日産 キックス解説1[新しい顔、ダブルVモーション]
2021.02.28
2020年6月に、日産から新しいコンパクトSUV『キックス』が発売されました。
ジュークと入れ替わるように投入されたキックスは、2016年にブラジルで発売したことを皮切りに、現在は、北米をはじめメキシコ、アジア各国で販売される世界戦略車となっています。
近年、業績が芳しくない日産は、日本をコアマーケットのひとつと位置付け、キックスもe-POWER専用モデルとするなど、選択と集中を積極的に行っています。
そんなキックスの仕様や特徴について、この記事ではおもにボディ関連について解説してゆきます。
■日本国内で使いやすいサイズ感
ボディサイズは、全長4,290mm×全幅1,760mm×全高1,610mm、ホイールベースは2,620mmとなっており、世界戦略を狙ったコンパクトSUVとしては標準的なものです。
最低地上高は170mmで、SUVとしてはやや低めではありますが、日本の道路環境においてはスタイリッシュなデザインと安定した走りを優先させたといったところでしょうか。
ちなみに以前のコンパクトSUV、ジュークのボディサイズは全長4,135mm×全幅1,765mm×全高1,565mmで、若干サイズアップした印象です。
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■進化したVモーショングリルで新しさをアピール
日産が採用するフロントデザインシグネチャーのVモーショングリルは、2010年ごろからさまざまな車種に採用され、現在では日産車の顔としてすっかり定着しました。
キックスではそのVモーショングリルを,”若々しい躍動感あふれるダイナミックさ”と”先進的かつ上質なプレミアム表現”というデザインテーマに沿って、“ダブルVモーショングリル”に進化させました。
このダブルVモーショングリルは、フロントのメーカーエンブレムを細いVモーションがぐるりと取り囲み、外側に太めのメッキガーニッシュが配置されるという凝ったデザインで、クラスを超えた高級感のあるフロントフェイスを獲得しています。
さらにフロントグリルには、日本の伝統工芸である組み木からインスパイアされたという特徴的なパターンを採用するとともに、薄型デザインのLEDヘッドランプはVモーションから連続するように配置されます。
そしてヘッドランプはボリューム感のあるフェンダーへとつながっており、躍動感のあるダイナミックな表現となっています。
また立体感のある造形のリアコンビネーションランプ、Cピラーの中間部分をブラックアウトしたフローティングルーフデザインなど、リアセクションもアクティブな表現で統一されています。
17インチのアルミホイールは、大胆ではないものの印象的なデザインで、ブラック塗装との組み合わせがスタイリッシュに足元を演出しています。
ボディカラーは、キックスのイメージカラーとなる「プレミアムホライズンオレンジ」など特徴的な色を多数用意。
ラインアップは全9色のモノトーンにくわえて、ブラックのルーフと組み合わせられるツートーンが4色用意されています。
■新しいプラットフォームでボディ剛性アップ
シャシー性能は、クルマの基本的な性能を決める大切な要素です。
そこでキックスでは、上級小型車向けに開発されたプラットフォームを採用、車体剛性の高いシャシーが安定感のある走りと高い操縦性、静粛性を生み出しています。
またサスペンションの取り付け角を工夫することで高い直進安定性を実現するとともに、高応答の大径ダンパーや、当たりが柔らかく減衰特性があるウレタン材を使用したバンプストップを採用することで、安定したコーナリング性能と快適な乗り心地を両立させています。
さらにフロントタイヤの切れ角を拡大することにより、コンパクトSUVカテゴリーとしてはクラストップレベルとなる、最小回転半径5.1mを実現。
入り組んだ路地や駐車場内での切り返しなどで、扱いやすく便利です。
■スタリングを進化させるオプションパーツ
キックスには、ユーザーの好みに合わせてエクステリアを変えることができるデザインパッケージが2タイプ用意されています。
アクティブな印象を高める『シルバースタイルパッケージ』は、鈍い輝きを放つシルバーカラーに塗装され、装着されたフロントアンダープロテクター、サイドシルプロテクター、リアアンダープロテクターが特徴。
いっぽう都市部にも映える『ブラックスタイルパッケージ』は、シルバースタイルパッケージと同じパーツをツヤのあるブラックに塗装、引き締まったスポーティな印象にしています。
その他、ルーフスポイラー、バックドアアクセント、ドアサイドモールディングといったパーツに加え、ブラック塗装されたVモーショングリルや、5本ツインスポークデザインのガンブレーメタリックアルミホイールなど、オプションパーツが豊富に用意されています。
一部のパーツは、車両購入後も交換可能なので、中古車で個性を出したいという方は検討してみてはいかがでしょう?
■気になるライバル/トヨタの本命コンパクトSUV、ヤリスクロス
キックス登場から間もない2020年8月末、トヨタのヤリスファミリーとしてSUV版となるヤリスクロスが発売されました。
ボディサイズは全長4,180mm×全幅1,765mm×全高1,560mmとキックスよりやや小ぶりサイズですが、クラストップレベルの低燃費を誇る1.5Lハイブリッド、都市部に映えるスタイリッシュなデザイン、高度運転支援システム、コネクテッドサービスの充実など、キックスの強力なライバルとなっています。