初代日産・エクストレイルってどんなクルマ?
2018.03.05
現在、世界中のあらゆるブランドが乗用車をベースとしてSUVである「クロスオーバーSUV」をラインナップに加えています。
クロスオーバーSUVを各社が開発するようになった1990年代は、まだセダンタイプが隆盛を極めており、SUVスタイルのクルマと言えば、トヨタ・ランドクルーザーや三菱・パジェロのような悪路走破性能に特化した本格的なクロスカントリービークルが中心でした。その後、トヨタ・RAV4やホンダ・CR-Vといった乗用車ベースのSUVが登場しました。
クロスオーバーSUVは、アイポイントが高いことによる運転のしやすさに加えて、居住空間の広さ、積載性の高さ、そして何より、デザイン性の高さと乗用車ベースであることによるコストパフォマンスの高さで、その後大きな人気を得ることになります。
このような背景の中で、日産が世に送り出したクロスオーバーSUVが、エクストレイルです。ここでは初代エクストレイルについて見てみましょう。
初代エクストレイルってこんなクルマ!
初代エクストレイルには、最大150馬力を発揮する2リットル直列4気筒エンジンと、最大280馬力を発揮する2リットル直列4気筒エンジンの2種類のガソリンエンジンが日本に導入されました。トランスミッションは、4速ATと5速MT、駆動形式はFFと4WDが用意されました。ボディサイズは全長4445mm×全幅1765mm×全高1675mmと決して大きすぎないものでした。
エクステリアデザインは、ボクシーなスタイルや強調されたホイールアーチ、大型のフロントフェンダーなどが「タフギア」であることを演出しています。インテリアデザインは当時流行したセンターメーターが採用されたほか、後部座席がフルフラットになり、サーフボードやスキー道具などが搭載できるようになっています。
一般販売されることはありませんでしたが、FCVモデルも存在します。2005年の上海モーターショーで発表されたエクストレイルFCVは、2008年にドイツ・ニュルブルクリンク北コースにてタイムアタックを実施し、11分58秒というFCV最速記録を樹立しています。
初代エクストレイルは、2003年にマイナーチェンジが施された後、2007年まで販売されることになります。
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商品企画とマーケティングの成功事例
初代エクストレイルは、次世代の日産を牽引する世界戦略モデルとして開発されました。市場のニーズや競合他社の動向を徹底的に研究した結果、クロスカントリービークルのようなクロスオーバーSUVという、一見矛盾したようなポジションのクルマというキャラクターが与えられたのです。
加えて、その後の一貫したマーケティング活動が、現在に至るまでのエクストレイルのブランドを構築してきました。「タフギア」というコンセプトと、「エクストリームスポーツ」に由来する車名の通り、エクストリームスポーツイベントの開催や、雪山を走るCMなどのマーケティング活動が行われました。現在ではレッドブルが同様のコンセプトで世界的なマーケティング活動を行なっていますが、日産のほうが元祖と言えるでしょう。
エクストレイルは2001年より10年連続して国内SUV販売台数1位を獲得し続けますが、これは一貫したコンセプトとマーケティング活動の成果と言えるでしょう。
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