生産終了のトヨタ FJクルーザーは唯一無二のSUV?

お気に入りの中古車一覧

SUVバイヤーズコラム

生産終了のトヨタ FJクルーザーは唯一無二のSUV?

2018.02.22

2018年1月末をもって、トヨタのホームページからあるクルマのページが消えてしまいました。FJクルーザーです。そのクラシカルなオフロードテイストが根強い人気でしたが、時代の流れをうけてその歴史に幕を閉じました。トヨタのクロスカントリービークルのラインナップは多くありますが、中でもFJクルーザーは最も特徴的なモデルの1つでした。ここでは、唯一無二のSUVであるFJクルーザーについて紹介します。


40系ランドクルーザーがモダンになって生まれ変わった




FJクルーザーのコンセプトモデルが初めて公開されたのは2003年のデトロイトモーターショーでのことです。その後、2005年のシカゴモーターショーでプロトタイプが公開され、2006年より北米での販売が開始されました。その後、中国やメキシコ、オーストラリア、そして日本などでも販売されますが、元々は北米市場向けに開発されたモデルです。一方で、その個性的なエクステリアデザインが人気を呼び、日本でも発売されることになったという意味では、非常に珍しいモデルの1つです。


FJクルーザーは、「Rugged & Freedom ~すべてはクルマを楽しむために~」を開発コンセプトとし、その個性的なデザイン、本格4WD車としての高い走行性能が大きな特徴です。2010年の日本市場投入に際しては、遊び心満載の本格4WD車として、FJクルーザーが有する「個性的なスタイリング(見る)」「高い走行性能(操る)」「遊びに応える本物志向の装備(遊ぶ)」に加えて、「自分好みにカスタマイズできるMyFJ(選ぶ)」という新しい販売手法を用いるなど、トヨタのラインナップの中でも実験的な要素の強い1台です。



特徴的なエクステリアは、40系ランドクルーザーをモチーフにしており、丸型のヘッドライトやTOYOTAとアルファベッドでフロントグリルに表記されたロゴなどが、クラシカルな雰囲気を演出しています。その一方で、両側大開口観音開きドアを採用した2ドアクーペのようなスタイリッシュな姿に、直立フロントウィンドシールドガラス、ホワイトルーフなどが力強さとモダンさを与えています。


100系ランドクルーザーとシャシーを共有していることもあり、オフロード車としての性能も非常に高いのも特徴です。パワフルな4リットルV型6気筒エンジンや自らの意志で作動・非作動を選択できる4WD機構(パートタイム4WD システム、リヤデフロック、アクティブトラクションコントロール)の採用に加え、ショックアブソーバーにも最適なチューニングを施すことで、オンロードからオフロードまで本格4WD車としての高い走行性能を実現しています。また、ラゲージスペースはゆとりある積載量を確保し、防水・撥水ファブリックシートやラバー調素材のフロア&デッキカーペット、大型ドアハンドル、大型シフトレバーノブ&トランスファーノブを採用するなど、アウトドア志向の装備を設定した室内空間を持っています。


さらに、トヨタ純正用品やモデリスタによりカスタマイズ用品など、さまざまなパーツを自由に組み合わせることができるのも魅力の1つです。



唯一無二の存在だったが…




個性的なデザインとランドクルーザー譲りの悪路走破性能を持っていながら、発売当時の価格は314万円からとリーズナブルなものであったことから、日本でも一定の人気を得たFJクルーザーですが、2013年の段階で生産終了が決定してしまいました。これにはいろいろな背景があると思われますが、一番の原因は主力市場である北米での販売不振が挙げられるでしょう。


発売当初は北米でも人気を博したFJクルーザーですが、もともと万人受けするモデルではないため、数年で需要を満たしてしまいました。乗用車をベースにしたクロスオーバーSUVは依然として好調ですが、FJクルーザーやランドローバー・ディフェンダー、ハマー・H3など、ラダーフレームの本格的なクロスカントリービークルは、コスト面でも環境面でもクロスオーバーSUVには分が悪いというのが実状でしょう。このカテゴリで残っているのは、メルセデスベンツ・Gクラスとジープ・ラングラーといったところでしょうか。


それでも、現在もマニアへの人気は根強く、中古市場では高値で取引されています。万人に受けるモデルではないからこそ、自分らしいスタイルを追求するユーザーから評価されるのでしょう。もちろん、トヨタらしい品質の高さも中古市場での高値を維持する要因の1つです。


FJクルーザーはまさしく唯一無二の存在でした。しかし、4リットルのエンジンや大型のボディーは現代的ではなく、時代の流れに乗り切れなかったことは残念ですが、近い将来トヨタから現代的に生まれ変わったFJクルーザーが登場するのを期待しましょう。



➡高品質車が勢揃い!FJクルーザーの中古車をチェックしてみよう!

SUVバイヤーズコラムの一覧に戻る

買取&下取強化中!
査定もお気軽にご依頼ください!

トップへ戻る