ホンダ オデッセイハイブリッドとトヨタ エスティマハイブリッド比較
2019.10.06
1990年に初代がデビューしたトヨタのエスティマと、1994年デビューのホンダの「オデッセイ」は、ともに箱型ミニバンとは異なるスタイリッシュなデザインや、3ナンバーサイズの余裕ある室内で人気を集めてきました。しかし、同じクラスのライバルであるこの2車には、大きく異なる特徴があります。そこで今回はこの2車の現行モデルからハイブリッド車同士を比較してみました。
※2019年8月時点に販売されている現行モデルについて解説しています。
ハイブリッド機構
オデッセイとエスティマには両車ともにガソリン車とハイブリッド車がラインナップされています。特に現行モデルでは発売時期に10年の差があることで、そのハイブリッドシステムに大きな違いがあります。
エスティマのハイブリッドシステムTHSⅡは、2.4L直列4気筒エンジンとフロントとリアにそれぞれ駆動用モーターを配置し、バッテリーはニッケル水素を採用しています。
基本的にはFFですが、必要に応じてリアのモーターで後輪を駆動するE-Four(電気式4WDシステム)となっていることが特徴です。発進、低速時など、エンジンの効率が悪いときにはモーターで走り、通常走行ではエンジンが駆動。さらに全力加速時にはモーターも加わります。
オデッセイのハイブリッドシステムは、スポーツハイブリッド i-MMDを搭載し、モーターは小型・軽量化を図りながらも高トルク・高出力化を実現し、リチウムイオンバッテリーを採用しています。
2.0Lエンジンとモーターによる動力性能はもちろん高いのですが、スポーツハイブリッド i-MMD最大の特徴は、エンジンは主に発電に徹し、幅広い領域をモーターで走るということです。モーターのみで走るEVドライブモードを発進のみでなく街中走行などでも利用。
加速時や高速クルーズ時など負荷の多い状況でのみエンジンを併せて活用しています。これが可能になったのが315Nmという3.0L V6エンジンに匹敵する走行用モーターのトルクです。したがって、オデッセイハイブリッドで街中を走っていると、EV(電気自動車)と変わりません。
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室内空間
エスティマは2代目アルファードと共通のプラットフォームを採用しています。また、7人乗りモデルは3列目のシートを収納した状態で、セカンド(2列目)シートを最後尾までスライドすると、リムジンのような広大なスペースが生まれる「スーパーリラックスモード」となります。
さらに8人乗りでは2列目シートにチップアップ機能を備え、サード(3列目)シートを床下収納すると広大な積載スペースを確保することができるなど、シートアレンジも豊富な内容になっています。
オデッセイはというと、低床プラットフォームによりフロア下の燃料タンクの薄型化や排気システムのレイアウトの工夫等によって低床化を徹底。その結果エスティマと比べて全高で65mm低いのにもかかわらず、室内の高さは50mm高くなっています。もちろん、ラゲッジ容量も広くなっています。
シートアレンジでは3列目シートは3人掛けでリクライニング構造を3分割し、左右席と中央席でリクライニング角度を変えることが出来たり、内蔵式オットマン・中折れ機構付シートバック・ロングスライド機構を備えたプレミアムクレードルシートが採用されています。
燃費
燃費については、ともにJC08モードでエスティマハイブリッドが18.0㎞/L、オデッセイハイブリッドが26.0㎞/Lと、オデッセイハイブリッドがエスティマハイブリッドを大きく上回っています。これはベースとなるエンジンの排気量がオデッセイハイブリッドは2.0L、エスティマハイブリッド2.4Lという事の他、2WDと4WDの差もあります。
そして最も大きな違いはオデッセイハイブリッドがエンジンを発電に徹することで、モーターのみで走るEVドライブモードを街中走行などで積極的に利用し、エンジンは加速時や高速クルーズ時などに限っているというシステムの違いによるものです。
何度も言うようですが、発売時期に10年の差があるので、燃費性能の差は当然と言えば当然なのです。
どうしても新旧対決のようになってしまい、エスティマハイブリッドが不利になってしまうのですが、販売台数においては善戦しており、人気という点ではオデッセイにひけをとりません。
しかし、発売から13年たった現在、ニューモデルの情報もなく、残念ながらエスティマは2019年限りで姿を消す噂があります。そんな今だからこそ、箱型ではないミニバンのパイオニアであるエスティマと、そのライバルであるオデッセイを比べてみました。
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