【軽ハイトワゴン対決】ホンダ N-BOXとスペーシア、使い勝手がいいのはどっち?
2022.07.24
2011年の東京モーターショーでデビューし、同年末から発売を開始したホンダ N-BOX。
軽でありながらミニバンのようなスタイルを持つ軽ハイト型ワゴンというジャンルに参入した同車は、ホンダ4輪車で史上最速の累計販売台数100万台突破を達成するほどの売上を記録。
その人気は2017年に登場した2代目でも衰えることを知らず、ホンダの主力モデルのひとつにも数えられています。
そんなN-BOXの人気ぶりを横目にしつつ、2013年にデビューしたのがスズキ スペーシアです。
パレットの実質的な後継車であるスペーシアは、ピラーを立てたボックスデザインが特徴。
両側スライドドア機構は先代から受け継ぎつつも、ワンアクションパワースライドドア(左側)を軽として初めて採用しました。
2017年にはフロントグリルのデザインを一新した2代目が登場。
2021年には国内累計販売台数100万台を突破しています(初代も含む)。
今回はそんな軽ハイトワゴンの雄である2台をさまざまな面から比較検証していきたいと思います。
■室内空間の広さはN-BOX?
N-BOXのボディサイズは、軽自動車枠いっぱいの全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,790mm、ホイールベース2,520mmというもので、室内は先代よりもエンジンルームをコンパクトにしてテールゲートを薄型化することで室内空間を拡大しました。
その広さは、室内長2,240mm×室内幅1,350mm×室内高1,400mmで、助手席にはスライド量を570mmとした助手席スーパースライドシートも設定されています。
対するスペーシアは、全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,785mmに、ホイールベース2,460mmで、全長はN-BOXと同じなのに対しホイールベースはスペーシアのほうが60mm短くなっています。
そのため室内空間も室内長2,155mm×室内幅1,345mm×室内高1,410mmとなり、室内長が短くなっています。
ただし室内高ではわずかにスペーシアのほうが高く、このゆとりによって車内に乗り込んだときの圧迫感が解消されています。
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※価格は支払総額
■ラゲッジスペースの使い勝手は?
N-BOXのリアシートはスライド式になっているので、積載する荷室の大きさによって室内側を狭くしたり、ラゲッジスペースを最小にしたりすることが可能。
スライド幅が190mmもあるので、わざわざリアシートを倒さなくても、そこそこのスペースを生み出すことができます。
リアシートのシートバックは、ヘッドレストを外すことなく倒すことのできるワンアクションタイプで、格納は足もとに収まるダイブダウン方式を採用。
簡単な操作で、広々とした荷室空間が生まれます。
さらに跳ね上げ(チップアップ)機構もついており、ベビーカーなどはリアシートの前に立てたまま積載できます。
テールゲートの開口部地上高は470mmという低床なので荷物の積み下ろしもラク。
荷室長は440mmからシートアレンジで、最大1,535mmにまで拡大できるようになっています。
スペーシアのリアシートも同じくスライド式を採用。
左右それぞれ独立してスライドさせることができるようになっています。
リアシートはワンタッチダブルフォールディング式で、左右スライドドア側と荷室側のどちらからでも操作可能。
助手席のクッション部を外し、シートバックを前方に倒せば、サーフボードなどの長尺物も積み込めるほか、ヘッドレストを外して後方に倒せば、フルフラットな空間が現れます。
荷室の開口部地上高は510mmで、N-BOXにくらべて若干高くなっています。
■快適装備はどっちが上?
N-BOXのリアドアはパワースライドドアのほかにイージークローザー機能も完備。
さらにクルマの下に足を差し込んでスライドドアを開閉させるハンズフリースライドドア機構も用意されています。
またドアハンドルを握るだけでドアロックを解錠することができ、降車時には車両から離れるだけで施錠できる降車時オートドアロック機能。
後席ドアの開閉履歴をもとに、荷物の置き忘れなどをメーター表示と音で知らせるリアシートリマインダーなどが用意されています。
対するスペーシアも、リアドアはパワースライド式になっており、ドアロックのための待ち時間が気にならない予約ロック機能も搭載。
携帯リモコンでドアロックを予約すれば、ドアが閉め切るまで待つ必要がありません。
スイッチひとつでスライドドアが自動解錠&オープンするワンアクションパワースライドドアには、ドアを閉める際に半ドアの位置まで閉めるだけであとは自動で閉じるスライドドアクローザーが搭載されています。
■安全性能も甲乙付けがたし
N-BOXは全グレードにホンダ独自の予防安全システム「Honda SENSING」を標準で装備。
ミリ波レーダーと単眼カメラによる高精度な検知機能で、安心快適な運転を支援します。
おもな装備は、渋滞追従機能がついた「アダプティブクルーズコントロール」、横断中の自転車や夜間の歩行者にも対応する「衝突軽減ブレーキ」のほか、「VSA(ビークルスタビリティアシスト)」「EBD(電子制御動力配分システム)「ABS(4輪アンチロックブレーキシステム)」「TCS(トラクションコントロールシステム)」など車両の安定化を図る電子制御デバイスも用意されています。
いっぽうスペーシアは、スズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」が搭載されています。
全車速追従機能付の「ACC(アダプティブクルーズコントロール)」は、ステアリングのACCスイッチを操作するとステレオカメラで先行車徒の距離を測定し、車間距離を適切に保ちながら加減速や停止まで行ないます。
ほかにも「車線逸脱抑制機能」や「車線逸脱警報機能」「ふらつき警報機能」「先行車発進お知らせ機能」などの運転支援機能も充実。
車両の前後左右には4つのカメラを設置し、全方位モニター付メモリーナビゲーション・スズキコネクト対応通信機を装着すれば、車両を真俯瞰で映し出す全方位モニターとしても使用することができます。
■派生モデルも魅力たっぷり
・N-BOXの派生モデル
N-BOXには非常に多くの派生モデルが存在しています。
N-BOXにエアロパーツを組み合わせたN-BOXカスタムをはじめ、ユニバーサルブリッジとマルチスペースシステムをプラスしたN-BOX+やエアロパーツ版のN-BOX+カスタム。
さらにルーフを100mmほど低くしてルーフラインを下げたN-BOXスラッシュ(2014年に追加)といった変わり種もあります。
・スペーシアの派生モデル
N-BOX同様に数多くの派生モデルが存在するスペーシア。
2013年にはフロントグリルの形状が異なるスペーシアカスタムが追加され、その後2016年には押し出し感のあるフロントマスクやボンネット位置の高さが特徴のスペーシアカスタムZが登場。
さらに2018年にはSUVらしいアクティブデザインを取り入れたスペーシアギアが仲間入りしています。
ボディサイズが非常に似ているN-BOXとスペーシアも、室内空間の大きさや使い勝手、快適機能ではそれぞれに特徴があります。
優劣を付けられないほど魅力のある2台の軽ハイトワゴンですが、あなたはどちらを選びますか?