新型エクストレイル(T33)のパワートレインを解説

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新型エクストレイル(T33)のパワートレインを解説

2022.12.02

2022年にフルモデルチェンジを受けた新型エクストレイルは、初代から継承されたタフギア感と洗練された上質なデザインに加え、新しいパワートレインも話題となっています。


可変圧縮比エンジンを核とする新しい『e-POWER』と、電動駆動4輪制御技術の『e-4ORCE』を中心に新型エクストレイルのパワートレインを解説していきます。


■新型エクストレイルはe-POWER専用



新型エクストレイル(T33)のパワートレインを解説


新型エクストレイルに搭載されるパワートレインは、エンジンで発電し、走行は100%モーターで行う『e-POWER』です。


e-POWERが初めて採用されたの2016年にマイナーチェンジが実施されたコンパクトカーのノート(E12型)で、世界で初めて量産型に搭載されたシリーズハイブリッドということで話題となりました。


エンジンを発電用としてのみ使うe-POWERは、エンジンがもっとも効率の良い回転数を維持することができ、ひいてはエンジンの発生する騒音が静かであるということ。


そして駆動はモーターならではのトルクフルな加速と、EVと同様に緻密な制御が可能になるというところです。


今回新型エクストレイルに搭載される第2世代のe-POWERは、初期のe-POWERに比べて性能も向上しています。


新型エクストレイル(T33)のパワートレインを解説


具体的には、モーターとインバーターを刷新することでトルクや出力を向上させ、加速感を強化させていることや、エンジンの作動頻度を低減するシステム制御を行うこと、また路面が荒れていてロードノイズが大きいときを選んでエンジンを始動する技術を採用することで、エンジン音をロードノイズに紛れ込ませ静粛性を向上させていることなどが挙げられます。


また採用された「e-Pedal Step」は、アクセルペダルを離すだけで最大0.2Gの減速度を発生し、ワンペダル感覚でドライブができます。


ただし従来のe-Pedalとは異なり、減速後の停止と停止保持機能はありませんので、停車時にはかならずブレーキを踏む必要があります。


搭載されるエンジンは可変圧縮比を持つ排気量1.5Lの直列3気筒のVCターボで、最高出力105kW(144PS)/4,400-5,000rpm、最大トルク250Nm(25.5kgm)/2,400-4,000rpmを発生。


走行用モーターは、フロントモーターが最高出力150kW(204PS)/4,501-7,422pm、最大トルク330Nm(33.7kgm)/0-3,505rpm、それに4WDモデルには最高出力100kW(136PS)/4,897-9,504rpm、最大トルク195Nm(19.9kgm)/0-4,897rpmのリアモーターが追加されます。 



■可変圧縮比エンジンは、どうして凄いといわれるの?



新型エクストレイル(T33)のパワートレインを解説

新型エクストレイルに搭載されるエンジンは、日産が世界で初めて量産化に成功した可変圧縮比エンジンの「VCターボ」です。


一般的にガソリンエンジンは、シリンダー内に取り込んだ混合機を圧縮したところで点火し、燃焼させています。


その際、高圧縮にするほど高効率運転ができますが、そうするとシリンダー内の温度が上昇して異常燃焼(ノッキング)が起こりやすくなるので、圧縮比アップには限界があります。


新型エクストレイルに搭載されたKR15DDTエンジンの場合、この圧縮比を8.0〜14.0のあいだで可変させることで、低燃費化、高出力化、静粛性向上を実現しています。


圧縮比を可変させるVCターボエンジンのメリットは、通常はトレードオフの関係にある低燃費と圧倒的なハイパワーを同時に実現できることにあります。


VCターボはエンジンの内部にマルチリンク機構を使用することで、ピストンとクランクシャフトの距離を変化させ、圧縮比を無段階で変更できるようにしています。


これにより低負荷運転時には燃費を高めるために高圧縮比に、高負荷運転時には低圧縮比とすることで効率を高めることができるのです。


では、新型エクストレイルにVCターボを組み合わせるメリットはどこにあるのでしょうか。


これまでのe-POWERでは、急加速などの高負荷運転時は強い発電力を必要とするときには、エンジンの回転数が高まり、ユーザーからは「エンジン音が気になる」という声も少なからずあったようです。


その点においてVCターボは、圧縮比を変化させることで出力を稼げるため、ある程度の負荷まではエンジン回転数を変化させることなく必要な電力量を賄えるようになり、車両の静粛性に大きく貢献。


燃費(WLTCモード)は、2WDで19.7km/L、4WDでも18.4km/Lという低燃費を実現しています。


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ドライブモードは、STANDARD(2WD)/AUTO(e-4ORCE)、SPORT、ECOに加え、e-4ORCEでは、SNOW 、OFF-ROADを用意。 アクセルペダル操作による加速力と減速力の強さをドライバーが任意で切り替えが可能です。



■2モーターの新しい4WDシステム



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新型エクストレイルの4WDシステムは「e-4ORCE」と呼ばれる電動駆動4輪制御技術を採用しています。


これは前後2基のモーター、左右のブレーキを統合制御することで、4輪の駆動力を最適化し、あらゆる路面状況で安定感のある走りを提供するとともに、市街地走行など日常使いでも気持ちの良い走りや乗り心地の良さを提供するものです。


たとえば乾いた路面でのコーナリング時でも、前後モーターの駆動力やブレーキをきめ細かく制御することで、最小限のステアリング操作で思い通りのコーナリングができるよう制御したり、オフロードでは最適なトラクションを確保、さらに日常域でも2つのモーターが前後の駆動力と回生ブレーキを絶妙に制御し、車両が前のめりになる不快な揺れを抑制するなど、スムースで上質な走行を可能にしています。



■新型エクストレイルのライバルは?



新型エクストレイル(T33)のパワートレインを解説


同じカテゴリーである三菱 アウトランダー PHEVは、パワートレインこそ違うものの、ルノー・日産・三菱アライアンスの同じモジュールを採用するライバルと呼ぶことができるでしょう。


アウトランダー PHEVは、三菱ならではの四輪制御技術と高剛性プラットフォームによる走りの良さが特徴です。


S-AWCと呼ばれる四輪制御技術は、ツインモーター4WDをベースに、ブレーキをコントロールするAYCを追加し、前後駆動力配分と左右駆動力を制御することで、さまざまな走行状態で四輪のタイヤの性能をバランスよく最大限に引き出します。


PHEVシステムは、2.4Lガソリンエンジンと前後モーターを組み合わせたもので、20kWhの大容量バッテリー搭載により、EVのみでの走行可能距離は87km(WLTCモード)。


ハイブリッド走行時の燃費(WLTCモード)は16.6km/Lです。


新型エクストレイルは、第2世代e-POWERとVCターボの組み合わせた静粛性と、e-4ORCEの四輪駆動制御技術という最新のメカニズムで、次世代の走りと高い静粛性による快適なドライブを楽しむことができます。



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