カイエンとマカンの違いは?
2019.09.21
数多あるクロスオーバーSUVのなかでも、ポルシェが世に送り出している、カイエンとマカンには特別な存在感があります。両車の大きな違いは、おもにボディサイズとパワートレインですが、本記事ではさらに詳しく解説します。
※画像はカイエンが2010年3月モデル、マカンが2014年4月モデルです。
それぞれどんなクルマ?
2000年、BMWがX5を市場に投入したことにで、活気づくことになったプレミアムSUV市場に、満を持してポルシェが送り込んだモデルが、2002年デビューのカイエンでした。
スポーツカーメーカーである、ポルシェのアイデンティティとプライドを損なうことなく、衝撃的なデビューをはたしたカイエンは、ハイパフォーマンスSUVという新しいジャンルを築き、SUVブームを牽引する1台となりました。
当初は、もともとスポーツカーメーカーだったポルシェが作るSUVに懐疑的な意見も多かったのですが、そういったネガテイブな要素を跳ね除けて、カイエンはポルシェの屋台骨となるまでに成長。2014年には、よりコンパクトなマカンまで投入することになりました。
カイエンもマカンも、クロスオーバーSUVでありながらひと目でポルシェと分かる特徴的なデザインと、高い走行性能が魅力のモデルです。
PRこの記事に関連するクルマ
※価格は支払総額
ボディサイズを比較
カイエンのボディサイズ、全長×全幅×全高:4,920mm×1,985mm×1,695mm(ベースグレード)は、トヨタ ランドクルーザー200とほぼ同じ(全高は175mmカイエンのほうが低い)で、堂々としたサイズです。
いっぽうマカンは、全長×全幅×全高:4,696mm×1,923mm×1,624mmとコンパクト。ですが、全幅が1,900mm以上あるため、近くで見ると意外と大きく感じます。
ラインナップを比較
2019年9月1日現在、日本で販売されているカイエンには以下のグレードがあります。
・カイエン(ベースグレード:1012万円)
・カイエンE-ハイブリッド(1216万円)
・カイエンS(1330万円)
・カイエン ターボ(1902万円)
ベースグレードのカイエンとカイエンSでは装備にほとんど違いはありませんが、パワーユニットの出力はカイエンSが上回り、0-100km/h加速や最高速度の点で優れています。
E-ハイブリッドは、電気モーターを搭載したプラグインハイブリッド。
カイエン ターボは、ポルシェSUVのフラッグシップとして、もっとも高い性能が魅力。オプションのスポーツクロノパッケージ装着車は、0-100km/h加速が3.9秒、最高速度は286km/hと、スポーツカー顔負けのパフォーマンスです。
マカンは、
・マカン(ベースグレード:699万円)
・マカンS(859万円)
というグレード構成。
こちらも、グレードはパワーユニットの違いとなり、マカンSのほうがより高いパフォーマンスを発揮します。
パワートレインを比較
カイエンに搭載されるパワーユニットは、2種類のV6とV8の3つがベースになっています。
まずカイエンとカイエンSですが、ともにV6エンジンを搭載するものの、カイエンにはE-ハイブリッドも採用する最高出力250kW(340PS)を発生する3.0L V6シングルターボ。カイエンSは、324kW(440PS)を発生する2.9L V6ツインターボエンジンと異なります。
E-ハイブリッドは、前述の3.0L V6ターボエンジンに100kW(136PS)の出力を発生するモーターを組み合わせたパワーユニットが搭載され、フル充電ではモーターのみで最長44kmの走行が可能。最高速は135km/hに達します。
フラッグシップのカイエンターボには、404kW(550PS)を発生する4.0L V8ツインターボが搭載されます。
マカンは、直4とV6の2種類で、ベースグレードに搭載されるのは185kW(252PS)を発生する2.0L直4シングルターボ、マカンSに260kW(354PS)を発生する3.0L V6シングルターボとなります。
それぞれに組み合わせられるミッションは、カイエンのトルクコンバーター式ATの「ティプトロニックS」、マカンは「PDK」となります。PDKとは911にも搭載される本格的なデュアルクラッチ式ATで、その変速動作は100分の数秒以内に完了すると言われています。
当然ながらトランスミッションの違いは乗り心地にも影響を与えます。ティプトロニックSはトルクコンバーターによる滑らかなフィーリングであるのに対し、PDKはよりスポーティでダイレクトなフィーリングを楽しめます。
カイエンはマカンよりもボディサイズ、パワーユニットの出力が大きく、加速性能や最高出力、ラグジュアリーな乗り味という点で、ハイパフォーマンスSUVにふさわしいモデルと言えます。
対するマカンは、シティユースでも使いやすいサイズ感やカジュアルなカラーラインナップ、そしてスポーツライクなトランスミッションの設定など、単純に廉価版SUVとは言い切れない魅力があるのも事実。あなたなら、どちらを選びますか?
■カイエン(ベースグレード)
全長×全幅×全高:4,920mm×1,985mm×1,695mm
ホイールベース:2,895mm
車重:2,060kg
駆動方式:全輪駆動
エンジン:3.0L V型6気筒
トランスミッション:8速ティプトロニックS
最高出力:250kW(340PS)/5,300〜6,400rpm
最大トルク:450Nm(45.9kgm)/1,340〜5,300rpm
タイヤ:(前)255 55 ZR 19 XL/(後)275 50 ZR 19 XL
価格:1012万円〜
■マカン(ベースグレード)
全長×全幅×全高:4,696mm×1,923mm×1,624mm
ホイールベース:2,807mm
車重:1,870kg
駆動方式:全輪駆動
エンジン:2.0L 直列4気筒
トランスミッション:7速PDK
最高出力:185kW(252PS)/5,000〜6,750rpm
最大トルク:370Nm(37.7kgm)/1,600〜4,500rpm
タイヤ:(前)235 60 R 18 103W/(後)255 55 R 18 105W
価格:699万円〜