ミニバン=シエンタとトールワゴン=ソリオ。どっちが便利?
2021.02.11
トヨタ シエンタは、子育て世代に大人気の小型ミニバンですが、2列シート5人乗り仕様も登場し、車中泊やアウトドアレジャーなど広い荷室を楽しめるクルマとしても人気です。
そうなると、トールワゴンタイプの普通乗用車「ソリオ」とどちらが使い勝手が良いのか、気になるところです。
ソリオは2020年12月に新型が登場したコンパクトハイトワゴンのスズキ ソリオと、多人数乗車も可能なコンパクトミニバンのトヨタ シエンタですが、シエンタには2列シート5人乗り仕様も登場し、車中泊やアウトドアレジャーなど広い荷室を楽しめるクルマとしても人気です。
そうなると、コンパクトな5人乗りモデル同士で、どちらが使い勝手が良いのか気になってきませんか?
そこで中古車購入を検討している方のために、先代ソリオ(3代目)とシエンタを比較しつつ、どちらが便利に使えるのか考えてみましょう。
■5人乗りから7人乗りまであるミニバン、シエンタ
現行型シエンタは2015年に発売されました。
ボディサイズは、全長4,235mm×全幅1,695mm×全高1,675mmで、狭い道路でも使いやすいコンパクトな5ナンバーサイズとなります。
もともと3列シート6人乗り/7人乗りのみの設定でしたが、2018年の改良で2列シート5人乗りの「FUNBASE」が追加され、たっぷり荷物を積んだレジャーや車中泊を楽しみたいユーザー層にも支持されるようになりました。
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※価格は支払総額
■コンパクトなサイズの5人乗り、ソリオ
2020年末に4代目がデビューしていま話題のスズキ ソリオは、2015年に3代目が発売されました。
もともと軽トールワゴンのワゴンRから派生した普通乗用車で、数少ないコンパクトハイトワゴンというジャンルに属するソリオのボディサイズは、全長3,710mm×全幅1,625mm×全高1,745mm。
街中での取り回しに優れたコンパクトなボディと、背が高くて広々とした室内空間が魅力のモデルです。
ヘッドランプと一体感のあるクロームメッキグリルやエアロ形状のバンパーなど、存在感のあるエクステリアも印象的です。
■どちらもハイブリッドに魅力あり
シエンタのエンジンは1.5L 直4ガソリンNAと、1.5Lハイブリッドシステムが用意されています。
ガソリン(2WD)は、最高出力80kW(109ps)/6,000rpm/最大トルク136Nm(13.9kgm)/4,400rpm、ハイブリッドはシステム最高出力73kW(100ps)で、駆動方式はガソリン車が2WDと4WD、ハイブリッドは2WDとなります。
気になる燃費(JC08モード)は、ガソリンが20.8km/L(2WD)と15.2km/L、ハイブリッドは28.8km/Lです。
対するソリオはデビュー当時、1.2L 直4ガソリンNAとマイルドハイブリッドの2種類が用意されていましたが、2016年には発電機能付き駆動用モーター(MGU)とオートギアシフト(AGS)を組み合わせた新開発のパラレル式ハイブリッドが採用され、こちらがソリオのメインユニットとなっています。
エンジンの最高出力は67kW(91ps)/6,000rpm、最大トルクは118Nm(12.0kgm)/4,400rpm、それに最高出力2.3kW(3.1ps)/1,000rpm、最大トルク50Nm(5.1kgm)/100rpmのモーターを組み合わせています。
駆動方式は2WDと4WDが用意されています。
燃費(JC08モード)は、ガソリン(2WD)が 24.8km/L、ハイブリッド(2WD)が27.8km/Lとなっています。
■全長が長いぶんだけシエンタが有利な室内
シエンタは、フラットフロアと低床化により、優れた乗降性と広々とした室内空間を実現しています。
室内寸法は室内長2,535mm×室内幅1,470mm×室内高1,280mm。
シートバックを薄型化し、2列目シートは105mmのシートスライドと最大36度のリクライニングが可能で、後席でもゆったりとくつろぐことができます。
乗車定員の設定は、3列シートの7人乗りと6人乗り、2列シート5人乗り(FUNBASE)の3種類。
6人乗りの場合は、2列目の座席中央に収納スペースとアームレストがあり、さながら”キャプテンシート”のようにくつろぐことができる仕様となっていますが、2018年の改良で6人乗りは4WDモデルのみの設定となっています。
対するソリオは、コンパクトハイトワゴンというスタイルに、5人乗りと割り切ったパッケージによる広々とした居住性が魅力です。
室内寸法は、室内長2,515mm×室内幅1,420mm×室内高1,360mmで、後席シートスライドはもちろん、最大56度までの角度調節ができるリクライニング機構、後席センターアームレストがあり、背の高い大人が乗っても足を組めるほど広々としています。
■シートアレンジで頑張るソリオ
シエンタの3列目シートはダイブイン機能で収納することができ、3列目を使用していないときは荷室として活用することができるほか、2列目シートをタンブルさせることで、フラットで大きな荷室が現れます。
さらに2列目シートを使用した状態で荷室にベビーカーを折りたたまずに収納したり、2列目シートを片方だけ格納して長さのある荷物を積載するというアレンジも可能です。
5人乗り仕様のFUNBASEの場合は、2列目がタンブルではなくチルトダウン収納となり、最大荷室長を2,065mmも確保できる大空間を生み出せます。
26インチの自転車を無理なく積んだり、車中泊にも使えます。
さらにラゲッジスペースの床下収納「デッキアンダートレイ」が備わり、濡れた荷物などの収納にも便利です。
ソリオの場合、全長の短さゆえ標準状態での荷室スペースはそれほど広くありませんが、後席チルトダウン収納により、大きな荷物も積むことを可能としています。
またハイトワゴンの特徴を活かして、背の高い荷物もゆとりを持って積むことができます。
前席は座面をポップアップさせてシートバックを倒し、荷室とのフラットな状態を作り出すことが可能(完全なフラットではありません)ですから、運転席と後部座席に縦に一列で乗車し、サーフボードなどの長い荷物を積載するというアレンジも可能です。
■レーザーレーダー+カメラのシエンタとステレオカメラのソリオ
シエンタには、レーザーレーダー+単眼カメラ方式による先進安全装備「Toyota Safety Sense」が設定されています。
衝突被害軽減ブレーキ、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームの3つが基本機能となり、発売当初は全車にメーカーオプションとなっていました。
2018年の改良で安全機能が強化され、衝突被害軽減ブレーキは昼間の歩行者検知機能が追加され、エントリーグレード以外には標準装備となりました。
またペダル踏み間違いや踏み過ぎで起こる衝突被害を軽減する「インテリジェントクリアランスソナー」が新しく設定されています。
ソリオは発売当時、ステレオカメラ方式によるデュアルカメラブレーキサポート、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能などをオプション設定(エントリーグレード以外)していました。
こちらも2018年に安全機能を強化。
衝突被害軽減ブレーキは夜間の歩行者も検知する機能が付き、アダプティブクルーズコントロール、ハイビームアシスト、後退時ブレーキアシスト、後方誤発進抑制機能、リアパーキングセンサーなどが追加され、上位グレードに標準装備(エントリーグレードはメーカーオプション)となりました。
総合性能で考えると、シエンタがやや有利ですが、中古車相場は、シエンタの約70-250万円に対し、ソリオは約60-200万円と安価傾向にあるので、多人数乗車を考えない方や、街乗りと買い物が主という方にはソリオがおすすめと言えるでしょう。