かつて存在していた7人乗りミニバン、スバル エクシーガってどんなクルマ?
2019.09.22
水平対向エンジンやフルタイム4WDなど、国産メーカーのなかでも飛び抜けた強い個性でファンの多いスバル。トヨタとの関係強化によって、ここ数年はスポーツモデルとセダン、SUV系に生産をしぼっていますが、かつては7人乗りのミニバンを販売さしていたこともありました。スバルの設計思想が活かされたミニバン、エクシーガについて紹介します。
2008年に発売されたスバルの7シーターミニバン
エクシーガは「7シーター パノラマツーリング」というコンセプトのもと、2008年にデビューしました。
コンセプトが示す通り、十分な室内空間による居住性と積載性(セブンシーター)、どの席からでも景色を楽しめる見晴らしのよさ(パノラマ)、快適にドライブを楽しめる安全性能と操縦安定性(ツーリング)がポイントです。
インプレッサやレガシィと共通のSI-シャシーコンセプトは、自然で思い通りに操れる気持ちの良い走り、すべてのシートで快適な乗り心地、快適な居住空間と使い勝手の良いラゲッジを実現するパッケージングという3つの要素を高い次元でバランス。それに水平対向エンジンを組みわせることで、抜群の走行性能と上質な乗り心地を実現しています。
エンジンは、2.0Lの水平対向4気筒で、自然吸気(NA)とターボの2種類。駆動方式は、自然吸気エンジンに2WDとAWD、ターボエンジンはAWDのみ。トランスミッションは、2WDに4AT、AWDには自然吸気、ターボに関わらず5ATという組み合わせでした。
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中古購入の予備知識として知っておきたい改良ポイント
エクシーガは、デビュー以来、毎年のように年次改良を受けたモデルなので、中古車購入の際には注意が必要です。
まず登場の翌年となる2009年9月には、ショックアブソーバーの減衰力変更、自然吸気エンジンモデルにリニアトロニックを採用、ターボエンジン搭載の最上級グレード2.0GTにアイサイトを搭載するなどの改良を敢行(2.0iを除く)。
なかでもリニアトロニックは、優れた伝達効率による高速域での燃費向上と、全速度域において優れた加速フィーリングを発揮します。またパドルシフトも備え、マニュアル感覚のシフトアップ&ダウン操作が手元で可能になっています。
同じ2009年12月には、2.5Lの水平対向4気筒エンジンを搭載したグレードを追加。こちらのリニアトロニックには、3つの走行特性を選択できるSI-DRIVEを採用するなど、ドライビングの楽しさを広げています。
翌2010年は、5月にターボモデル(2.0GT)のエンジンやトランスミッションを改良し、燃費性能と排出ガス浄化性能を向上。さらに8月には、ベースモデル(2.0i)にもリニアトロニックを追加するとともに、全車にVDC(横滑り防止装置)を標準装備としました。
2011年は、6月にフロントマスクを中心としたフェイスリフトと、インテリアの意匠変更。グレード構成の整理。
2012年7月には、リニアトロニックを新型に変更。同時に2.5Lエンジンを改良。アイドリングストップを搭載し、高い走行性能と優れた燃費性能を両立させました。
サスペンションはショックアブソーバーを改良。リアのラテラルリンクにはピロボールブッシュを採用し、ドライバーの意思に忠実に反応するハンドリングと優れた直進安定性を獲得。
アイサイトはVer.2へ進化するとともに、2.5iにも標準装備。アイサイトVer.2装備車は、2.0GTと2.5iの2つになりました。
また、STIからは独自のチューニングを施したスポーティモデル、tSが発売されたのも2012年でした。
2013年は、全グレードのインテリアにダークキャストメタリックに加飾パネルを採用し、質感を向上するとともに、外装色を追加。特別仕様車2.5i アイサイトSパッケージを発売。
2014年には、2.5iアイサイトをベースにパノラミックガラスルーフ、サテンメッキ塗装のドアミラー、ハイラスター塗装のアルミホイール、シャンパンゴールドステッチをあしらったシートを採用するなどした特別仕様車エアブレイクと、新たにスポーティかつ高級感のあるグレード2.0GT-Sアイサイトが追加されました。
SUVモデル、クロスオーバー7に進化
エクシーガは、2015年にSUVテイストをプラスしたエクシーガ クロスオーバー7として生まれ変わりました。
クロスオーバー7は、車高をエクシーガの165mmから170mmに引き上げるとともに、ホイールを16インチから17インチへ変更。加えて、樹脂製の前後バンパーやホイールアーチ、大型フロントグリル、ルーフレール、サイドシルなどの装備によって、都市型の7人乗りSUVとしての佇まいを獲得しました。
パワーユニットは、2.5Lの水平対向4気筒。駆動方式はAWDのみ。組み合わせるミッションは、エクシーガと同じリニアトロニックです。
インテリアは、ピアノブラック調に加工されたインストルメントパネルや、タン色のレザーであしらわれたドアトリムやシートなどで質感を向上。加えて運転席&助手席に8ウェイパワーシートとシートヒーターを標準装備することで快適性を高めています。
またアイサイト(Ver.2)も装備され、都市型 SUVに相応しく、全天候型の走行性能と多彩な用途に対応できるパッケージングが与えられました。
スバルの走りと、ミニバンのユーティリティが融合したエクシーガは、生産期間が長いため年式によって、細かな違いがあります。安全性能で選ぶなら、高年式のアイサイト装着モデルを選ぶと良いでしょう。
■エクシーガ(2014年発売)
・2.0L モデル
- 全長×全幅×全高:4,740mm × 1,775mm × 1,660mm
- ホイールベース:2,750mm
- 車重:1,620kg
- 駆動方式:フルタイム4WD
- エンジン:2.0L 水平対向4気筒ターボ
- トランスミッション:5AT
- 最高出力:225PS(165kW)/5,600rpm
- 最大トルク:326Nm(33.2kgm)/4,400rpm
- タイヤ:215/50R17(前)/215/50R17(後)
- 燃費(JC08モード):11.2km/L
- 価格:302万4,000円〜
・2.5L モデル
- 全長×全幅×全高:2,720mm × 1,775mm × 1,660mm
- ホイールベース:2,750mm
- 車重:1,570kg
- 駆動方式:フルタイム4WD
- エンジン:2.5L 水平対向4気筒
- トランスミッション:CVT
- 最高出力:173PS(127kW)/5,600rpm
- 最大トルク:235Nm(24.0kgm)/4,100rpm
- タイヤ:215/50R17(前)/215/50R17(後)
- 燃費(JC08モード):13.2km/L
- 価格:2,599,000円〜
■エクシーガ クロスオーバー7 (2017年発売モデル)
- 全長×全幅×全高:4,780mm × 1,800mm × 1,670mm
- ホイールベース:2,750mm
- 車重:1,620kg
- 駆動方式:フルタイム4WD
- エンジン:2.5L 水平対向4気筒
- トランスミッション:CVT
- 最高出力:173PS(127kW)/5,600rpm
- 最大トルク:235Nm(24.0kgm)/4,100rpm
- タイヤ:215/50R17(前)/215/50R17(後)
- 燃費(JC08モード):13.2km/L
- 価格:275万4,000円〜