日産が初めて手掛けた軽自動車、デイズの出来はどうですか?
2020.10.02
日産 デイズ(DAYZ)は、大人気の軽トールワゴンです。
日産が初めて企画・開発・デザインから手がけた軽自動車で、その成果は発売から約1ヵ月で受注3万台という反響で現れました。
ここでは個性があるのにフレンドリーなフロントマスク、トールサイズを活かした広い室内空間、個々に特徴あるグレード、充実した安全装備などSUVとしての人気の秘密を見ていきましょう。
■三菱と共同開発で生まれた日産の軽自動車
デイズは、2013年6月6日にデビューしました。
現行モデルは2019年8月から販売されている第2世代です。
企画・開発・デザインなどを、日産と三菱が共同で行っていますから、第3世代eKとデイズは、両メーカーの共同開発車ということになります。
もう少し正確に言うと、日産と三菱が軽自動車のために設立した合弁会社NMKVが開発し、三菱が製造ということになります。
全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,620mm、ホイールベース2,430mmのトールワゴンで、全高1,775mmのスーパーハイトワゴン、デイズ ルークス(DAYZ ROOX)が、2014年2月13日にラインアップに加わりました。
デイズには、ベースグレード(J、S、X)と、グリルデザインなどフロントマスクが異なるハイェイスター(J、X、G、Gターボ)、さらにハイウェイスターをベースにした特別仕様車ライダーがあります。
三菱eKとはフロントデザインが違い、ハイウェイスターの3本メッキグリルバーは特徴的です。
フォグランプやフロントバンパーデザイン、ヘッドライト形状も異なります。
Aピラーから後ろは三菱eKと共通デザインです。
デイズと三菱eKでは、標準仕様デイズが三菱eKワゴンに、デイズ・ハイウェイスターが三菱eKカスタムに相当します。
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※価格は支払総額
■デザインの巧みさで広々と見せる室内空間
室内空間はロングホイールベースと、ハイトワゴンの高さを活かし、軽自動車なのに大人が快適にゆったりと乗ることが可能です。
インパネは、センタークラスターを中心に弓なりに広がり開放感があるデザインを採用。
メーターは標準グレードが白、ハイウェイスターがブルーにシルバーリングです。
アラウンドビューモニター とオートエアコン(タッチパネル式、作動確認機能、外気温度表示)は、どちらも軽自動車初採用(※X、ハイウェイスターG/Gターボ)でした。
フロントピラーが細く、フロントガラス面積が大きいので見晴らしが良いのも、室内の開放感に繋がっています。
後部座席は左右分割式で、分割リクライニングも可能。
ラゲッジスペースは93L(VDA容量)で、リアシートアレンジでさまざまな荷物の積載に対応します。
■CVTが力強さを生むエンジン
パワーユニットは、新開発の横置き自然吸気直3DOHC(最高出力49PS/最大トルク6.0kgm)と、直3DOHCターボ(最高出力64PS/最大トルク10.0kgm) の2タイプで、いずれもVVT(可変バルブタイミング機構)付きです。
エンジン内部のフリクションの低減、インテーク形状の最適化、12.0:1の圧縮比などで、低燃費で燃焼効率の高いエンジンになっています。
駆動方式はFFと4WD(ビスカスカップリング式フルタイム4WD)で、トランスミッションは副変速機付きエレクトロニックCVTです。
これは一般的な無段階変速のCVTに遊星ギア機構の副変速機を装備したもので、ワイドレシオでもプーリーを小さくできるメリットがあります。
これによりデイズは、軽自動車ながら加速の良さや力強さがあるわけです。
■人気のハイウェイスターとは?
ハイウェイスターはデイズのカスタムモデルで、大きなメッキグリルを持ち、ひと目で標準グレードとの違いが判別できます。
リアは、ルーフスポイラー一体のハイマウントストップランプ、クリアレンズのリヤコンビネーションランプ、アルミホイールもハイウェイスターのみ標準装備で、G/Gターボは15インチ(他は14インチ)と、スポーティなデザインが特徴です。
室内は、標準仕様のデイズにはないタコメーターが装備されます。
■デイズ(旧型)の改良点
初代デイズは、2019年までに何度か改良やマイナーチェンジが行われています。
まず2014年には、ブレーキ回生してメインバッテリーの他に搭載したニッケル水素バッテリーに充電してオーディオなどに利用することで、鉛バッテリーの寿命を延ばし、燃費も改善できるバッテリーアシストシステムをFFモデルに採用。
2015年のマイナーチェンジでは、ハイビームアシストやエマージェンシーブレーキを全グレードに標準装備するとともに、フロントグリルを刷新。
4WDとターボモデルにもバッテリーアシストとアイドリングストップ機能を採用し、これで全モデル燃費が向上。
ターボモデルには、クルーズコントロールも装備されました。
2018年には、インテリジェント エマージェンシーブレーキが、レーザーレーダー方式からカメラ方式に変更。
約10km/h~60km/h の車速で歩行者に対しても作動し、対車両も作動車速域を約10km/h~80km/h と進化。
踏み間違い衝突防止アシストもレーザーレーダー方式からソナーおよびカメラ方式に変更し、軽自動車で初めて前進時に歩行者に対して も作動。
ハイウェイスターにはLDW(車線逸脱警報)を標準設定するなど、全体的に安全装備が進化しました。
デイズは遊びも毎日の生活も楽しく便利に、と車名通りに使える軽SUVです。
フロントフェイスをふくめた個性はあるのに嫌味がないスタイリングも支持されてきた一因でしょう。
メッキ処理を巧みに生かしたデザインの好例ともいえるフロントフェイスは、現行モデルよりフレンドリーで好きという方も多くて、中古車で人気なのもこれが理由かもしれません。