日本で買える、海外生まれの帰国子女SUV5選
2020.05.28
21世紀に入り、車両販売はグローバルな展開が求められるようになり、日本国内のみで販売されるドメスティックモデルは稀有な存在となっています。
SUVもその例にもれず、日本と同じスタイルの車両が海外でも販売されています。
そのなかで、日本メーカー製であるにもかかわらず、他国で開発・生産されて日本に輸入される帰国子女のようなモデルがあることを知っていますか?
ここでは、そんな海外生まれの国産SUVを紹介します。
■4代目スズキ エスクード
エスクードはもともと、ラダーフレームを持つ本格的なライトクロカンというカテゴリーで人気となったモデルでしたが、現在はモノコックフレームのクロスオーバーSUVとして世界的に販売されています。
2015年から販売されている4代目は、ハンガリーにあるスズキの製造子会社マジャールスズキで生産され、自社ブランドの輸入車として日本で販売されています。
コンパクトなボディにゆとりの室内空間を持つ優れたパッケージングに、欧州で鍛えられたしっかりした走りと、電子制御4WDシステムのALLGRIP(オールグリップ)による優れた走破性が魅力です。
ボディサイズは、全長4,175mm×全幅1,775mm×全高1,610mm、搭載されるエンジンはダウンサイジングの1.4L 直列4気筒直噴ガソリンターボとなっています。
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※価格は支払総額
■8代目トヨタ ハイラックス
2017年、13年ぶりに日本市場に復活して話題になったピックアップトラックが、トヨタ ハイラックスです。
現行モデルは、2015年にタイのバンコクで発表され、日本へはそのタイ工場で生産された車両が輸入されています。
初代から現在まで約50年間で、世界180以上の国や地域で、累計1,600万台以上を販売してきたハイラックスの現行モデルは、森林地帯のぬかるみ、荒れたオフロード、50℃を超える砂漠、冠水した生活道路など、過酷な条件下での使用を想定。人に優しい新たなタフさの実現を目指し、低燃費、疲れにくい乗り心地、静かな室内を実現しました。
ボディサイズは、全長5,335mm×全幅1,855mm×全高1,800mm。搭載されるエンジンは、2.4L 直列4気筒ディーゼルターボとなっています。
日本ではオーバースペックではないかと思えるほどのタフさやボディサイズですが、世界のあらゆる過酷な道で鍛えられた、本物の頼もしさを味わって見るのはいかがでしょうか。
■日産 デュアリス
日産のクロスオーバーSUVラインアップに、2007年に加わったモデルがエクストレイルよりもひと回り小さなデュアリスです。
エクストレイルがどちらかというとレジャーやオフロードでのタフな使い方をメインとしたコンセプトであるのに対し、デュアリスはオンロード主体のコンセプト。
スピードレンジが高く、石畳や荒れた舗装路でのロングドライブでも快適な味付けになるよう開発されています。
日本に導入されたモデルは、イギリスのサンダーランド工場で生産されたものでしたが、国内での反響が大きく安定した車両供給を実現するため、2007年の年末には国内工場での生産に切り替え。
イギリス生産は、2007年の初期モデルのみでした。
ボディサイズは、全長4,315mm×全幅1,780mm×全高1,615mm。
搭載されるエンジンは、2.0L 直列4気筒ガソリンとなっています。
■日産 スカイラインクロスオーバー
2007年に、北米や欧州で展開する日産のプレミアムブランド、インフィニティからスポーティなクロスオーバーSUV、EXが発表されました。
当初は日本国内の工場で行いながら国内では販売のない輸出専用モデルでしたが、SUVの人気が国内でも高まっていたため、2009年にスカイライン クロスオーバーという名前で販売が開始されました。
”ラグジュアリーなクーペとラグジュアリーなSUVの融合から生まれた新ジャンルのスカイライン”と呼ばれたスカイラインクロスオーバーは、243KW(330PS)の最高出力を誇る3.7L V6ガソリンエンジンに、マニュアルモード付7速AT、電子制御トルクスプリット四輪駆動システム アテーサE-TSも用意されるなど、高級GTカーのようなスペックが搭載されていました。
ボディサイズは、全長4,635mm×全幅1,800mm×全高1,575mm。
北米や欧州でのロングツーリングにも対応した力強い走りと高級感のあるインテリア(内装)が魅力でしたが、国内ではあまり人気が出ず2016年に販売中止となりました。
■三菱 トライトン
トライトンはタイで生産される三菱のピックアップトラックで、タイをはじめとするアセアン、オセアニア、中東、欧州、アフリカ、中南米で販売される世界戦略車です。
その初代が、2005年にタイで発表され、2006年から日本でも販売されていました。
ボディサイズは、全長4,995mm×全幅1,800mm×全高1,780mm。
新開発のラダーフレーム構造による堅牢な設計と、センターデフロック付のスーパーセレクト4WDによる高い走破性が魅力のトライトンですが、日本仕様は、3.5L V6ガソリンエンジンに4速AT、4ドアの1グレードのみという展開が足を引っ張ったのか、2011年には国内販売を終了してしまいます。
現在は2代目に進化して、三菱の新世代フロントデザインコンセプト ダイナミックシールドによるカッコイイデザインと、より高度な制御で高い悪路走破を実現する4WDシステム、先進の安全装備で世界的な人気を得ていますが、残念ながら日本での販売は見送られています。
海外の市場をメインに設計されたがために、デザインが奇抜だったり、乗り心地がやや硬めだったり、装備が簡素だったりと、日本市場をメインとするモデルとは異なる部分が魅力となる帰国子女モデル。
人とちょっと違ったSUVに乗りたいという方には、いろいろな意味で魅力のあるモデルといえそうです。