人気のライトクロカン、ランクルプラドを中古で手に入れよう
2020.09.30
■現行モデルも初期型なら200万円台で見つかる
ランドクルザープラド(以下プラド)は現行モデルがシリーズ第4世代(2009年~)で、新車はエントリーモデルのTX(ガソリン2.7L 5人乗り)で360万3600円、最上級グレードのTZ-D(ディーゼル2.8L 7人乗り)が560万2600円です。
ところが中古車に目を向けると2015年型ぐらいまでなら、200万円台の個体も多く、もう少し初期のモデルなら、100万円台後半でも見つけることができます(※ただし同じ年式でも、マイナーチェンジを含めて前モデルが存在するので注意が必要です)。
こういった価格帯だと新車のトヨタ RAV4や日産 エクストレイルと競合することになり、中古車だけれども1ランク上のプラドが選択肢に入るわけです。
もちろん中古車は程度によりますが、プラドの場合はランクルほど過酷に扱われていなくて、年式のわりには走行距離もそれほど多くない傾向ですから、それほど心配はないでしょう。
また本格クロカンのランドクルーザーに対し、プラドはライトクロカンと呼ばれがちですが、オフロード性能は高く、オンロード重視のクロスオーバーSUVとはワケが違います。
モデルのイメージ、車格、パフォーマンス、装備内容、耐久性などから考えると、プラドのSUVとしての資質は相当高いものがありますが、中古車価格はそのわりにリーズナブルと言えるのではないでしょうか。
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※価格は支払総額
■ランクル派生モデルからプラドとして完全独立
プラドは1990年にランクル70の派生モデルとして誕生しました。
第2世代は1996年に登場。それまでもパワートレインに関しては、ハイラックスサーフ/タコマと共用だったのですが、第2世代ではフレーム(ラダーフレーム)やサスペンションも同じになり、ランクルとは完全に決別しました。
ランクルに対してライトなクロカンと言うコンセプトは第3世代(2002~2009年)でも引き継がれます。
現行モデルとなる第4世代は、2009年9月に発売。
日本では同年8月にハイラックスサーフが姿を消したので、ソフティケイトされ、手が届くプレミアム感のある上品なライトクロカン路線は、プラドが担うことになったのです。
また日本仕様は、ショートボディが廃止され5ドアの5/7人乗りに統一。
サイズは全長4,760mm×全幅1,885mm×全高1,850mm、ホイールベース2,790mm。
現行モデルだと全長は4,825mmにまで伸ばされ、ランクルより1サイズ小さく、RAV4より少し長く、背も高くなっています。
また、装備では車載カメラの映像から周囲の路面状況を確認できる「マルチテレインモニター」を世界で初めて導入(最上級グレードのみ)したこともトピックでした。
その後、第4世代プラドはこれまでに数回のMC&改良を行ってきています。
まず2013年9月のマイナーチェンジでは、グリルが大型化され、組み合わせるフロントバンパーも新デザインに。
また、ヘッドランプ(TZ、TZ-Gではロービーム、クリアランスランプ)がLEDに、リヤコンビネーションランプ、リヤガーニッシュなどのデザインも変更されました。
インテリアではファブリックシートのマテリアルやカラーを変更。
パフォーマンス面ではマルチテレインセレクトの走行モードが4モードから「+ROCK&DIRT」を加えた5モードに進化。
前後サスペンション(F:ダブルウィッシュボーン、R:トレーリングリンク・コイルスプリング・リジッドアクスル)のセッティングも変更されました。
翌2014年5月8月25日には、TXをベースに内外装カラー・デザインを変更した特別仕様車TX“Argento Cross(アルジェントクロス)”が発売されます。
2015年6月の改良では、エンジンは従来あったガソリン4.0L V6を廃止し、新たにクリーンディーゼルエンジンを追加。
これによりエンジンラインアップは、ガソリンの2.7L 直4DOHC・VVT-i(吸排気可変バルブタイミング機構)とディーゼルの2.8L 直4DOHCインタークーラー付きターボ(コモンレール式直噴)となり、現在まで販売されています。
