【ホンダ 2代目新型ヴェゼル解説その1】エクステリアの特徴は?
2021.07.16
近年注目の人気カテゴリーであるコンパクトSUVにおいて、常に安定した人気を誇るホンダ ヴェゼル。
2013年に初代が登場しましたが、2021年4月におよそ7年ぶりとなるフルモデルチェンジが発表され、大きな話題となりました。
全面的に刷新されたデザインや、初代とは異なる2モーター式ハイブリッドの採用などトピックは尽きませんが、今回はとりわけ新型ヴェゼルのエクステリア(外装)を中心に解説していきたいと思います。
■ボディサイズは初代とほぼ同じ
新型ヴェゼルのボディサイズは全長4,330mm×全幅1,790mm×全高1,580mm(e:HEV Zとe:HEV PLaYは1,590mm)で、ホイールベースは2,610mm、最低地上高は170mm〜195mm(グレードによって異なります)となります。
初代ヴェゼルのボディサイズは全長4,330mm(RSとツーリングは4,340mm)×全幅1,770mm(RSとツーリングは1,790mm)×全高1,605mm、ホイールベースは2,610mm、最低地上高は170〜185mmです。
こうしてサイズを比較してみますと、新型は全高がやや低いものの、それ以外はほとんど変わらないことが分かります。
コンパクトSUVは街乗りでの扱いやすさや狭い場所での駐車のしやすさなどがメリットの一つとなりますので、ヴェゼルはこのあたり違和感なく新型に乗り換えられるでしょう。
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※価格は支払総額
■クーペスタイルを継承しながらも新しい方向性のデザインを採用
初代ヴェゼルは流麗なクーペスタイルにスタイリッシュなヘッドライト、流れるようなプレスラインなど、スポーティな走りを予感させるスタイリングが特徴でした。
新型はヴェゼルの特徴でもあるスリーク(流れのある)プロポーションを継承しつつ、力強さ、美しさ、愉しさを備えた新しいデザインへと生まれ変わっています。
もっとも特徴的なのはボディ同色のフロントグリルでしょう。
最近のモデルは押し出し感のあるグリルデザインを煌びやかなメッキパーツで囲むという意匠が多いように感じられますが、ヴェゼルはその逆をいくプレーンな印象のデザインで、とても新鮮に感じます。
このグリルを横から見ると塊から隆起したような造形になっており、立体的な形にすることで力強い下回りを表現しています。
ヘッドランプも切れ長で精悍な表情を作り出してはいますが、このグリルのおかげで、親しみやすさや愉しさも同時に感じさせる演出にも感じられます。
ヘッドランプもリアコンビネーションランプも車体の比較的高い位置に配置され、前後ランプの両端をプレスラインで結び、水平基調に一気通貫した芯を通すことで強さを表現しています。
ボディサイドは緩やかな曲面で構成されていますが、フェンダーアーチ以外にはっきりとしたプレスラインがなく、シンプルかつクリアな美しさと安定感が表現されています。
リアビューは継ぎ目のないテールゲートパネルや、シンプルで美しいゲートカットライン、手を出した位置に自然と触ることのできるゲートハンドル、立体感のあるリア周りを活かした遊び心のあるリアコンビネーションランプなど、機能性と美しいプローポーションを両立させたデザインに仕上がっています。
また、ホンダがレーシングカー開発に使用する研究施設の風洞で磨き上げた、空力性能にもこだわりがあります。
フロント部分にはエアカーテンスリットを入れてフロントバンパーから取り込んだ空気により、前輪側面の乱れを抑制。
また空気の巻き込みを抑制するリアサイドスポイラーや、ディフューザー形状のリアコンビネーションランプ、リップ形状のサイドシルなど、デザイン性を損わずに空力性能を追求したパーツが採用されています。
ボディカラーはe:HEV X、e:HEV Z、Gにはプレミアムサンライトホワイト・パール、プラチナホワイト・パール、メテオロイドグレー・メタリック、プレミアムクリスタルレッド・メタリック、クリスタルブラック・パール、サンドカーキ・パールが用意され、PLaYは2トーンカラー仕様となります。
こちらにはミッドナイトブルービーム・メタリック&シルバーという専用色が設定されますが、レッドやサンドカーキなど一部の色は設定されていません。
■上質感・特別感を追求した純正アクセサリー
※画像はアクセサリーを装備していません。
前述したように新型ヴェゼルはボディ同色のグリルデザインが特徴ではありますが、はっきりとした存在感のあるグリルやメッキで上質感のあるデザインが好みという方のために、個性をより演出した2種類の純正アクセサリーが用意されています。
一つはクーペライクなヴェゼルのスタイリングを強調した上級感のある「アーバンスタイル」。
こちらはブラック塗装されたグリルにクロームメッキ加飾となり、ロアスカートやガーニッシュ類もボディカラー&クロームメッキでコーディネートされます。
またエキパイフィニッシャーやCピラーデカールといったパーツでさらに車格感を高めています。
もう一つは「カジュアルスタイル」で、グリルの周囲やドアミラーカバー、ロアーガーニッシュ、ロアースカートにカッパーやブラウンといった差し色を組み合わせることで、さりげないオシャレ感や特別感を演出するコーディネートになっています。
こちらはハイコントラストシルバー塗装の18インチアルミホイールが装着され、足元もスタイリッシュに決まっています。
またどちらのスタイルにも「テールゲートスポイラー」が用意され、こちらにはLEDロングハイマウントストップランプを搭載し、ワイド感が強調される仕様となっています。
■新型ヴェゼルのライバルとは!?
最近新しく登場したコンパクトSUVという意味で「トヨタ ヤリスクロス」は強力なライバルとなるでしょう。
ヤリスクロスのボディサイズは全長4,180mm×全幅1,765mm×全高1,560mmとヴェゼルよりやや小ぶりではありますが、トヨタ自慢の1.5Lハイブリッドシステムによるクラストップレベルの燃費性能やスタイリッシュなデザイン、最新のコネクテッドサービス、高度運転支援システムなど、スキのない作り込みでユーザー獲得を狙っています。
新型が続々と登場する激戦区のカテゴリーにおいて、初代登場から安定した人気を誇るヴェゼル。
新型の登場時は「他のメーカーの○○にデザインが似ている」などネガティブな意見もあったようですが、実車を見てみると好意的に受け止める人が多く、オーダーも順調でクルマ全体の評価も上々です。
奇抜にならずに個性を出しつつ、洗練された印象を与え、しかも使いやすい。
これは簡単なことではありませんが、新型ヴェゼルはその難題を見事にクリアーしたエクステリアではないでしょうか。