人気の日産セレナ、中古なら何年式がおすすめ?
2020.11.07
ファミリー層に人気のミニバンのなかで、毎年、登録台数のトップ争いをしている日産 セレナ。
2018年4月以降の年度販売台数では、2年連続ナンバーワンの売り上げを記録するなど人気モデルです。
現行型は登場から4年が経過しており、グレードや特別仕様車の追加、仕様変更が毎年のように実施されています。
そこで今回は、おもな仕様変更やグレードについて解説していきます。
中古車市場でも在庫が多くなっている注目のセレナについて、おすすめの年式を探ってみましょう。
■現行型は5代目。初代は1991年にデビュー
日産 セレナは、日本でミニバンが定着し始めた1991年にデビューしました。
2016年に登場した現行型(C27型)は、その5代目にあたります。
初代から現行型まで、5ナンバーサイズの取り回しの良いボディに、広い室内、運転のしやすさを継承しています。
もちろん、クルマとしてカッコいいか、燃費が良いかというのも大事な要素で、セレナはこれらを高いレベルで達成しているので、多くの人に支持されているわけです。
とくに5代目は、クラスナンバーワンの広さと最大690mmの2列目ロングスライドシート、厚みのあるクッションで快適なサードシートなど、家族が車内で快適に過ごせる要素が満載です。
またダイナミックで洗練されたデザイン、ハンズフリーオートスライドドアやデュアルバックドアなど実用性の高いアイテム、プロパイロットをはじめとする先進機能など、キメの細かい配慮と隙のない作り込みが人気の理由でしょう。
デビュー直後のパワートレインは、2.0Lガソリンと、それにモーターを組み合わせたS−ハイブリッドの2種類で、2018年にe-POWERを追加しましたが、2020年の改良でガソリンエンジンモデルが廃止され、現在はハイブリッドとe-POWERの2本立てになっています。
乗車定員と駆動方式は、e-POWERが7人乗りで2WDのみ、ハイブリッドは8人乗りで2WDか4WDを選択できます。
2020年10月現在の車両価格は、257万6,200円〜419万2,100円です。
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※価格は支払総額
■5代目セレナは2016年8月に登場
当初のグレード構成は、2.0Lガソリンの「B」と「S」に、S-ハイブリッドの「X」と「G」という4種類を基本に、人気のハイウェイスターにはハイブリッドを搭載した標準の「ハイウェイスター」と上級グレードとなる「ハイウェイスター G」を用意。
同時に、オーテックによるカスタムモデル「ライダー」や福祉車両も設定されました。
最近のモデルでは標準装備となってきているLEDヘッドランプは、上級グレードの「G」に標準装備。
それ以外はオプションで(エントリーグレードの「B」ではオプションでも選択不可)設定されていました。
また、両手がふさがっているときに重宝するハンズフリーオートスライドドアは、「ハイウェイスター G」に標準装備、「ハイウェイスター」にはオプション設定されたものの、その他グレードでは装着不可でした。
安全装備に関しては、エマージェンシーブレーキ+車線逸脱警報を全車に標準装備するほか、先進安全機能の踏み間違い防止アシストやインテリジェントパーキングアシスト、ふらつき警報、アラウンドビューモニター、そして自動運転技術のプロパイロットは、それぞれパッケージオプションでの用意です。
発売と同時に用意された特別仕様車“プロパイロットエディション”は、ハイウェイスターグレードにのみの設定でした。
■2017年5月、早くも特別仕様車「Vセレクション」を設定
特別仕様車「Vセレクション」は、「X」と「ハイウェイスター」グレードをベースに設定されたもので、「X Vセレクション」には2列目シートの横スライドなどによる多彩なシートアレンジやパーソナルテーブルなど、同乗者の利便性を向上させる“快適パック”と、ステアリングスイッチとGPSアンテナをセットした“日産オリジナルナビ取り付けパッケージ”、両側“ワンタッチオートスライドドア”を装備。
いっぽう「ハイウェイスター Vセレクション」には、「X」と同様の追加装備に加え、“LEDヘッドランプ”、“ハンズフリーオートスライドドア”、“16インチアルミホイール(2WDのみ)”を標準で装備したものした。
また同年11月には、ニスモ(NISMO)の技術力を投入した専用モデル「セレナ NISMO」も登場しています。
■待望のe-POWERは、2018年3月発売
2018年3月、ノートに搭載され高く評価されていたe-POWERが、セレナにも搭載されました。
走行は100%モーターで行い、1.2Lのガソリンエンジンは発電を行なうe-POWERは、モーターならではのなめらかで力強い走りと室内の静かさが特徴です。
アクセル操作だけで減速、停止が可能な「e-POWER Drive」はドライブによる疲れも軽減できますし、燃費もWLTCモードで18.0km/Lと経済的です。
