CR-VとRAV4のハイブリッドモデルを比較
2019.11.25
ミドルサイズSUVとして国内市場に復活したホンダ CR-Vとトヨタ RAV4は、共にガソリンエンジンモデルに加えてハイブリッドモデルも用意されています。
大きく迫力のあるボディが燃費に影響するクロスオーバーSUVだけに、ハイブリッドモデルが気になるという方のために、2台のハイブリッドモデルについて、それぞれ特徴を解説していきます。
■それぞれどんなシステムを搭載してる?
CR-Vのハイブリッドシステム 「SPORT HYBRID i-MMD」は、2つのモーターと2.0Lのアトキンソンサイクルエンジンを組み合わせたハイブリッドシステムです。
このハイブリッドシステムは、発進時などエンジンの効率が悪いときに、バッテリーからの電力共有によりモーターで走行するEVドライブモード。
高負荷時やバッテリー容量が少ないときにエンジンを始動させ発電用モーターを駆動し、その電力を駆動用モーターに供給しながら走るハイブリッドドライブモード。
高速クルージングときに、エンジン直結クラッチを締結して、低燃費でのクルージングを可能にするエンジンドライブモードという3つのモードを備え、それらをシームレスに切り替えることで、優れた動力と環境性能を実現しています。
気になる出力は、エンジンが最高出力107kW(145PS)/最大トルク175Nm,走行用モーターは最高出力135kW(184PS)/最大トルク315Nmで、V6 3.0Lエンジンに匹敵するパワーと、25.8km/L(JC08モード)という優れた燃費を実現しています。 トランスミッションはCVTで、2WDと4WDモデルがラインアップされます。
一方、RAV4は2.5Lのアトキンソンサイクルエンジンと高回転モーターを組み合わせたトヨタお得意の「THSⅡハイブリッドシステム」で、それにモーターのトルクを増幅するリダクションギアを追加しています。
最高出力131kW(178PS)/最大トルク221Nのエンジンと、最高出力88kW(120PS)/最大トルク202Nmのモーターを組み合わせたシステムの最高出力は、2WDモデルが160kW(218PS)、4WDモデルは163kW(222PS)となっています。
市街地はモーターメイン、高速走行時は適宜モーターアシストが介入し、強い加速感と低回転域でのクルージングが可能で、全域で余裕の走りが可能です。 気になる燃費は、JC08モード燃費で25.0km/Lと、こちらも優れた数値をマークしています。
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※価格は支払総額
■組み合わされる4WDシステムは?
CR-Vの4WDシステムは、ガソリン車と同じリアルタイムAWDです。FFベースで、各種センサーの働きにより、前輪がスリップする前に後輪へトルクを伝達するとともに、つねに最適な駆動力配分を行うことで、優れた走破性を発揮します。
またコーナリング時にはヨーセンサーとステアリングの動きを感知する舵角センサーの数値を計算し、前後輪トルクを変化させることで、悪路でも舗装路面でも安定したコーナリングを行えます。
RAV4に搭載されているE-Four(電気式4WDシステム)は、後輪側にもモーターを配置。前輪のグリップ力が少なくなると、後輪用モーターを駆動させ、走行安定性能を高めます。
前後輪トルク配分は、100:0から20:80まで緻密に制御することで、旋回時の挙動安定に役立つほか、降雪時や雨天時における登坂発進時の安心感、さらには燃費向上にも貢献しています。
■室内の広さ、ラゲッジ容量の違いは?
2台を比べると、居住空間が広く、シートの乗り心地が良いのはCR-Vです。大きめのシートでしっかりと体をホールドされ、後席の足元空間も広く、前後席ともに余裕のある着座姿勢を取ることができます。
RAV4は、後席の居住空間が若干狭く、膝周りのスペースもCR-Vと比べると窮屈です。 ラゲッジスペースは、遊び車の要素の強いRAV4のほうが広くなっています。小物の収納スペースは少ないものの、広く大きなラゲッジスペースはアウトドアユースにピッタリです。
CR-Vのラゲッジスペースも必要十分な広さではありますが、タイヤハウスの荷室へのはみ出しなど、スペース効率という点ではRAV4に一歩譲ります。
気になる価格は、CR-Vが385万4400円〜、対するRAV4は326万1500円〜ですが、質感、装備の充実度などを考え合わせると、RAV4ならベースからひとつ上のGグレード(388万8500円)となり、価格差は数千円になります。
まとめ
ラグジュアリーな印象のCR-Vと、アクティブなイメージのRAV4。かつてコンパクトSUVでライバルだった2台が、ふたたびクラスを変えてしのぎを削ることになったのは、時代の必然というものなのでしょうか?