日産 キックス解説3[使い勝手はどうですか?]
2021.03.05
ライバルがひしめくコンパクトSUVカテゴリーに投入されるにあたり、モーターだけを動力源とするハイブリッドシステムの『e-POWER』と、日産の自動運転化技術『プロパイロット』で、他との差別化を図った日産 キックスですが、SUVである以上、使い勝手や室内空間も気になるところですよね。
そこで、ここではキックスのインテリアを中心に、その実力を解説していきます。
■クラスを超えた上質なインテリアもPoint
インテリアは、“若々しい躍動感あふれるダイナミックさ”と“先進的かつ上質なプレミアム表現”という2つのテーマに沿ってデザインされました。
フロントガラスの見開き角度を大きく取っただけでなく、低いウェストラインを採用することで、開放感のある優れた視界を実現しています。
またリアのサイドウインドウも大きく設計し、後席からでも開放感が得られるようにしています。
インテリアカラーは、標準グレードがシックで大人の雰囲気が感じられるブラック、ツートーンインテリアエディションを選択するとシート、ドアトリム、インパネトリムが、オレンジタンとブラックのコンビカラーとなり、おしゃれでリッチな気分を盛りあげます。
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※価格は支払総額
■先進性を感じさせるコクピットデザイン
インパネは、外に向かっていく広がりと、ダブルステッチで丁寧に縫製された合皮のソフトパッドなどによるクラスを超えた高級感が特徴。
ステアリングは、高級感のある本革巻ステアリングで、Dカット形状とすることにより、スポーティさを強調しています。
メーターは、内部で左右にわかれており、右側にアナログ式で視認性にすぐれたスピードメーター、左側に7インチのカラーディスプレイを使ったアドバンスドドライブアシストディスプレイが配置され、e-POWERの作動状況や各種警告、設定、走行支援機能、エコドライブレポート画面などを切り替えて表示できるようになっています。
インパネセンターのオリジナルナビゲーションシステム(オプション)は、大画面の9インチディスプレイを採用。
オプションのインテリジェントアラウンドビューモニターにも対応します。
シフトレバーはe-POWER専用の電気信号式で、先進的な雰囲気を感じながらも自分で操縦する感覚を味わえる、ワクワク感のあるデザイン。
パーキングブレーキもボタン式となり、先進的であるだけでなく大型のセンターアームレストを設置することができるようになっています。
■コンパクトながら考え抜かれた居住性
室内寸法は、室内長1,920mm、室内幅1,420mm、室内高1,250mmと、他のモデルよりも高い室内高によってライバルと比較しても決して見劣りしない居住性を与えられました。
くわえてフロントシートの背面形状を最適化することで、リアシートのニールームを確保して、大人が座ってもゆったりくつろげる広さを確保しています。
またフロントシートは、背骨から胸郭まで連続的に支持する中折れ形状の上部に、骨盤から腰を連続的に支持するたわみ特性を持つ下部、さらに座面には座り心地性能を向上させるマットスプリングタイプを採用したゼログラビティシートとし、ドライブによる疲れを軽減しています。
■クラストップレベルの広いラゲッジスペース
キックスのラゲッジルームの容量は423Lで、トヨタ C-HR(318L)、ホンダ ヴェゼル(404L)、マツダ CX-3(350L)といったライバルと比較しても、たっぷりとした容量があります。
奥行きも900mmあり、大型のスーツケースなら2つ、9インチのゴルフバッグも3つまで積載できる容量は、毎日の買い物やレジャー、旅行など幅広く対応してくれるでしょう。
またラゲッジルーム上部にはトノボードも用意され、小さな小物を上に乗せたり、荷室全体を隠してプライバシー保護に役立てることもできます。
リアシートは6:4の分割可倒式で、ラゲッジ側からもカンタンな操作で後席を倒せるレバーが付いており、長尺物を積むことも可能です。
ただし座面がフラットにはならず段差ができますので、大きな荷物を積むのには少し工夫が必要になるかもしれません。
日産の新しいコンパクトSUV、キックスはe-POWERやプロパイロットなどユーザーからの評価が高いメカニズムを採用しつつ、上質感のある内外装デザインにも力を入れ、カテゴリー内での存在感を強める戦略を取っています。
続々とライバルが出現するなか、その魅力をどこまで維持できるのか、今後の動向にも注目です。
■気になるライバル/新しいガソリンエンジンのマツダ CX-30
マツダのコンパクトSUV、CX-30は、CX-3とCX-5の中間に位置するサイズで、2019年10月に発売されました。
他のマツダ製SUVと同様、エンジンはガソリンとクリーンディーゼルが用意されますが、ポイントはガソリンエンジンに新世代のSKYACTIV-Xがラインアップされたことです。
SKYACTIV-Xはガソリンを燃料としながら、ディーゼルエンジンと同じように圧縮着火を実現するSPCCI(火花点火制御圧縮着火方式)を採用しており、マツダが世界で初めて実用化に成功したエンジンです。
結果、ガソリンとディーゼルの良いところをあわせ持つ特徴があり、“新感覚のドライビングフィールを持つ”という点では、キックスのよきライバルになるでしょう。
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