ポルシェ初のSUV、カイエンってどんなクルマ?
2019.09.18
ポルシェ初のプレミアムSUVとして、誕生以来進化を続けてきたカイエン。現在は911とともにポルシェを代表する人気モデルになりました。現行型の3代目では、プラグインハイブリッドやクーペモデルを追加して商品力をアップして、地歩を固めにきています。そんなカイエンの魅力をあらためておさらいしてみましょう。
※画像は2010年3月モデルです。
2002年に登場
2002年、それまで911をはじめとしたスポーツカーに特化してきたポルシェが、ブランド初のSUVを製作。それがカイエンでした。
フォルクスワーゲンと共同で開発され、トゥアレグとプラットフォームやシャシーを共用しながらも内外装のデザインやクオリティで差別化。カイエンはスポーツカーテイストを色濃く残しているのが特長です。
発売当初は、V型8気筒エンジンをフロントに搭載したカイエンSとカイエン ターボの2グレードで、のちにV型6気筒エンジンを搭載したカイエン(ベースグレード)が追加ラインナップされています。
それまで高級SUVといえばレンジローバーの独壇場でしたが、2000年に発売されたBMW X5を皮切りにヨーロッパの自動車メーカーが続々とプレミアムSUVの生産に着手。なかでもカイエンは、あのポルシェが手がける初の高級SUVとして話題を集めました。
911のスタイリングテイストを取り込んだデザイン、これまでのSUVとは一線を画す高級感あふれるインテリア、そして優れた運動性能をもち、カイエン ターボの0-100km/h加速はわずか5.6秒と、2.5t近い車重を感じさせないほどの数値を記録しています(公称値)。
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※価格は支払総額
現行モデルは3代目
2010年のジュネーブショーでアンベールされた2代目カイエンは、キープコンセプトのデザインとしながらもボディを拡大。同時に、軽量化にも成功しています。
2代目は発売当初からカイエン、カイエンS、カイエン ターボの3グレードをラインナップし、ベースグレードには初代同様にMT車も用意され、ATは6速ATから8速ティプトロニックSに変更。この2代目は2017年まで生産されます。
現行型となる3代目は全面的改良が施され、これまでよりも優れた性能と実用性を生み出しています。
大きなところでは、カイエンでは初となる前後サイズの異なるミックスタイヤと、リヤアクスルステアリングの採用。さらに標準装備となったアクティブ制御の4WDシステム、ポルシェ4Dシャシーコントロール、3チャンバーエアサスペンション、そして電子制御ロール安定化システムのPDDC(ポルシェダイナミックシャシーコントロールシステム)など、オンロード性能が大幅に進化しました。
車重は約65kgも軽量化され、オンオフ問わず優れた動力性能を生み出します。
フロントマスクの印象的なヘッドライトには新たに3段階のライティングコンセプトを提供し、全モデルにLEDヘッドライトを標準で装備。
トップエンドモデルでは84個の個別に作動する発光ダイオードによって完全可変の配光と光強度が可能となるマトリックスビーム付きLEDヘッドライトも用意されています。
この3代目カイエンはベースグレードのカイエンSが最初に発売され、のちに4.0L V型8気筒に2基のターボチャージャーを備えたカイエン ターボが追加でラインナップされています。
派生モデルについて
2019年には、リアに向かって下がるルーフラインが特徴のカイエン クーペが登場。カイエンよりも低いフロントウインドウとAピラーは、約20mm下がったルーフエッジと見事にマッチしています。
ルーフラインとともにリデザインされたリアドアとフェンダーによって、リアのトレッドは18mmワイド化。リアのナンバープレートはハッチゲートからバンパーに移動し、ロー&ワイドな印象を強めました。
またターボモデルにはアクティブルーフスポイラーが装着され、90km/hを超えると135mmにまで展開。リアアクスルの接地圧を高め、空力性能を向上させています。
ルーフは固定式のパノラマガラスルーフが標準装備されますが、オプションでカーボンルーフを選択することが可能。カーボンルーフは911GT3RSと同じく中央が窪んだダブルバブルデザインで、空力に貢献しています。
インテリアは独立4座の広々とした空間で、リアシートはカイエンよりも30mm低くセットすることで、ヘッドクリアランスを確保しました。
グレードは、2019年8月末の時点で、ベースグレードのほかにカイエン S クーペとカイエン ターボ クーペが用意されるほか、2種類のプラグインハイブリッド(カイエン E ハイブリッド クーペとカイエン ターボ S E ハイブリッド クーペ/ともに車両価格未定)が追加される予定です。
上級モデルのターボ S E ハイブリッドでは、4.0L V型8気筒エンジンに電気モーターを組み合わせシステム出力500kW(680PS)を発生。モーターのみでは最高速度135km/h、最大40kmまで走行することができるようになっています。
3代目となりさらにスポーツカーテイストを増したポルシェ カイエン。数多のプレミアムSUVが存在するなかで、ポルシェのつくるSUVは明らかに一線を画していました。見た目も走りもクオリティも満足させてくれる高級SUVとして、ほかのモデルにはない多くの魅力がカイエンには詰め込まれています。
- ■諸元表
- カイエン
- 全長×全幅×全高:4,918mm×1,983mm × 1,696mm
- ホイールベース:2,895mm
- 車重:1,985kg
- 駆動方式:4輪駆動
- エンジン:3.0L V型6気筒
- トランスミッション:8速ティプロトニックS
- 最高出力:340PS(250kW)/5,300-6,400rpm
- 最大トルク:450Nm(45.9kgm)/1,340-5,300rpm
- タイヤ:(前)255-55ZR19/(後)275-50ZR19
- 燃費(10/10・15モード):----km/L
- 価格:10,120,000円〜