国内唯一のクロスオーバーワゴン、スバルのSUV
2020.02.02
スバルは、水平対向エンジンやシンメトリカルAWDなど、独自のエンジニアリングによってファンの多いメーカーであるいっぽう、古くからワゴンを作るのが上手いメーカーでもありました。
その歴史を紐解きながら、SUVとワゴンを融合させたレガシィ アウトバックについて解説します。
■スバル、ワゴン+4WDの歴史
1981年6月、2代目レオーネのマイナーチェンジが行われ、ラインアップにツーリングワゴンが追加されます。
ツーリングワゴンは、それまであったエステートバンよりも豪華な装備に、嵩上げしたルーフでレジャー向けに作られたものでした。
さらに同年11月には、オートマチックミッション車を追加。
翌1982年には、AT車にターボモデルを追加して、注目されることになりました。
1984年にレオーネが3代目に進化すると、ステーションワゴンも数ヶ月遅れでモデルチェンジを行います。
ひとまわり大きくなったボディに搭載される1.8L水平対向エンジンは、OHVからOHCへと進化。
MTの4WDシステムは、1986年にデフロック付きのフルタイム4WD化。
翌年には、ATの電子制御とともに、電子制御で前後輪のトルクを配分するACT-4(アクティブトルクスプリット4WD)が採用されました。
このツーリングワゴンの系譜は、1989年のレガシィの登場によって花開きます。
水平対向エンジンに、ビスカスカップリングLSDを備えたフルタイム4WDの組み合わせと、乗用ワゴン専用設計とされたツーリングワゴンの登場は、ステーションワゴンというジャンルを日本で定着させるきっかけとなりました。
その後も、1992年に登場したインプレッサにスポーツワゴンを用意するなど、4WD=クロスカントリーというイメージが強かったなか、ツーリングワゴンに4WDをドッキングさせることで、高い走行性能と走破性を持つクロスオーバーとする戦略は、スポーツワゴン・ツーリングワゴンのスバルという地位を不動のものとして行きます。
同時に1994年には、ツーリングワゴンの足を伸ばして車高を高めたアウトバックが北米でデビュー。
日本は1年遅れの1995年に、レガシィ グランドワゴンとして発売されます。
車高を200mmに引き上げ、ウールウェザータイヤを装着したことで、走破性を高めたレガシィ グランドワゴンのエンジンは、2.5Lの水平対向4気筒のみでした。
1998年、レガシィがモデルチェンジを行うとアウトバック(日本名ランカスター)もモデルチェンジを敢行。
機関におおきな変更はないものの、各部の熟成によって、走りの質を高めていました。
2003年には車名を世界的にアウトバックで統一。
エンジンは、前モデルの途中から用意された3.0L 水平対向6気筒と2.5L 水平対向4気筒の2種類でした。
4代目にあたるアウトバックが発売されるのは2009年。現行型は、その5代目にあたります。
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■かつては他メーカーにもクロスオーバーワゴンがあった
現在では、スバル一強となっているクロスオーバーワゴンの市場ですが、1990年代には、各メーカーが挙って挑戦していた市場でもあります。
日産 ステージア、トヨタ スプリンターカリブなど、それまでの商用ワゴンではなく、乗用車としてセダンに負けない走行性能を持ちながら、ユーティリティ性能に富んだワゴンモデルが存在していました。
しかしミニバンやSUVブームの波に押され、現在の市場規模は縮小傾向。
これにともない、多くのメーカーはワゴン市場から撤退をはかり、現在ではスバルだけが生き残った形となっています。
欧州メーカーでは人気のステーションワゴンも、日本メーカーでは長く続く車種は少なく、スバルのみが気を吐いている状態です。
■クロスオーバーワゴンの使い勝手の良さ
クロスオーバーワゴンの特徴は、多くのSUVの全高が軒並み1,700㎜を超えるなか、レガシィ アウトバックは1,605㎜、コンパクトSUVのXVにいたっては1,550㎜に抑えられ、すべての機械式駐車場に入庫することができるよう設定されています。
ワゴンというワクのなかで、その機能を追求してきたスバルのこだわりが、最大限に発揮されている一面です。
■磨きあげられた性能
シンメトリカルAWD、アイサイトは、スバルの代表的技術であり、日夜、技術革新が進められているシステムでもあります。
走破性能だけでなく、安全性能に寄与するシンメトリカルAWDは、さまざまな道を安定して駆け抜けることができる、スバル独自の技術です。 水平対向エンジンとAWDによるシンメトリカルAWDは、走破性能だけでなく、安全性能に寄与すると同時に、軽快なハンドリングと、快適なドライブを提供してくれます。
また衝突被害軽減ブレーキの先駆者であるアイサイトは、セーフティ性能に磨きをかけ、ぶつからないクルマの実現のため、より新しいパッケージへと姿を変えています。
ツーリングワゴンを進化させたクロスオーバーワゴンは、群雄割拠のSUV市場のなかにあって、光る存在として生き残っていくでしょう。
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