発売から50年の歴史を迎えたトヨタ ハイラックスの初代を振り返る

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発売から50年の歴史を迎えたトヨタ ハイラックスの初代を振り返る

2018.10.27

トヨタ ハイラックス

トヨタ ハイラックス Z 2018 ※画像は2018年式トヨタ ハイラックス Z

1968年に初代モデルが誕生して以来、2018年で満50周年を迎えたトヨタ ハイラックスは、クラウン、ランドクルーザー、カローラ、センチュリーと並ぶ長寿モデルです。7代目モデルこそ海外専用となりましたが、現行の8代目モデルで、ふたたび購入できるようになりました。


現在、国内で購入できる数少ないピックアップトラックとして人気のハイラックスの初代モデルとは、どんなクルマだったのでしょうか。



初代ハイラックス誕生の背景

トヨタ ハイラックス Z 2018

1963年、トヨタは1t(1,000kg)積みボンネットトラック市場に、トヨペット ライトスタウトを投入。さらに1967年には、前年に業務提携を行った日野自動車の400kg積みボンネットトラック、ブリスカの販売権を取得すると同時に、トヨタのパーツを使用した大掛かりな改良を行い、トヨタ ブリスカとして発売しました。つまり、1960年代なかばのトヨタは1t以下のボンネットトラック市場に、2台の異なるモデルを投入していたのです。


しかし、1t以下が積載可能なボンネットトラック市場には、絶対的な王者が君臨していました。それがダットサン トラックでした。高い堅牢性とオースチン譲りのトルクの厚いエンジンが生み出す軽快な走りを武器に、市場で圧倒的なシェアを占めており、ライトスタウトとブリスカは、販売面で苦戦を強いられることになります。


市場のシェアを獲得するため、トヨタは新しいピックアップトラックを発表します。それが、1968年3月に発売された初代ハイラックスです。商店主などをメインターゲットにした1t積みのボンネット・トラックとして開発され、当時の商用車然としたキャブオーバー型トラックのハイエースやダイナよりも、乗用車感覚の強いスタイリングでした。


グレードはスタンダードとデラックスの2種。エンジンはシングルキャブの1.5L のみで、トランスミッションは4速のマニュアル式。


全長4,215mm、全幅1,580mm、全高1,570mmのボディにフロント3座のベンチシートを採用し、シフトノブはコラム式でした。


特徴的だったエアインテーク付ボンネット(当時はセパレートグリルと呼称)は、1971年発売される4代目クラウンのスピンドルシェイプに似たデザインです。


サイドガラスにクラス初の曲面ガラスを採用し、3人乗車でも肩周りのスペースが確保されるほか、足元空間はベンチコラムを採用したことと、フロアトンネルを最小限に抑えているためほぼフラットで広々、デラックスのシート表皮にクラス初の通気性発泡ビニールレザーを採用するなど、キャビンの快適性を高めたことも特徴でした。


搭載エンジンは1.5L直列4気筒OHVで、最高出力70ps/5,000rpm、最大トルク11.5kgm/2,600rpm(ともにグロス値)を発揮。これは、コロナやトヨエースに搭載された実績のあるエンジンでした。発表当時の最高速度は125km/h、当時としてはなかなかのものです


トヨタ ハイラックス Z 2018

面白いのは、登坂能力[0.254(約15度)]や、最大傾斜角[49度]がカタログに記載されていたことで、当時はこういった小型トラックが林業などのオフロードでも活用されていたことを伺わせます。


初代ハイラックスは商店オーナー向けの仕事にもプライベートにも使える実用車として販売されつつ、農業や林業でも活躍した小型トラックでした。

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