雪国に最もおすすめな軽自動車は?
2022.02.28
近頃は燃料費の高騰で、クルマの維持費を少しでも抑えたいという方が増えていると思います。
やはり普通車に比べて燃費が良く、維持費の安い軽自動車に乗り換えたいという方もいることでしょう。
しかし、雪国で生活している方にとっては、軽自動車でもうまく雪の中を走れるのか気になるところですよね。
今回は軽自動車が雪国にどれぐらい強いのか、解説していきます。
■そもそも軽自動車は雪に弱いの?
軽く雪が降った程度であれば、普通自動車も軽自動車も走行感覚に違いはないので、特に軽自動車だからといって雪に弱いわけではありません。
・滑りやすい路面では軽自動車の方が有利
アイスバーンなど滑りやすい路面の場合は、軽自動車のような軽い車体のクルマの方が有利(安全)です。
発進時には、たしかに重いクルマの方がしっかりグリップできるのでラクにスタートできますが、ブレーキの際には軽い方が止まりやすいのです。
重いクルマだと慣性力が大きいので、滑りやすい路面では制動距離も伸びてしまいますので、いざという時に危険を回避しやすいのは軽自動車の方だと言えます。
下り坂でのブレーキング時に、特にその差を感じます。
・しかし、雪に埋まりやすいというデメリットも
しかし、深い雪の場合は、最低地上高のあまり高くない軽自動車だと埋まりやすくなりますので、スタックに気をつけなければいけません。
例えばスズキ ワゴンRの最低地上高は150mmですから、深い雪だとバンパーでかき分けながら進むような形になるでしょう。
思ったより雪が深いと、4WD車でもスタックしてしまうかもしれません。
また雪解けの時期のザクザクの道路では思わぬ溝や穴に落ちてしまい、抜けられなくなる可能性もあります。
バンパーや車体を痛める原因にもなります。
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■ジムニーは最強の軽自動車
そうしますと、車体の軽い軽自動車で最低地上高の高いモデルが良いということになります。
このポイントで考えるなら、やはりジムニーが雪国最強のクルマになるでしょう。
・ジムニーなら最低地上高をしっかり確保
ジムニーの最低地上高は205mmと、ワゴンRより55mmも高いのです。
またオーバーハングも短くバンパーも小ぶりですから、深い雪でも車体前部を気にすることなくどんどん走れます。
・ジムニーのパートタイム4WDは雪道に強い!
ジムニーはメカニズムの観点からも雪国最強と言えます。
まず4WDシステムは、機械式副変速機を備えたパートタイム4WDです。
これは路面状況に応じて手動で2WDと4WDを切り替えられるシステムで、前輪と後輪をシンプルに直結する方式です。
これにより前輪か後輪のどちらかが空転してもしっかりとした駆動力を確保することができます。
さらに、左右輪のどちらかが空転して、もう一方の車輪の駆動力が失われた場合でも、トランスファー(機械式副変速機)レバーを4Lに切り替えると、空転した車輪にだけブレーキを作動させ、もう一方の車輪の駆動力を確保するブレーキLSDトラクションコントロールを搭載しています。
ジムニーが伝統的に採用している3リンクリジッドアクスル式サスペンションは、左右の車輪をダイレクトにつなぐサスペンション方式。
これは荒れた路面での接地性と対地クリアランスを高める方式で、雪道で下回りを気にすることなく走行できるというメリットがあります。
■ハスラーと比べるとどう?
では、クロスオーバーSUVとして人気のハスラーはどうでしょうか。
ハスラーは最低地上高が180mmありますので、たしかにワゴンRよりは雪道に強いと言えるでしょう。
・ハスラーよりもジムニーの方が優れた4WDシステムを搭載
しかし、4WDシステムはジムニーとは違う方式です。
ハスラーのカタログでは「通常走行時では前輪に駆動力を配分し、滑りやすい雪道などでは前後輪に最適な駆動力を配分する4WDシステム」と説明されていますが、これはビスカスカップリング方式と呼ばれるもので、4WDシステムとしてはもっとも簡易的なものです。
このシステムでは前輪がスリップしてから後輪に動力を伝えますが、この際にタイムラグが発生しますし、伝える駆動力も直結式のジムニーに比べると弱いのです。
滑りやすい路面や深い雪で発進するときには、やはりジムニーのようにしっかり四輪に駆動力を伝えるシステムが欲しくなります。
またサスペンション方式もジムニーとは異なるため、荒れた路面での地上高確保はジムニーの方が一枚上手です。
ハスラーの4WD車には、滑りやすい路面でエンジントルクを抑制し、発進・加速時にタイヤの空転を抑えてスムーズな走行を可能にするスノーモードが搭載されていますので、アイスバーンでの発進時にはとても便利かと思いますが、スタックからの脱出能力や荒れた路面での走破性など、総合的にはやはりジムニーの走行性能に軍配が上がります。
ジムニーの場合、手動ではありますが4WDが必要のない時には2WD(FR)に切り替えることができます。
駆動力を完全に切り離すことができるので夏場は燃費も良くなりますし、後輪駆動の気持ちの良いハンドリングを楽しむこともできます。
荷室スペースは、後席を倒すと352Lの容量の荷物を積載することができます。
スクエアなデザインで使い勝手がよく、大きな荷物の出し入れもしやすいのが特徴です。
アウトドアレジャーシーンで大活躍間違いなしでしょう。