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ロングセラーモデルの基礎を築いた初代グランドチェロキー

2018.03.06

グランドチェロキーはジープが販売する高級SUVです。1993年に初代が登場して以来のロングセラーモデルで、現在販売されているものは4代目となります。最もアメリカらしいクルマのひとつであるグランドチェロキーについて、ここでは初代を中心に紹介します。

 

 

 

フォード・エクスプローラーの対抗馬として

 

グランドチェロキーが初めて披露されたのは、1992年にデトロイトで開催された北米国際オートショーにおいてです。しかし、実は1983年にはすでにコンセプトがあったと言われています。当時、アメリカン・モーターズ・コーポレーション(AMC)の契約デザイナーとしてデザインを担当していたラリー・シノダ、アライン・クレネット、そしてジョルジェット・ジウジアーロの3名は、XJ型のチェロキーの代わりとなるモデルのデザインを行なっていました。一方で、AMCのインハウスデザイナーもまた、同様のモデルのデザインを進めており、1989年にコンセプト1という名のショーカーとして発表されています。これがグランドチェロキーの元になったと言われています。

 

 

1987年にクライスラーグループがAMCを買収したことにより、グランドチェロキーはジープブランドで発表されることが濃厚となりました。当初、1980年代後半の発売が予定されていたと言われていますが、CEOのリー・アイアコッカが、並行して開発していたクライスラー・ミニバンのデザイン変更を命じたために、1992年まで後ろ倒しされたという逸話が残っています。

 

 

このように、紆余曲折のあった初代グランドチェロキーですが、そのライバルはフォード・エクスプローラーでした。エクスプローラーは、現在もなお北米市場で最も売れているSUVのひとつですが、その対抗馬として、グランドチェロキーは送り込まれたのです。ちなみに、エクスプローラーをはじめとするSUVの多くが、ラダーフレームを採用しているのに対し、グランドチェロキーはモノコック構造を採用している点が特徴です。

 

ロングセラーモデルの基礎となった初代

 

初代グランドチェロキーに搭載されたのは、190馬力を発揮する4リットル直6エンジンと220馬力を発揮する5.2リットルV8エンジンの2種類です。その後、主に欧州向けとして設定された2.5リットルターボディーゼルや、245馬力を発揮する5.9リットルV8エンジンもラインナップされました。トランスミッションは4MT5AT、駆動形式はFR4WDが用意されました。ちなみに、4WDシステムはセレック・トラック4WDと、クォドラ・トラックフルタイム4WDが採用され、1996年まではコマンド・トラックパートタイム4WDも採用されています。また、1993年モデルには、V8 5.2Lエンジンを搭載したグランドチェロキーの上級モデルを、ジープ・グランドワゴニアとして台数限定で販売されました。このように、最もアメリカらしいモデルのひとつでありながら、世界各国に合わせた仕様を多く持っていました。

 

1996年にはマイナーチェンジが施されました。エクステリアデザインではフロントグリル、バンパーなどが変更されたほか、フォグランプが追加で装備されたました。また、デュアルエアバッグが新たに装備され、フェンダー部の車名書体が、AMCのものから、クライスラーのものに変更されました。

 

1998年に追加された5.9リミテッドは、上述の245馬力を発揮する5.9リットルV8エンジン搭載し、様々な専用装備が施された特別仕様車です。これはアメリカの自動車雑誌が選ぶ4×4 オブ・ザ・イヤーにも選出されました。

 

このように、初代グランドチェロキーは非常に高いポテンシャルを持っていました。2代目のグランドチェロキーが登場する頃、親会社のはダイムラー・クライスラーへと変わったにもかかわらず、初代グランドチェロキーの部品の多くを流用したことから見ても、いかに初代グランドチェロキーの完成度が高かったかがうかがえます。

 

変わらないマインド

 

初代グランドチェロキーが登場した1990年代前半から20年以上が経過した現在では、アメリカンブランドを取り巻く環境は一変しました。けれども、グランドチェロキーは現在に至るまでジープブランドの高級SUVとして変わらず高い地位を得ています。2018年には4代目となるグランドチェロキーにトラックホークというモデルが追加されましたが、これは最大出力は707馬力を発揮し、最高速度は290km/hに達するというモンスターマシンです。こうした派生モデルも含めたバリエーションの多さがグランドチェロキー最大の魅力と言えるかもしれません。

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