マツダCX-5 25T Lパッケージ試乗インプレ

スカイアクティブテクノロジーと鼓動デザインを採用し、2012年に初登場したマツダ CX-5は、約120ヶ国で販売される基幹モデルに成長。2016年12月にはフルモデルチェンジを行い、現行型へと進化しています。

鼓動デザインによる艶やかな佇まいと快適な室内

現行型CX-5の外観デザインは、クルマの重心を下げ、4輪がしっかりと地面を掴むプロポーションとし、精悍かつ堂々とした佇まいを作り出しています。またフロントからリアに貫く大きな動きでスピード感を表現するとともに、随所に彫りの深いディテールを取り入れることで、大人の感性を刺激する艶やかさを実現しました。

モデルチェンジごとにボディサイズが拡大する傾向のなか、先代とほぼ同じサイズをキープしたこともポイントです。

インテリアは、心地よい緊張感と安心感をドライバーに与える空間、剛性感と上質さを感じるフォルム、仕立ての良さがわかる質感にこだわりました。

とくに空間は、ドライバーを中心に操作機器や計器類を左右対称に配置したコクピットデザインを採用。ハンドルの中心からインストルメントパネル加飾、左右の空調吹き出し口へと連なる要素の配置と、ドアトリム加飾も水平基調の造形とすることで、ドライバーとの一体感を高め、運転に集中できる空間を作り上げています。

またインストルメントパネルやドアトリムなど人の手が直接触れる部分は、素材を吟味して触感にもこだわりました。さらに、人間中心の設計を突き詰め、すべての乗員がドライブをゆったりと楽しめるパッケージングとされています。

2.2Lディーゼルに匹敵する高トルクの2.5Lターボ

現行型の搭載エンジンは、4種類です。当初から用意された、2.0Lと2.5Lの自然吸気ガソリンエンジンと、2.2Lのディーゼルターボエンジンは、2018年2月に商品改良。

さらに同年10月に、2.5Lのガソリンターボエンジンが追加されました。その中から、今回は、2.5Lターボの25T Lパッケージ(4WD)に試乗しました。

国内では初めての導入となった2.5L直列4気筒ガソリンターボエンジンのスペックは、最高出力169kW(230ps)、最大トルクは420Nmをそれぞれ発生。2.2Lディーゼルターボと比べると、最高出力で40ps上回り、最大トルクは10Nm下回っています。

そのフィーリングは、とにかく軽快。ガソリンターボらしく、軽くエンジン回転が上がっていき加速していきます。ディーゼルの太いトルクで引っ張る感じとは明らかに異なります。

ただターボエンジンですが、従来のターボらしいドーンという加速フィーリングではなく低回転域からスムーズに高回転まで回る感じで、言われなければ、自然吸気エンジンと勘違いしてしまうほどのスムーズさが特徴です。

燃費は、JC08モードで12.2〜12.6km/L。このクラスのエンジンとしては、まずまずの数字です。

電子制御が乗り心地とハンドリングを進化させた

サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式、リアがマルチリンク式です。

2018年10月以降のCX-5に装着されるG-ベクタリングコントロールプラスは、ドライバーのハンドル操作をセンシングして、それに応じてエンジンの駆動トルクを変化させることで、これまで別々に制御されていた車両の横方向と縦方向のGを統合的にコントロールし、4輪の接地荷重を最適化するG-ベクタリングコントロールが進化したもの。

これまでのハンドルを切った際の制御に加えて、ハンドルを戻す際の制御も行うようになり、高速道路での車線変更時や滑りやすい路面での車両挙動を安定させます。

乗り味は、サスペンションのダンパーのメーカーが変わったこともあり、やや硬め。安定性は非常に高いのですが、路面からの入力は大きめとなっています。

ライフスタイルに合った1台を選ぼう

2.5Lターボを搭載したCX-5は、SUVらしからぬ軽快さが魅力ですが、4WDモデルということもあって経済性というポイントから見れば、クリーンディーゼルのXDや、2.0に軍配があがります。いずれも優れたパッケージングに、高い安全性能を持っていることに変わりはないので、自身のライフスタイルに合った1台を選んでください。