未使用車とは?どんなメリットがあるの?
2021.01.17
中古車を探していると、ときおり “登録済未使用車”という個体に出くわします。
走行距離はほんの数キロ〜数十キロで、室内外ともに新車と変わらない状態、なのに中古車として販売されている登録未使用車とは、どんなクルマなのか。この登録未使用車にはどんなメリットとデメリットがあるのかを解説しましょう。
■そもそも未使用車って、どんなクルマ?
未使用車=登録(届出)済未使用車です。
“登録(届出)済”、つまり車両としてすでに陸運局に登録されていて(=ナンバーが付いていて)、かつ「未使用」。
つまり個人・法人問わず、登録したけれど、一度も使用されていないクルマのことを言います。
ほとんどの場合、走行距離は数km〜数十km未満で、コンディションも新車と変わりません。ではなぜ、こうしたクルマが出てくるのでしょうか?
いくつか理由があるのですが、多いのは新車ディーラーが販売実績やノルマ達成のため、メーカーから仕入れたクルマを登録してナンバーを取得し、売り上げとして計上したというものです。
そのほかには、納車前にキズが付いてしまったため返品されたものや試乗車として用意されたものなどがあります。
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※価格は支払総額
■未使用車には、どれぐらいメリットがあるの?
未使用車は、すでに登録されている状態なので、車検の残りは日々減って行きます。お店は、そのクルマが不良在庫になる前に早めに売ってしまいたいので、少ない利益でも手放すことを考えます。
また、登録に必要な重量税や自賠責保険、リサイクル料といった諸費用の一部は、登録したディーラーによって納められおり、多くはこうした費用が含まれた価格が表示されています。
さらに“納期が早い”こともメリット。新車であれば注文してから納車まで、早くても1 ヶ月くらい、人気車であれば半年から1年かかることもありますが、未使用車の場合はすでに現車があるわけですから、名義変更程度の手続きで納車されます。
■未使用車を選ぶときの注意点は?
未使用車の価格は、新車価格より1割〜2割程度安く表記されていることが多いようですが、車庫登録など新しいオーナー個人に紐づく諸費用が発生することを覚えておきましょう。
また車種や時期、たとえば決算期などは、新車のほうが大きな値引きが期待できることもあります。
さらに新車であれば受けられるメーカー保証も、中古車扱いになる未使用車では、保証が引き継げないということがあります。 プラスアルファの費用(通常1〜3万円程度)を払って保証を継続する手続きをすることもできますが、そのぶん費用が上乗せされます。
■デメリットはないの?
未使用車はすでに登録されているクルマですから、次の車検までの期間が日々短くなっています。たとえば在庫として置かれた期間が1年であれば、最初の車検まで残り2年しかなくなってしまうということです。
またメーカーオプションやボディカラーなど、工場出荷時点でなければ選べない項目に自由度がありませんし、新車向けの補助金や減税制度がある場合は、未使用車(中古車と同じ扱い)に対して適用することはできません。
EVやPHEVなど、補助金の額が大きいモデルは特に、新車の見積書などと比較すると良いでしょう。
■いまならこんな車種の未使用車が探せる
ここでは、いくつの車種を取り上げて、実際に未使用車がやすいのかを検証します。※車両価格は2020年1月末に販売されていた未使用車のものです。
・トヨタ ハリアーの場合
(ハリアー G/車両価格:299万7,000円)
2020年に発売され、大人気のハリアーは、18インチアルミホイール、アダプティブ・ハイビームシステム、運転席パワーシート、パワーバックドアなど充実した装備のGグレードの、ガソリン 2WDの新車販売価格が341万円。
それが、エントリーグレードにあたるS(299万円)と新車と同等の予算で手に入れることが可能です。
・トヨタ ライズの場合
(ライズ Z/車両価格:197万9,000円)
17インチアルミホイール、アダプティブクルーズコントロール、レーンキープコントロールなどが標準装備となる最上級グレード、Z(2WD)の新車販売価格は206万円。
それに対して、バックカメラとステアリングスイッチが付く「ナビレディパッケージ(31,900円)」がオプションで装備されても197万9,000円と、実質10万円以上お得になっています。
・トヨタ ヴォクシー の場合
(ZS 煌Ⅲ 7人乗り(キャプテンシート)/車両価格:269万9,000円)
ヴォクシーの人気モデルであるZS 煌Ⅲ 7人乗り(ガソリン2WD)の新車販売価格は294万300円。
特別仕様車の煌Ⅲは、内外装の加飾が豪華になるだけでなく、両側パワースライドドア、リアオートエアコン、ナノイーなどが装備され、オプションでもこれ以上付ける必要がない、というくらい充実しています。
それに社外の10インチナビ(車種専用設計:参考価格約23万円)が装備されて、約270万円はかなりお買い得です。
・スズキ ジムニーの場合
(XC スズキセーフティサポート/車両価格:239万6000円)
いまだに人気での納車待ちが続いているスズキ ジムニーは、 未使用車のなかでは例外で、新車価格よりも高めの値段設定になっています。
これは、前述した納車待ちが続いていることが要因。軽のジムニー、リッタークラスのシエラともに、いまだの1年待ちと言われており、「そこまで待てない!早く欲しい!」という方にとって、すぐに納車できる未使用車は魅力ですが、人気が高く店頭に並ぶとすぐに売れてしまいます。
ボディカラーや装備など、ある程度の条件を緩めれば非常にお得な未使用車に出会えるかもしれません。 近くの販売店に希望の条件を伝えておけば、タイミングよく入荷した際に、その情報を仕入れることができるでしょう。これらの情報を活用して、お得にクルマを購入しましょう。