ヴォクシーとステップワゴンスパーダ。よりクールなのはどっちだ?
2021.03.16
子育て世代や大家族から圧倒的な支持を得ているミドルクラスミニバンのなかでも、比較的若い世代から支持されているのが、エアロパーツをまとったクール系のモデルです。
どんなミニバンであってもかならずラインアップされるほど人気の高いクール系ミニバンのなかで、人気を二分するトヨタ ヴォクシーとホンダ ステップワゴンスパーダ。
その2台をピックアップして、比較していきましょう。
■ミニバン3兄弟のなかでも大人気のヴォクシー
トヨタのミニバン3兄弟、ノア、ヴォクシー、エスクァイアのなかで、もっとも売れているヴォクシー。
現行型は2014年に発売され、2.0Lクラスミニバン初の本格ハイブリッドを導入したことが話題となりました。
フロントビューは薄いアッパー部と分厚いフロアまわりの構成に、グリルと連続した黒く薄いランプ配置で、安定感のあるスクエアな立体感と、鋭い目つきの毒気ある表情が魅力です。
2017年7月に実施されたマイナーチェンジでは、Bi-Beam LEDヘッドランプと面発光のLEDクリアランスランプに、新しい意匠にリアコンビネーションランプやバックドアガーニッシュによって、先進性と精悍さが高められました。
2021年3月の中古車相場は約100〜350万円です。
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※価格は支払総額
■わくわくゲートが魅力。現行型ステップワゴンスパーダ
ホンダ ステップワゴンの5代目にあたる現行型ステップワゴン/ステップワゴンスパーダは、2015年に発売されました。
縦にも横にも開くテールゲート「わくわくゲート」の採用や、ファッション性だけではない空力性能を備えたエアロパーツなど、機能的な装備が特徴となっています。
もともとスタイリッシュな印象のステップワゴンに、アグレッシブさを全面に押し出したフロントマスクでクールに仕上げたモデルがステップワゴンスパーダです。
2017年9月のマイナーチェンジでは、LEDヘッドライトのデザインを刷新。
メッキ部分が大きくより存在感を増したフロントグリルと一体感のあるデザインとすることにより、さらにダイナミックで先進的なイメージが強くなりました。
2021年3月の中古車相場は、約150〜370万円となっています。
■居住空間が広いステップワゴンスパーダ
ステップワゴンスパーダには、シンプルな造形ながら上質さを表現したインパネが採用されています。
水平基調で安定感のあるロアボードの上に、薄くワイドなアッパーボードがフローティングする構成で、落ち着きのある伸びやかさを表現しています。
室内寸法は、室内長3,220mm、室内幅1,500mm、室内高1,425mm。
2列目シートは、キャプテンシート(7人乗り)もしくはベンチシート (8人乗り)。
3列目シートは分割床下格納式で、「わくわくゲート」のサブドアからの乗り降りを容易にしています。
いっぽうヴォクシーのインパネは、両端部をドアトリムに食い込ませる造形にすることでワイド感を強調したデザインとなっています。
メーターフードはドライバー前に低く配置することで、見晴らしの良さを実現しました。
室内寸法は、室内長2,930mm、室内幅1,540mm、室内高1,400mmという数値で、ステップワゴンスパーダにくらべ、若干室内長が短くなっています。
ただし、2列目キャプテンシート仕様(7人乗り)を選んだ場合、前後に810mmの超ロングスライドが可能でそのぶんの窮屈さを解消しています。
また2列目に6:4分割チップアップシート(8人乗り)を選んだ場合でも、座面を跳ね上げて前方に580mmスライドさせることで、3列目シートへの乗降性を高めたり、長尺物の積載も簡単にしています。
■ユーティリティの工夫で室内を広く使えるヴォクシー
ヴォクシーの3列目シートは跳ね上げ式となるため、大きな荷物を積みたいときにやや幅が狭いと感じるかもしれません。
とはいえ、2列目シートを使用した状態でも荷室長は1,000mmを確保しており(8人乗りの場合は1,020mm)、十分な広さがあります。
また、8人乗り仕様の場合は2列目シートの座面がチップアップしますので、1,770mmの広々とした荷室長を確保することができます。
3列目シートの跳ね上げは、レバーでロックを解除するだけで、女性でも簡単に操作することができます。
ステップワゴンスパーダは、2列目シートまでフル乗車の状態でも、80Lのスーツケース3個、63Lのスーツケースを2個積むことができます。
また3列目シートが床下に格納されるので、大きな荷物を積みたいときに使いやすく感じるでしょう。
さらに縦にも横にも開く「わくわくゲート」は、車両後方が狭いときやちょっとしたものを積む時、リアゲートから乗り降りしたい時など、ミニバンの使い勝手を広げてくれる便利です。
■動力性能は互角の勝負
ヴォクシーは発売当初からガソリンモデルとハイブリッドモデルが用意されています。
2.0L 直4ガソリンエンジンの最高出力は112kW(152ps)/6,100rpm、最大トルクは193Nm(19.7kgm)/3,800rpmで、WLTCモード燃費は13.2km/L(2WD)となります。
定評のある1.8Lハイブリッドモデルのシステム最高出力は100kW(136ps)で、WLTCモード燃費は19.0km/Lとなっています。
対するステップワゴンスパーダに用意されるパワーユニットは、ダウンサイジングの1.5L 直4VTECターボで、最高出力は110kW(150ps)/5,500rpm、最大トルクは203Nm(20.7kgm)/1,600-5,000rpmで、WLTCモード燃費は13.6km/L(2WD)というスペックです。
2017年に実施されたマイナーチェンジでハイブリッドモデルが追加され、こちらは2.0Lガソリンエンジン+モーターという組み合わせになります。
エンジンの最高出力は107kW(145ps)/6,200rpm、最大トルクは175Nm(17.8kgm)/4,000rpm、走行用モーターの最高出力は135kW(184ps)/5,000-6,000rpm、最大トルクは315Nm(32.1kgm)/0-2,000rpmで、WLTCモード燃費は20.0km/Lというスペックです。
数値ではほぼ互角の2台ですが、毎年納める自動車税では、1.5Lのステップワゴンスパーダが有利です。
■安全装備を気にするならMC後モデルが狙い目
ステップワゴンスパーダには、ホンダの先進安全運転支援技術「Honda SENSING」が搭載されています。
システムはミリ波レーダーと単眼カメラによる検知で作動し、衝突被害軽減ブレーキ、レーンキープアシスト、アダプティブ・クルーズ・コントロール、路外逸脱抑制機能、誤発進抑制機能、標識認識機能を搭載しています。
発売当初はオプション設定でしたが、2016年の一部改良時、スパーダには標準装備となりました。
現行型ヴォクシーは、発売当初ドライブスタートコントロール、オートマチックハイビーム、自動防眩インナーミラー、緊急ブレーキシグナル、VSCといった比較的オーソドックスな安全機能が設定されていました。
2016年の改良時に、レーザーレーダーと単眼カメラによる検知で動作する先進安全運転支援技術「Toyota Safety Sense C」が初めて採用され、衝突被害軽減ブレーキやレーンキープアシストなどが搭載されるようになっています。
ステップワゴンスパーダは、上質感のあるインテリアや「わくわくゲート」の使い勝手の良さにメリットを感じる方に、ヴォクシーは毒気のあるアグレッシブなエクステリアやスライドシートの利便性、信頼性の高いトヨタのハイブリッドシステムが欲しいという方におすすめとなります。