マツダ MPVとホンダ オデッセイ!背の低いミニバン対決
2022.10.26
マツダ MPVとホンダ オデッセイは、ともにロールーフでスポーティな印象のミニバンです。
背が低いことをデメリットにしない広い室内とスポーティなフォルムが魅力の3代目MPVと5代目オデッセイの使い勝手や走行性能を比較して、それぞれどのような特徴があるのか探ってみましょう。
■スポーティなロールーフミニバン!3代目MPV
マツダ 3代目MPVは、2006年2月に販売を開始したロールーフミニバンです。
北米市場向けに企画されたMPVは、初代モデルから全幅1.8mオーバーのボディに、高トルクの2.5Lエンジンを搭載していました。
3代目でも初代MPVの機能性や使い勝手の良さは変わらずデザイン、ドライビングダイナミクス、パッケージングを進化。
後席の両側スライドドアや横スライドができる2列目シートなどにより、優れたユーティリティを実現しています。
また、ワイド&ローのスタイリングやスポーツカーの発想を取り入れたパワートレインなどにより、ミニバンでありながらパワフルでスポーティな走りを実現しているのも特徴でした。
PRこの記事に関連するクルマ
※価格は支払総額
■ロールーフミニバンの代表格!エレガントな5代目オデッセイ
ホンダ 5代目オデッセイは、2013年10月に発表され、11月から販売を開始したロールーフミニバンです。
ホンダのフラッグシップミニバンとして君臨してきたオデッセイですが、時代はオラオラ顔のミニバンが主流になったことで販売が低迷。
5代目の後期(2020年)でフロントフェイスを変更し、それまでの落ち着いた雰囲気から押し出しの強いデザインに変わりました。
室内は"3列すべてが広く快適で、上質な室内空間と走行性能を両立した上級ミニバン”を目指し、後席両側スライドドアの採用や多彩なシートアレンジ、床下収納の3列目シートなどにより、優れた使い勝手と高級感を両立しています。
流麗なプロポーションのエクステリアに上質感のあるインテリアが特徴です。
■フロントシート比較:アレンジの多様性を求めるなら5代目オデッセイ
フロントシートは、両車ともに適切な運転姿勢がとれる運転席とゆったりと座れる助手席を備えています。
どちらもセンターコンソールがないため後席への移動が簡単で、かつ運転席と助手席のそれぞれにアームレストが装備されているので、長時間のドライブでも快適に過ごすことができます。
ただし5代目オデッセイの8人乗り仕様は、フロントシートの背もたれを倒して2列目とフラットにすることが可能と、シートアレンジの点では5代目オデッセイ8人乗りが多彩です。
■居住性比較:室内空間の広さは5代目オデッセイの方が優勢
2列目と3列目のシートは、両車ともにシート幅や背もたれの長さが十分にとられています。
MPVの特徴は、2列目にサイドスライド機構が付いており、左右を離せばキャプテンシート、くっつければベンチシート仕様と、乗車人数に応じて切り替えて使用することが可能です。
いっぽうオデッセイは、2列目キャプテンシートの7人乗りと2列目ベンチシートの8人乗りの2タイプを用意。
ゆとりある座席を求めるのであれば7人乗り、より多くの人を乗せたいのであれば8人乗りを選ぶことになります。
居住空間の目安となる室内寸法は、MPVが長さ2,635mm×幅1,565mm×高さ1,210mm、オデッセイが長さ2,935mm×幅1,625mm×高さ1,325mmです。
前後左右の広さや頭上空間ともにオデッセイのほうがMPVより広くなっています。
■ユーティリティ比較:3列目シートの格納方法に違いがある
両車ともに3列目シートを格納することで、ラゲッジルームからフラットになる荷室により、利便性は優れているでしょう。
ただし、3列目シートの格納方法に違いがあります。
MPVは、3列目シートを前倒しして格納する設計で、ラゲッジスペースの床はほぼフラットになり、ラゲッジルームの下にあるアンダートランクも使うことができます。
オデッセイは3列目シートをラゲッジルームの下、アンダートランク部分に格納する設計です。
そのためアンダートランクが使えなくなりますが、2列目はスライドが可能です。
3列目シートの格納方法の違いがあるため、ラゲッジの容量を優先したいのであればMPV、乗員の快適性を重視したいのであればオデッセイとなるでしょう。
■パワートレイン比較:スポーティなMPVに対してスムーズなオデッセイ
パワートレインは、ターボエンジンも用意していたMPVとハイブリッドの追加でスムーズさを追求しているオデッセイと、それぞれの個性が現れています。
MPVは、2.3L直列4気筒ガソリン自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類を用意して販売を開始しました。
特にターボエンジンは、最高出力180kW(245PS)/5,000rpm、最大トルク350Nm(35.7kgm)/2,500rpmと高出力かつ太いトルクにより、多人数乗車でも不足のないスポーティな走りを実現しています。
オデッセイは、2.4LガソリンエンジンにCVTを組み合わせたスムーズな走行性能が特徴です。
2016年2月には2.0Lガソリンエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドを追加。
モーターならではの力強く滑らかな走りと燃費性能を両立し、上級ミニバンらしい走りを実現しています。
パワートレインを比べてみると、MPVがスポーティな走りを目指しているのに対し、オデッセイはスムーズな走りを追求していることがわかります。
■安全性能比較:先進的な安全システムはオデッセイの方が多い
安全面は、発売年度の遅いオデッセイが圧倒的に優れています。
MPVは、衝突被害軽減ブレーキシステムやフロントから3列目まで対応するサイドカーテンエアバッグなどを装備しています。
オデッセイはデビュー当時、衝突被害軽減ブレーキシステムやサイドカーテンエアバッグなど、MPVと同等の装備でしたが、2016年2月のハイブリッド追加のタイミングで、安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を全グレードに設定。
衝突被害軽減ブレーキシステムをはじめ、車線逸脱警報やレーンキープアシストなど、先進的な安全装備が全車に搭載されました。
3代目MPVと5代目オデッセイは、どちらもミニバンとしての機能や居住性は十分に満たしていると言えます。
ただし室内空間の広さや安全性などは、MPVより後発のオデッセイです。
どちらを選ぶか悩んだときは、それぞれのクルマの個性を基準にしてみるのも良いのではないでしょうか。