モーター走行による新感覚の走りと高い燃費性能は、ミニバンの常識を打ち破り、新たな価値観を生み出したと言っても過言ではないでしょう。
グレードは、「e-POWER X」「e-POWER XV」「e-POWER ハイウェイスター」「e-POWER ハイウェイスターV」の4つ。
それぞれにe-POWERエンブレムをはじめフロントブルーグリル、15インチアルミホイール、リアサイドスポイラー、LEDリアコンビネーションランプといった専用パーツにくわえ、室内は2列目に専用のキャプテンシートを装備。
安全装備は、エマージェンシーブレーキ+車線逸脱警報を全車標準装備するほか、プロパイロット、インテリジェントアラウンドビューモニター、パーキングアシスト、インテリジェントルームミラー、踏み間違い衝突防止アシストは、「e-POWER XV」と「e-POWER ハイウェイスターV」にオプション設定されました。
■ガソリンおよびハイブリッド車の仕様向上(2018年9月)
2018年9月の改良では、おもに安全装備に関して充実が図られました。
すでにe-POWERで標準設定された“ハイビームアシスト”を、ガソリンおよびハイブリッド車にも追加設定。
加えて、最高速度標識検知および一時停止標識検知機能の追加に、踏み間違い衝突防止アシストには、歩行者検知機能が加わりました(e-POWERにはすでに搭載済)。
同時に、使い勝手のいいアイテムを装備した特別仕様車「Vセレクション」は、「VセレクションⅡ」へと進化しています。
■初のマイナーチェンジは、2019年8月
2018年度ミニバン販売ナンバーワンの余勢を駆って、2019年8月にマイナーチェンジを敢行。
フロントのダブルVモーショングリルをはじめスポーティな印象へと進化したエクステリアにくわえ、「全方位安全運転支援システム」を全車標準設定。
初採用の“アダプティブLEDヘッドライトシステム”をはじめ、“後側方衝突防止支援システム(インテリジェントBSI)”よ“後側方車両検知警報(BSW)”“後退時車両検知警報(RCTA)”を新設定したほか、“踏み間違い衝突防止アシスト”を標準順装備とするなど、安全装備の充実が図られました。
また特徴的なサンライズオレンジとダークメタルグレーがボディカラーの新色として追加。
全14色の設定となりました。
■一部仕様向上で商品力を強化(2020年8月)
2020年8月の仕様向上でガソリンエンジン車がカタログ落ちし、グレードは標準車がX」「XV」「G」、ハイウェイスターは「ハイウェイスター 」「ハイウェイスター V」「ハイウェイスター G」と、それぞれ3つとなりました。
仕様は「インテリジェント FCW(前方衝突予測警報)」が全車標準装備となり、安全機能をさらに強化。
さらに従来は一部グレードにオプション設定であったプロパイロットを「ハイウェイスター V」と「ハイウェイスター G」に標準装備されました。
■特別仕様車を選ぶという手もあり
セレナにも特別仕様車がいくつか設定されています。
特別仕様車は販売される台数や期間が限定されますが、充実した装備で買いやすい価格になるので、中古車で見つけることができれば良い買い物ができます。
まずは、デビューと同時にハイウェイスターに特別仕様車「プロパイロットエディション」と、エクステリアとインテリアをトータルコーディネートした「ライダー」を設定。
同年11月にはセレナ生誕25周年を記念し、プロパイロット、スマートルームミラー、LEDヘッドランプ、アラウンドビューモニターを装備した「25thスペシャルセレクション」を限定販売。
この「25thスペシャルセレクション」には、UV&IRカットフィルムとクリーンフィルタープレミアムがセットになったセット1,ETC2.0とリバース連動ドアミラーがセットのセット2、ミシュランスタッドレスタイヤが装着されたセット3がありました。
「X」と「ハイウェイスター」をベースに快適パックを標準装備した「Vセレクション」は2017年からの販売で、2018年9月のベース車両の仕様向上にともない「Vセレクション Ⅱ」にバージョンアップしました。
■おすすめはどのセレナ?
基本設計に変更はない5代目セレナですが、前述のように年式、グレードによって装備品に差があります。
そのなかでもいまなら、中古車市場で価格がこなれきた初期モデルに注目です。
なかでも、LEDヘッドランプやハンズフリーオートスライドドア、プロパイロットなどの機能が装備された「ハイウェイスター G」と「ハイウェイスター Vセレクション」、または特別仕様車の「プロパイロットエディション」や「25thスペシャルセレクション」が狙い目です。
ただし、いずれも限定モデルなので、中古車市場では争奪戦になること必至。
常日ごろからマーケットをウォッチするか、販売店に良質な中古車が出てきたら声がけしてくれるようお願いしておくと良いでしょう。
また最新の予防安全運転支援機能が欲しい方は、2019年8月のマイナーチェンジ以降がおすすめとなっています。