ちなみに、それぞれのスペックは、2.7Lガソリンが最高出力120kW(163PS)/5,200rpm、最大トルク246Nm(25.1kgm)/3,900rpm、2.8Lディーゼルターボが最高出力130kW(177PS)/3,400rpm、最大トルク450Nm(45.9kgm)/1,600~2,400rpmを発生します。
駆動方式はトルセンLSD式センターデフを持つフルタイム4WD。
トランスミッションは2015年のマイナーチェンジで全モデル6ATとなっています(2速副変速機付きは従来通りです)。
2016年8月29日には、トヨタ店創立70周年記念特別仕様車として、TX"Lパッケージ・Gフロンティア"が発売されました。
2017年9月には、ふたたびマイナーチェンジを敢行。
ボンネットセンター部の形状が変更され、LEDヘッドランプ、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P(トヨタセーフティセンスP)」を全モデルに標準装備しました。
同時にディーゼルのTZ-G(7人乗り)では、リアデフにトルセンLSD、AVS(パワーステアリング連動)&電子制御エアサスペンション(リア車高調整式)、KDSS(キネティックダイナミックサスペンション:スタビライザー効果オン・オフ)など、悪路走破性を高める装備を追加。
この他電動リアデフロック機構もオプションで設定(トルセンLSDでは非装着)されました。
こうして正常進化したプラドはパフォーマンスも装備も仕上げも完成されたミドルサイズSUVで、それこそフォーマルウェアでもアウトドアウェアでも似合ってしまうクルマになっています。
■ライバルはランクル?ディフェンダー?ラングラー?
プラドの国内のライバルとして考えられるのは、ランクルをおいてほかにはありません。
究極のオフロードパフォーマンスではもちろんランクルが上、ですがプラドも相当高い性能を持っているので、日本国内で楽しむぶんには、それほど不足を感じることはないでしょう。
パワーの源となるランクルのエンジンは、最高出力234kW(318PS)という強力な4.6L V8ガソリン。
8人乗り仕様もあり、このあたりで差が出ます。
ただし、6人以下ならプラドでも充分快適です。
もっとも大きな差は、1ランク上のランクルがプラドに対して新車、中古車問わず、同じような条件なら100万円ほど販売価格が上回っていることですね。
※画像は初代ディフェンダーです。
海外のメーカーでは、まず英国のランドローバーにプラドのライバルがいくつも存在します。
価格、車両のキャラクター、7人乗りという要素を考えれば、ディスカバリースポーツが筆頭ですが、今回はあえて話題のNEWデフェンダーをピックアップしてみました。
3ドアショートボディの90が499万円~、5ドアロングボディの110が589万円~と価格設定は少し上ですが、高いオフロード走破性と、モデルヒストリーは、プラドのライバルにふさわしい1台です。
アルミモノコックに搭載されるエンジンは、2.0Lの直4ターボで、最高出力221kW(300PS)/ 5.500rpm、最大トルク400Nm(40.8kgm)/1,500~4,000rpmと強力。
もちろんフルタイム4WDです。 初期導入モデルは予約完売で、現在レビューツアー中。
中古車だとディスカバリー4(2009~2016年)もライバルになりますが、タマが少ないことが難点です。
クロカンの本場アメリカでは、ジープにプラドと同じラダーフレームのラングラーがあります。
新車価格はショートボディのスポーツで490万円、ロングボディ5人乗りのアンリミテッド スポーツで510万円です。
また、プラドに近い使い勝手を考えるとチェロキーという選択肢もありかもしれません。
こちらはベーシックモデルのロンヂチュード(2.6L ガソリン)が449万円、リミテッド(2.0Lターボ)が496万円です。
中古車であれば、ラングラーは1世代前(現行モデルは第4世代で2018年~)なら200万円台も多く、チェロキーは現行モデルでも200万円台で見つかります。
こうして見るとプラドはグレード、エンジンパワー、走行パフォーマンス、装備、7人乗りもあるなど総合的評価は相当高いことが分かりますね。
けっして小さいランクルではなく、ハイラックスサーフから随分ソフティケイトされて上品なミドルサイズSUVになっているということです。
もちろんオフロードパフォーマンスは充分。
中古プラドこそ、賢い選択といえるでしょう。
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