初代フォレスターはこれまでにないモデル、でもとても「スバルらしい」

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初代フォレスターはこれまでにないモデル、でもとても「スバルらしい」

2018.03.06

2018年は新型が登場すると言われているスバル・フォレスター。現在販売されているのは、4代目のSJ系ですが、初代となるSF系は1997年に発売開始されました。近年のスバルの快進撃の立役者と目されるフォレスターの歴史の1ページ目となる、この初代について見てみましょう。



ステーションワゴンでもなくクロスカントリービークルでもなく

スバル・フォレスターの初代となるSF系は1997年に発売開始されましたが、その姿は199511月に開催された東京モーターショーにおいて、コンセプトカーとして披露されています。ここで発表されたものは、名前こそスバル・ストリーガとされていましたが、そのスタイリングは、その後に発表されるSF系とほぼ同じものでした。


当時、ミドルサイズの乗用車と言えば、セダンとステーションワゴンがほとんどでした。一方で、雪山などのアウトドアを安心して走れるクルマというと、トヨタ・ランドクルーザーやメルセデスベンツ・ゲレンデヴァーゲンに代表されるような、本格的なクロスカントリービークルばかりで、価格的にもサイズ的にも一般消費者向きではありませんでした。今でこそほとんどの自動車メーカーで売れ筋となっているミドルサイズのSUVですが、意外なことに当時はほとんど見ることができなかったのです。


スバルは、高速道路からオフロードまであらゆる路面を走行することを考慮し、なおかつ一般消費者にも扱いやすいサイズ感のモデルとして、フォレスターを市場に投入したのです。



世界最速のSUV

初代フォレスターは1997年から2002年にかけて販売されることになります。インプレッサをベースにした車体に、スバルが誇る水平対向エンジンを搭載し、同じくスバルが得意とするシンメトリカルAWDを組み合わせるという、非常に気合の感じられる設計でした。


全長4450mm/全幅/1735mm/全高1580mmと、決して大きすぎることもなく、一方で乗員5人にじゅうぶんなスペースが提供される、ちょうどよいサイズでした。2リットルターボエンジンは、使用燃料こそハイオクでしたが、カタログ燃費は11.4km/hと健闘しています。価格も1997000円と、魅力的なものでした。


発売当初は、250馬力を発揮する2リットルターボエンジンのみの設定でしたが、19977月に2リットル自然吸気エンジンを追加しています。さらに、19989月の改良では、よりドライバビリティを高めた、2.5リットル自然吸気エンジンを搭載したモデルも発表されました。


フォレスターは、ターボエンジンと自然吸気エンジンのどちらのモデルにも、5MTが設定されていることからもわかるように、それまでの大型クロスカントリービークルとは異なる、運転する楽しみを兼ね備えるモデルでもあります。


実際、1996年には発売前のフォレスターが、24時間走り続けた際の速度の世界記録に挑戦し、平均速度180.82km/h、世界速度記録233.341km/hを達成し、「世界最速SUV」の称号を手にしています。


切り立ったフロントウィンドウや箱型のキャビンからなる無骨なデザインは、まさにオフロード車のそれですが、一方でオンロードでの走行性能も随一という非常にマルチな性能を持ったクルマ、それが初代フォレスターだったのです。


新型車、でも「とてもスバルらしいモデル」

その後、現在に至るまでフォレスターは国内外で大きな成功を収めることとなります。日本製のSUVとなったと言われているのはトヨタ・RAV4ですが、どことなく可愛らしいRAV4に対し、車体こそインプレッサベースではありますが、無骨なデザインと高い運動性能を備えた本格派という点がフォレスターの特徴と言えるでしょう。


その後欧州ブランドからもポルシェ・カイエンやBMWX3など、走行性能の高いSUVが登場することになりますが、フォレスターが影響を与えたことは確実です。


ちなみに、現在のスバルは、上述の水平対向エンジンやシンメトリカルAWDに加え、「アイサイト」に代表される世界最高レベルの安全性能を兼ね備えたブランドとしてその地位を高めていますが、この初代フォレスターでもスバルとしては初となるサイドエアバッグが搭載されるなど、安全面でも配慮がなされていることがわかります。


フォレスターが投入された市場は、トヨタ・RAV4やホンダ・CR-V、日産・エクストレイルなど競合車の多いカテゴリーへと成長しますが、そんな中でも現在に至るまでの確固としたポジションを築けているのは、初代フォレスターが新型モデルであるにもかかわらず、とても「スバルらしい」モデルだったからではないでしょうか。

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