オフロードに強いSUVの条件とは?
2020.07.26
クロスオーバーSUVの流行で、悪路にも強いクロカンから、街乗り主体のFFモデルまでが、SUVというワードでくくられ紹介さているため、はたして自分の選ぶ(選んだ)クルマは、ハードなシーンに持ち込んでも大丈夫だろうか?と不安になるかもしれません。
そこで、オフロードに強いSUVついて、特徴と見極め方について考えてみました。
■普通のキャンプ場程度なら4WDを選べば問題なし
キャンプ場など、アウトドアであってもある程度設備が整えられたレジャー施設に行くための道は、きちんと整備されていることがほとんどでしょう。
舗装されていない部分を走行するとしても、細かな砂利道や固められた土、山道を登って行く場合でもそれほど荒れていません。
SUVはもともと普通乗用車よりも最低地上高を高く作ってあるので、そういった場所に多く見られる小さな凸凹なら、床下をすることもなく走行することができます。
とはいえ雨の日やその直後、雪の日などは、滑りやすくなっていますので、4WDモデルを選んでおけば問題ないでしょう。
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■ガチのガレ地を走るなら、これぐらいのスペックが欲しい
より本格的なオフロード走行、たとえばガレ地や路面のうねりが大きなところを走りたい場合は、駆動力というよりも最低地上高をまず気にしたいものです。
最低地上高とは、地面から車体の一番低いところまでの高さのことで、数値が大きければ大きいほど、障害物とボディが干渉しにくくなり、駆動力を確保しやすくなります。
目安は、最低地上高が200mm以上。これで、国内ならほとんどの悪路に対応できます。
さらに、クルマの性能を示す数値に”アプローチアングル/ランプブレークオーバーアングル/デパーチャーアングル”というものがあります。
これらは、簡単に言うとどのくらいの角度の障害物であれば、路面とボディが干渉しないで乗り越えられるかを示す数値です。
オフロード性能を重視するモデルであればこの数値がカタログに記載されているので、この記載の有無がオフロードに強いSUVであるかどうかを判断する基準となります。
また、エンジン出力をコントロールしてくれるトラクションコントロールや、下り坂を一定の速度で走行するようブレーキ制御をしてくれるヒルディセントコントロールなどが装備されていれば、より安全に悪路を走破することができます。
■よりタフなモデルを選ぶならラダーフレーム
一般の乗用車やクロスオーバーSUVのほとんどは、モノコック構造を採用しています。
これは構成しているパーツそのもので強度を出す、いわゆるボディそのもので衝撃を受け止め、吸収する設計になっています。
ボディに直接駆動系を取り付けることができるため、生産工程が少なく、コスト面でのメリットと、車両重量軽減というメリットがあります。
一方ラダーフレーム構造は、ラダー(はしご型)フレームに、ボディ、エンジン、駆動系を取り付けるという構造です。
ラダーフレームはその構造上、オフロードでの激しい走行にも耐えられるのが最大のメリットです。
また骨格とボディ、駆動系が別々になっているので、大きなクラッシュや転倒があってボディが凹んでも、メインフレームに歪みがなければ走行可能なことがほとんど。
このため、本格的なオフロード走行の愛好家は、ラダーフレーム構造にこだわったクルマ選びをする方が多いのです。
■ラダーフレーム搭載モデルには、なにがある?
・スズキ ジムニー
1970年に登場したジムニーは、軽自動車のクロカンモデルとして初代からラダーフレームを搭載してきました。
2018年に登場した4代目は、剛性を高めた新開発のラダーフレームに、トランスファー(副変速機)を備えたシンプルなパートタイム4WD、スタック脱出時に役立つブレーキLSDトラクションコントロール、坂道発進時に役立つヒルホールドコントロール、急な下り坂を安全に走行できるヒルディセントコントロールなど、本格的なオフロード走行を支える先進の装備が充実しています。
・トヨタ ランドクルーザー
ランドクルーザーは、世界でもっとも有名な本格クロカン4WDといっても良いでしょう。
1951年に誕生したトヨタ ジープBJ型をルーツに、以来世界中の過酷な道路を走り、人々の生活を支えてきました。
2007年に誕生した現行型の200系は、豪華な内装と最新のオフロード技術を味わえる本格的なSUVです。
トラクションやブレーキを最適に制御して4WD性能をさらに高めるマルチテレインセレクトや、ステアリング操作のみで極低速走行が可能なクロールコントロール、走行状況に合わせて車高を調整できるアクティブ・ハイト・コントロールなど、高級モデルならではの装備が満載です。
・ジープ ラングラー ジープ
ラングラーは、1987年から販売されているラダーフレーム搭載のSUVですが、そのルーツは1941年の軍用モデルと歴史は古く、7スロットグリルや丸目のヘッドライトなど、その成り立ちを感じるデザインコンセプトのまま、2018年登場の現行型にも引き継がれています。
前後のデフロックや車両底部を保護するスキッドプレートといった装備や、高いアーティキュレーション(接地性)によるトラクション確保など、基本性能の部分で本格的なオフロード性能を高める設計がなされているのが特徴です。
・メルセデス ・ベンツ Gクラス
もともと軍用車両として開発されたゲレンデヴァーゲンを民生用としてアレンジし、1979年に登場したのがGクラスです。
現行型は、2018年に登場したW463型であり、技術の進歩と時代に合わせてデザインや装備の変更がなされたものの、ラダーフレーム搭載の基本的な設計は変わっていません。
最新モデルには、430kW(585PS)のビッグパワーを発生する4.0L V8ツインターボエンジンを搭載したAMG G63もラインアップされ、オフロードだけでなくオンロードでもスーパーカー並のパフォーマンスを見せる、唯一無二の存在です。
どの自動車メーカーにもさまざまなSUVがラインアップされています。
道なき道をぜひSUVで走ってみたい!という方は、今回取り上げた特徴をぜひ参考にしてみてください。
ただし、ハードなオフロード走行をする際にはかならず2台以上で、天候にも注意しながら安全第一で楽しみましょう!