が用意されています。
ベーシックグレードの「G」は265万4300円、「G FOUR」のレザーエディションが299万6400円、「NISMO」バージョンは290万8400円と、全車300万円以下のプライスタグになっています。
■それぞれどんな人におすすめ?
日産独自のe-POWERをパワートレインに搭載したキックスとオーラですが、SUVらしいスタイリングのキックスは、床面の高さや荷室の大きさなどSUVらしいパッケージで、アウトドアレジャーなど荷物が多い方は重宝しそう。
対するオーラはプレミアムな雰囲気のただようハッチバックで、全高が1525mmもあるので乗り降りもラク。
くわえて、都市部に多い立体駐車場でも収まる高さは、なにかと使い勝手が良いでしょう。